NHK大河ドラマ「光る君へ」特集
ジャパンナレッジは約1700冊以上の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書」サービスです。
➞ジャパンナレッジについて詳しく見る
  1. トップページ
  2. >
  3. カテゴリ一覧
  4. >
  5. 文化
  6. >
  7. 伝統芸能・芸能
  8. >
  9. 祭事・行事・儀式
  10. >
  11. 送り火

送り火

ジャパンナレッジで閲覧できる『送り火』の日本大百科全書・世界大百科事典・日本国語大辞典のサンプルページ

日本大百科全書(ニッポニカ)

送り火
おくりび

門火 (かどび)ともいい、一般には盆が終わり、精霊 (しょうりょう)を送るため、家の入口、四つ辻 (つじ)、墓などで焚 (た)く火のこと。所によっては葬式の出棺のまぎわ、あるいは婚礼のおり娘が生家を出るとき、家の入口で火を焚く習俗があり、これも送り火とか門火とよんでいる。埼玉県西部地方では6月1日に家の前で焚く火のことをさす。盆の送り火は、13日に焚く迎え火に対し、16日または24日、25日に焚く火をさし、先祖の霊魂の去来の道しるべというが、ほかの火焚きの習俗から考えて、本来は、火の力によって危険な悪霊を追い払うという絶縁を意味する火といえよう。6月1日の門火は、麦殻を燃やしたり、静岡県西部地方では線香を立てているが、この日は剥 (は)け節供といって、祓 (はらえ)の行事をする日であるところから考えて、身についた穢 (けがれ)を追い払う火であることがわかる。

 送り火は家々の行事になっている所が多いが、村共同で、小高い山の頂や、秋田県横手市のように川原で焚く所もある。京都東山の如意ヶ岳 (にょいがたけ)の大文字焼 (だいもんじやき)も、今日では夏の風物詩の一つになっているが、盆の送り火の名残 (なごり)であり、共同体全体で精霊を送ることを表している。

[鎌田久子]



世界大百科事典

送り火
おくりび

盂蘭盆会(うらぼんえ)が終わり,精霊(先祖)を送るときに門の前や川,海浜などでたく火のこと。門火(かどび)ともいう。京都の大文字火が著名である。この火にのって先祖があの世へ帰るという。たとえば,岡山県邑久(おく)郡の盆送りには8月15日に麦わらの火をたき鉦をならして〈ぼにのほとけさまァ,これに付いていにゃァれ〉と唱えたという。

 この精霊送りを14日の夜から15日の朝早くと,15日の夜に家の前や川や海浜で行うところが多い。もともと,夜に行われたために送り場所の川や海へ行くまでの間,実際上の明りとしての松明や提灯などが必要であった。そして,送り場所につくとろうそく,線香などをたて,水供養をし,供物をささげて先祖を送ったのである。のちには,秋の夜に美しく光る火に先祖の姿を重ねて,送り火にのって先祖が帰ると考えるようになった。

 送り火として,大がかりな火祭も行われる。たとえば,淡路島の洲本では埋墓の上の丘で16日の夜,松明を縄の先につけてふりまわすという行事があるが,これも火を消さぬためにふりまわしていた松明が,“ふりまわす”ということに関心が移った結果である。火も法楽と考えられたことも火祭を盛んにさせた。盂蘭盆会に訪れるのは祖先や餓鬼だけでなく,邪悪な霊,たとえば病の神,稲虫などもくる。この邪悪な霊を送り火で送ることも行われた。このほか,葬式のときの出棺,嫁が家を出るときにも〈送り火〉がたかれる。
[田中 久夫]

[索引語]
盂蘭盆会 門火 火祭


日本国語大辞典

おくり‐び 【送火】

解説・用例

〔名〕

(1)盂蘭盆(うらぼん)の最終日に、迎えまつった祖先の霊を送るために門前などで焚く火。〓迎え火。《季・秋》

*俳諧・鷹筑波集〔1638〕四「秋は身をおくり火となす蛍哉〈玉次〉」

*咄本・私可多咄〔1671〕二・二一「文月十六日をくり火見にまかりし比」

*続史愚抄‐六四・元祿二年〔1689〕七月一八日「今夕有〓諸山送火〓去十六日。依雨不燃」

*浮世草子・世間胸算用〔1692〕一・一「七月魂祭りの送(オク)り火の時、蓮の葉に包みて極楽へ取って帰るべし」

*風俗画報‐四四号〔1892〕人事門「十六日の夕又送り火を焚くこれも今は廃れて無し」

(2)嫁入りを送る際、実家の門口で焚く火。

*女諸礼集〔1660〕二「一、しうとのかたには。〈略〉さて門の右のわきに一緒にたく火わら火也。これをおくり火といふなり」

*諸国風俗問状〔1813〕一一五「婚礼の時行事如何様候哉、送火、迎火、石打、水かふせなどいふ事も候哉」

(3)京都府舞鶴地方などで、葬式の出棺の際に、庭先で焚くわら火。門火。

発音

〓[リ][0]〓[リ]

