ジャパンナレッジ 本文サンプル『ヒバリ』

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日本大百科全書(ニッポニカ) 本文サンプル『ヒバリ』

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日本大百科全書(ニッポニカ)

ヒバリ

ひばり/雲雀
lark

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広義には鳥綱スズメ目ヒバリ科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。この科Alaudidaeの鳥は極地以外の全世界に分布し、アフリカにもっとも種類が多く全体の73%以上を占め、オーストラリア地区にはヤブヒバリ1種、南・北アメリカにはハマヒバリただ1種である。北アメリカ、ハワイ、オーストラリア、ニュージーランドなどに分布する種のヒバリはかつてヨーロッパから輸入されたものである。田畑、草原、海浜、砂漠などの広い地を好むので森が開かれるとすぐ分布を広げていく。地上に生活し、そこに生息する小動物や草本性植物の種子、花や葉などを主食とする。地上でも飛行中でもよい声でさえずるものが多く、中国ではコウテンシ、日本ではヒバリがその最たるものである。ピーチュク、ピーチュク、チーチー、チルル、チルルなど複雑多彩な長い声でさえずりながら上空を飛び回るので、第二次世界大戦前はこの習性を利用して「揚げヒバリ」とよばれる競技が流行した。ヒバリを籠 (かご) から出して上空高くさえずりながら飛ばせ、籠に戻るまでの滞空時間を競う競技である。ことに中国では盛んであった。ヒバリ科はヤブヒバリ属、スナヒバリ属、ヒメコウテンシ属、ヒバリ属など13属76種とされていて、日本で記録されているのはヒバリ、クビワコウテンシ、ヒメコウテンシ、ハマヒバリ、コヒバリの5種である。ヒバリ属にはヒバリとタイワンヒバリの2種がある。

 種のヒバリAlauda arvensis(英名はskylark)はヨーロッパ、アジア、アフリカ北部に広く分布し、10の亜種に分類されている。日本に分布するのは3亜種で、それぞれヒバリ、オオヒバリ、カラフトチュウヒバリの和名をつけている。日本に分布するヒバリは南千島から琉球諸島 (りゅうきゅうしょとう) の間の全土に生息する。北海道方面では夏鳥、琉球諸島方面では冬鳥、本州、四国、九州では留鳥とされているが、冬季には積雪地方のものが南下するので、日本の西南部では冬鳥として渡来したものが増加する。全長約17.5センチメートル。褐色に黒褐色の小縦斑 (じゅうはん) が一面にある。

[坂根 干]

日本大百科全書(ニッポニカ)(小学館)

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日本の歳時記 本文サンプル『ヒバリ』

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日本の歳時記

雲雀ひばり三春

はつ雲雀ひばりあげ雲雀ひばりおち雲雀ひばり雲雀ひばり雲雀ひばりかごこくてんきょうてんし

雲雀が空でさえずるのは、春ののどかな眺めの一つ。春、川原の草の中や麦や菜の花の畑に巣を作り、卵をかえし、ひなを育てる。そのために空に上って縄張りを主張しているのだ。これが「揚雲雀」。急転直下、空から降りてくる雲雀は「落雲雀」という。どこか愁いを感じさせるのは、「うらうらに照れる春日に雲雀あがり心かなしもひとりし思へば」(大伴家持『万葉集』)と詠まれて以来のことである。

関連ねり雲雀ひばり/→ふゆ雲雀ひばり

例句雲雀より空にやすらふたうげかな芭蕉

鑑賞おいぶみ』の旅の途中、大和のはつからよしへ抜けるほそとうげほぞ峠)での句。雲雀より高い所にあるというのだ。

例句永き日もさへづりたらぬひばり哉芭蕉

鑑賞太陽が西に傾いても空から降りてこない雲雀。

例句松風の空や雲雀の舞ひわかれ丈草

鑑賞高々と空に別れゆく二羽の行方。

例句くさめして見失うたる雲雀かな也有

鑑賞小さな点となって空で囀る雲雀。くしゃみをしたとたん、見失った。

例句うつくしや雲雀のなきあとの空一茶

鑑賞雲雀が降りてしまっても、その声がまだ聞こえてくるような、ほのぼのと霞む春の青空。

[鑑賞者:長谷川・大谷]

日本の歳時記(小学館)

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