辞書

言海

正式名称と詳細

表記

送火言海


上記は、日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書サービス「ジャパンナレッジ」のサンプル記事です。

ジャパンナレッジは、自分だけの専用図書館。
すべての辞書・事典・叢書が一括検索できるので、調査時間が大幅に短縮され、なおかつ充実した検索機能により、紙の辞書ではたどり着けなかった思わぬ発見も。
パソコン・タブレット・スマホからご利用できます。


送り火の関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 155
※検索結果は本ページの作成時点のものであり、実際の検索結果とは異なる場合があります
検索コンテンツ
1. 送り火画像
日本大百科全書
を出るとき、家の入口で火を焚く習俗があり、これも送り火とか門火とよんでいる。埼玉県西部地方では6月1日に家の前で焚く火のことをさす。盆の送り火は、13日に焚く迎
2. 送り火
世界大百科事典
ささげて先祖を送ったのである。のちには,秋の夜に美しく光る火に先祖の姿を重ねて,送り火にのって先祖が帰ると考えるようになった。 送り火として,大がかりな火祭も行
3. おくり‐び【送火】
日本国語大辞典
の時、蓮の葉に包みて極楽へ取って帰るべし」*風俗画報‐四四号〔1892〕人事門「十六日の夕又送り火を焚くこれも今は廃れて無し」(2)嫁入りを送る際、実家の門口で
4. 迎え火/送り火 【12か月のきまりごと歳時記】画像
生活便利帳
迎えるために門口に焚く火。対して、盆の最終日の夜(あるいは翌朝)に精霊を送るために焚く火を「送り火」という。盆の行事は地域によって、旧暦新暦月遅れなど時期も迎え
5. おくりび【送り火】
国史大辞典
⇒門火(かどび)
6. 東山(ひがしやま)の送(おく)り火(び)でだいじにせい
故事俗信ことわざ大辞典
大切にせよ。京都東山で、盆の送り火として「大」の字形に山を焼くところから、「大字」に、「大事」をかけたしゃれ。 滑稽本・大千世界楽屋探(1817)下「東山(ヒガ
7. 盆(ぼん)の迎(むか)え火(び)送(おく)り火(び)に当(あ)たるとできものができない〈俗信・俗説〉
故事俗信ことわざ大辞典
〔常陸鹿島の俚諺〕
8. たまおくり‐び【魂送火・霊送火】
日本国語大辞典
〔名〕魂送りのためにたく火。おくりび。〓[リ]
9. 大文字送り火画像
日本大百科全書
盆の精霊しょうりょう様の迎え火・送り火の変形した観光行事。他界(あの世)の祖霊を、天空から山を通じて家々に迎える趣旨からいうと、百八松明ひゃくはったいと同じく本
10. 大文字送り火[図版]画像
国史大辞典
都名所図会 (c)Yoshikawa kobunkan Inc. 
11. 大文字送り火[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
毎年8月16日夜に行われる盂蘭盆会うらぼんえの行事。東山の大文字山中腹にマツの割木を組み、一斉に火をつけて「大」の文字を浮き出させる。京都の観光行事として、夏の
12. 大文字五山送り火(だいもんじござんおくりび) 【12か月のきまりごと歳時記】
生活便利帳
松ヶ崎西山と東山に「妙法」、西賀茂船山に「船形」、金閣寺大北山に「左大文字」、嵯峨鳥居本曼荼羅山に「鳥居形」の送り火が夜8時から順次灯されていく。如意ヶ嶽の大文
13. 芥川賞
日本大百科全書
石井遊佳「百年泥」 若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」第159回(2018年度上期) 高橋弘希「送り火」第160回(2018年度下期) 上田岳弘「ニムロッド」
14. アサ画像
日本大百科全書
古くタイマを苧おとよんだことから苧殻おがらとよばれ、屋根葺ふきの下敷き、盂蘭盆うらぼんの迎え火・送り火、また懐炉灰の原料として用いる。苧実おのみとよばれる種子は
15. あさ【麻】画像
日本国語大辞典
はいだ残りの茎は「おがら」と呼ばれ、懐炉灰の原料、わら屋根の下ぶきなどのほか、お盆の「迎え火、送り火」としてたくのに用いる。現在では、栃木県をはじめ岩手、長野、
16. あさ‐がら【麻幹・麻殻】
日本国語大辞典
はいだ麻の茎。白くて軽く、折れやすい。七月の盂蘭盆(うらぼん)の精霊祭の箸(はし)や迎え火や送り火をたくのに用いる。また、焼いて火口(ほくち)や日本画の素描用と
17. 愛宕信仰
世界大百科事典
中心とする信仰。火伏せの信仰が中心である。近畿地方を中心として代参講が形成され,愛宕山へ代参を送り火伏せの札と樒(しきみ)の枝とを受けてくるほか,6月あるいは7
18. あとび【後火】[方言]
日本方言大辞典
嫁入りの時に行列が嫁の生家を出た後、また、葬式の時に葬列が門を出た後、再び戻らぬようにと門前でたく送り火。 岡山県042言語学雑誌(雑誌)1900 岡山市762
19. あと‐び【後火】
日本国語大辞典
〔名〕嫁入りの時に行列が嫁の生家を出た後、また、葬式の時に葬列が門を出た後、再び戻らぬようにと門前でたく送り火。《あとび》岡山県042 岡山市762 御津郡76
20. あと-び【後火・跡火】
全文全訳古語辞典
〔名詞〕葬式の時、棺を送り出した後で門の前でたく火。送り火
21. うらぼん【盂蘭盆】
日本国語大辞典
自宅にむかえて供物をそなえ、経をあげる。現在では、一三日夜に迎え火をたいて霊を迎えいれ、一六日夜に送り火で霊を送る。もともと「盂蘭盆経」の記事にもとづくもので、
22. うらぼん【盂蘭盆】
仏教語大辞典
自宅に迎えて供物をそなえ、経をあげる。現在では、十三日夜に迎え火をたいて霊を迎えいれ、十六日夜に送り火で霊を送る。もともと『盂蘭盆経』の記事にもとづくもので、わ
23. 盂蘭盆会画像
日本大百科全書
そこに祖先の霊を招いて僧侶そうりょに棚経たなぎょうをあげてもらい、墓参り、寺参りをし、迎え火・送り火を焚たき、あるいは盆踊りをするという行事が広く行われている。
24. 盂蘭盆会(うらぼんえ) 【12か月のきまりごと歳時記】
生活便利帳
るところが多い。13日の夕方に迎え火を焚いて祖先の霊を家に導き、15日の夜または16日の朝に送り火を焚いて霊を送る。魂送りとして灯籠流しや精霊流しが各地で行われ
25. 絵本江戸風俗往来 146ページ
東洋文庫
「お精霊さまのお迎火を七月十三日の夕まぐれに、万々の門口で焚くことは大体各戸で一致しているか、これが送り火となると、家に
26. 絵本江戸風俗往来 147ページ
東洋文庫
よってまちまちで必ずしも十五日の夜ではない。もう一日名残りを惜しんで十六日の宵、もう仕方がないと諦めるようにして送り火を焚く家も随分ある。……十六日朝まだき東京
27. 大阪(府)画像
日本大百科全書
鉦かねを鳴らして街中を走り、火除ひよけ祈願をする祭りで、「がんがら火」ともいう。京の大文字の送り火に似た祭りである。(3)河内地域 河内は大和国やまとのくにに隣
28. お‐がら[を‥]【麻幹・苧殻・麻木】
日本国語大辞典
〔名〕麻の皮をはいだあとの茎。盂蘭盆(うらぼん)の精霊棚(しょうりょうだな)のかざりに用いたり、迎え火、送り火にたいたりする。あさがら。《季・秋》*曾丹集〔11
29. おがら‐たき[をがら‥]【苧殻焚】
日本国語大辞典
〔名〕盂蘭盆(うらぼん)で、精霊(しょうりょう)の迎え火、送り火に苧殻を燃やすこと。オ〓ラタキ
30. おがら‐び[をがら‥]【苧殻火】
日本国語大辞典
〔名〕盂蘭盆(うらぼん)で、苧殻を燃やして精霊(しょうりょう)の迎え火、送り火とする火。《季・秋》*俳諧・馬光発句集〔1768〕「苧殻火やこよひの宵に似たるなし
31. おどり‐み[をどり‥]【踊見】
日本国語大辞典
盆踊りを見ること。《季・秋》*浮世草子・好色三代男〔1686〕一・二「細工燈籠色々の品をつくせば、送り火の跡もかすかに町々の躍見(ヲドリミ)、女男の引もちきらず
32. 火災感知器
日本大百科全書
気が温度により膨張し、ダイヤフラム(薄い波板の金属)を変位して電気接点を閉じ、受信機に電流を送り火災を通報するものである。煙感知器は大別するとイオン化式と光電式
33. 勝沼画像
日本大百科全書
。毎年10月第1日曜日には「ぶどうまつり」が行われ、夜には鳥居焼とりいやきという京都の大文字送り火に似通った行事も行われる。大滝山不動尊や大善寺だいぜんじがあり
34. 門
世界大百科事典
〈かど〉は霊的存在の出入りにも重要な意味を持つと考えられていた。門松・門火(かどび)(盂蘭盆でたく迎え火と送り火)のような〈かど〉に関する民俗行事が多いことも,
35. 門火
日本大百科全書
送り火
36. 門火
世界大百科事典
送り火
37. かど‐び【門火】
日本国語大辞典
焚てやる二度目」(3)盂蘭盆(うらぼん)の時、死者の霊を送り迎えするため門前にたく火。迎え火。送り火。《季・秋》*川端茅舎句集〔1934〕「影法師孤(ひとり)の
38. かどび【門火】
国史大辞典
特定の場合に家の門口で火を焚くこと。送り火と迎え火とがあり、婚礼と盆とに行われ、葬礼の際には送り火のみ行われる。婚礼の門火は『嫁入記』(室町時代中期)に「門火
39. かば【樺】[標準語索引]
日本方言大辞典
うだいまつ / くさざくら / さくら / しらかば / ひーたん / みねばりうら盆会の迎え火や送り火として門口や墓所でかば:樺の皮を燃やすことかばびかば:樺
40. かばび【樺火】[方言]
日本方言大辞典
うら盆会の迎え火や送り火として門口や墓所で樺かばの皮を燃やすこと。 青森県三戸郡083青森県五戸語彙(能田多代子)1963 岩手県盛岡005日本産物志(伊藤圭介
41. 共古随筆 63ページ
東洋文庫
前記の村にては七月盆祭をする時、門より家へ至る処へ、一本の竹を立て、花をさし仏に供す。此の竹のもとにて迎火送り火をたく。 東京の迷信は東京固有の迷信なるか他地方
42. 京都(市)画像
日本大百科全書
て四明しめい岳(839メートル)を主峰とする比叡山地ひえいさんちがそびえる。その南にはお盆の送り火「大文字だいもんじ」で知られる如意にょいヶ岳があり、さらに東山
43. 京都(府)画像
日本大百科全書
壬生みぶ寺の壬生狂言、4月の都をどり、6月の鞍馬くらまの竹伐り会式たけきりえしき、8月の大文字だいもんじの送り火、12月の南座の顔見世かおみせ興行など、きわめて
44. 京都市新景観条例/眺望景観創生条例[イミダス編 社会・健康]
イミダス 2018
「視対象」ととらえ、視点場からの視対象を妨げないように、眺望景観を創生するとしている。「五山の送り火」や「清水の舞台」など、京都を代表する38カ所が保全対象とな
45. 近世畸人伝・続近世畸人伝 268ページ
東洋文庫
日、京師一条のほとりに生る。母氏曾てなやむことなし。二歳の時、秋七月十六日夜、父携へて東山の送り火を見せしに、大の字をみて家にかへりてた父ちに葦毛るす。嘉套ぐの
46. 近世俳句集 250ページ
日本古典文学全集
京都東山の如意岳の中腹に大の字形に焚く篝火。一画の長さ百五十間(約二七〇)にも及ぶ大文字である。盆の送り火とされ、この夜、京都の家々では門火を焚かない。一条通り
47. 近世俳文集 431ページ
日本古典文学全集
盂蘭盆 なき玉のきますといふ事、一年に数多度あなるとなれど、ことに七月はうらぼんにて、久かたの雲のうへにも御盆供を備へ給ひ、あまさがるひな人までもあたり〳〵の持
48. 好色五人女(井原西鶴集) 257ページ
日本古典文学全集
やりてに門茶を焼かせて、歌念仏を申し、死にもせぬ久五郎がためとて、尊霊の棚を祭り、楊枝もやして送り火の影、夜するほどの事をしつくして後は、世界の図にある裸島とて
49. 講談落語今昔譚 172ページ
東洋文庫
ひぎや今年を星の名残とは」(川竹芳々1後の黙阿弥)「一葉から此世を思ひ桐の秋」(瀬川如皐)「送り火や飛つく蚕追ひながら」(古今亭志ん生)「落る日や蓮にさき立つ芋
50. さいほうじ【西方寺】京都市:北区/西賀茂村地図
日本歴史地名大系
打ちながら踊るもので、空也堂系の六斎念仏に比して古態を伝えるといわれる。五山の送り火の一つ船山(船形)は俗に精霊船といわれるが、ほかの送り火と同様、その始期を明
「送り火」の情報だけではなく、「送り火」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶

送り火と同じ祭事・行事・儀式カテゴリの記事
田楽(国史大辞典・新版 能 狂言事典・改訂新版 世界大百科事典)
広義には稲作に関する芸能の総称として用いるが、狭義には田楽躍(おどり)を本芸とする職業芸能者が演じる芸能をいう。また田植の囃しや田楽躍に用いる太鼓を称する場合もある。広義の田楽は、(1)田植を囃す楽、(2)職業芸能者である田楽法師による芸能
民俗芸能(国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
地域社会の中で、住民の信仰や風俗・習慣と結び付きながら伝承してきた郷土色ゆたかな芸能。郷土芸能・民間芸能などともいう。祭や宴遊・講などを主な伝承の場とし、特に農耕の祭に呪術的機能を買われて演じられ、また芸能をもって成人教育とするなど
精霊流し(国史大辞典・日本大百科全書・日本国語大辞典)
盆行事の最終段階で、精霊を送り出す儀礼。先祖の霊は、七月十三日の精霊迎えを経て、十五日または十六日夕方まで各家に滞在したのち、精霊流しによって、再びあの世へ送り返されると信じられていた。祖霊をはじめ、死者の霊は山の彼方の世界に行っているが
三社祭(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
東京都台東区浅草公園に鎮座する浅草神社の祭り。浅草神社は土師真中知(はじのまち)命・檜前浜成(ひのくまのはまなり)命・檜前武成(たけなり)命の三神を祭るところから三社権現と称されてきたが、明治元年(一八六八)、三社明神社
左義長(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
小正月に行われる火祭り行事。三毬杖・三毬打・三鞠打・三木張などとも書き、爆竹にこの訓をあてた例もある。打毬(だきゅう)は正月のめでたい遊戯とされ、これに使う毬杖(ぎっちょう)を祝儀物として贈る風習があった。その破損した毬杖を陰陽師が集めて焼く
祭事・行事・儀式と同じカテゴリの記事をもっと見る


「送り火」は祭・祭事・イベントに関連のある記事です。
その他の祭・祭事・イベントに関連する記事
初詣(日本大百科全書・世界大百科事典・平成ニッポン生活便利帳)
新年最初に神仏に参詣(さんけい)すること。大晦日(おおみそか)の晩から元日にかけては、村の氏神にこもって起き明かすものであったが、前半は除夜の鐘を聞き、後半は初詣でと、二つを別々の行事に分けたのであろう。恵方(えほう)参りともいって、その年の明きの
書初(日本国語大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
解説・用例〔名〕新年に初めて毛筆で文字を書く正月の行事。昔から、一月二日(江戸時代、寺子屋などでは五日)に恵方(えほう)に向かってめでたい意味の詩歌成句などを書いた。ふではじめ。吉書初(きっしょはじ)め。試筆。かきはじめ。《季・新年》*満済准后日記
初夢(日本国語大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
解説・用例〔名〕年の初めに見る夢。(イ)節分の夜から立春の明けがたに見る夢。*山家集〔12C後〕上「たつ春の朝よみける年くれぬ春来べしとは思ひ寝にまさしく見えてかなふ初夢」*俳諧・増山の井〔1663〕正月「初夢立春の朝の夢也」*随筆・嬉遊笑覧
大晦日(国史大辞典・日本大百科全書・日本国語大辞典・日本の歳時記・日本方言大辞典)
一年の最終の日。毎月ある晦日(「みそか」とは三十日の意)に大の字をつけたのである。大つごもり(「つごもり」は月籠りの義)ともいう。商家では決算に忙しく、家庭では正月祝いの準備を整える。この夜は除夜とも大年の夜とも呼ばれ、その夜半をもって新年の訪れ
新嘗祭(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
「にいあえのまつり」、また音読して「しんじょうさい」ともいう。「にいなめ」は古代の稲の収穫祭であるが、民間儀礼と宮廷祭祀に分化している。民間の新嘗としては、『万葉集』の東歌(あずまうた)に女性だけで祭を行なっていたことを示す歌二首がみえる
祭・祭事・イベントに関連する記事をもっと見る


ジャパンナレッジは約1700冊以上(総額750万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のインターネット辞書・事典・叢書サイト」です。日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