JKボイス お客様の声知識の泉へ
ジャパンナレッジを実際にご利用いただいているユーザーの方々に、その魅力や活用法をお聞きしました。
先端を行くナレッジピープルによる数々のジャパンナレッジ活用術の中に、あなたの知識探索生活をさらに豊かにするヒントが隠されているかも知れません。法人のお客さまの導入事例としても、興味深いエピソードが盛りだくさんです。
2005年08月

JKボイス-私はこう使っています:ジャパンナレッジ ジャパンナレッジを理科の授業で使う大学附属高校の知識環境

平野 誠さん
(ひらのまこと)
中央大学附属高等学校 専任司書教諭(2004年度まで同校理科教諭)
http://www.hs.chuo-u.ac.jp/
 中央大学附属高校は、全国の中でもいち早くジャパンナレッジを導入した高校だ。付属高校である特性を活かし、図書館での利用はもちろん、国語や理科、社会などの授業でもジャパンナレッジを活用してきたという。実際に理科の授業で利用した例を同校の平野先生に伺ってみた。

ジャパンナレッジなどのDBを駆使する高校生たち

 本校は、東京都の小金井市にある、生徒数1500名ほどの高大一貫の付属高校です。大半の生徒が中央大学に進学するため、のびのびとした学校生活を過ごしています。卒業までに全員が100冊の本を読破する「課題図書」を設定したり、3年生では1・2学期を通して「卒業論文」を作成するなど、特色ある教育を展開しています。

 また、高校屈指といわれる図書館を有し、図書館のホームページから13万冊におよぶ蔵書が検索可能です。さらに「ジャパンナレッジ」を含む複数のオンラインデータベースも容易に利用できる環境にあります。

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情報検索のエントランス「図書館ホームページ」

利用できる情報検索ツールは現在6つ

  • (1)「図書館資料検索」
  • (2)「ジャパンナレッジ・字通」
  • (3)朝日新聞記事検索「朝日けんさくくん」
  • (4)読売新聞記事検索「スクールヨミダス」
  • (5)日経4紙・毎日新聞・地方10紙新聞記事検索「日経テレコン21」、海外データベース検索
  • (6)「エンカルタ総合大百科」


教材として信頼できる知識源とは?

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 本校の理科は、以前より実験・観察・実習を重視した授業形態をとっています。その中で第1学年の必履修科目である「理科総合B」は、生物学と地学の分野を中心に、生物と自然環境との関わりについて総合的に学習する科目です。地球の誕生から現在にいたる過程や環境問題など、その学習には最新情報が教材として必要不可欠です。折しも校舎の建て替えで理科実験室が一新。生物・地学実験室にはネットワークに接続されたノート型パソコンが生徒1人に1台ずつ用意され、図書館ホームページへアクセスすることで「ジャパンナレッジ」を含むオンラインデータベースを教材として活用することが可能となりました。

 この科目では、まず入学早々4月の段階で、「情報・資料の収集方法」について学びます。手軽に利用できることから、生徒たちは一般の検索エンジンで情報や資料を収集することを考えます。ところが「信憑性があり正確な情報・資料」・「新しい情報・資料」を収集するとなると、画面に表示された膨大なサイトについて、個々に検証していかなければなりません。検索されたサイトは、必ずしも信憑性がある最新情報とは限らないからです。そこで、最新の信頼できる学習教材として、図書館ホームページから利用することができる「ジャパンナレッジ」をはじめとした知識・情報検索ツールを紹介し、その使い方を学びます。

“とりあえず”使うことの大切さ

 授業の中で「調べる」必要が生じた時、どのようにして調べればよいのか? いくら良い知識・情報検索ツールを揃えていても生徒たちが利用してくれなければ意味がありません。そこで、4月の段階では「とりあえず」使える程度のスキルを習得させています。この「とりあえず」レベルが意外と大切で、各検索ツールの使い方をすべて懇切丁寧に習得させようとすると、生徒は(生徒に限りませんが……)消化不良を起こし、使いにくいという印象から後々の利用が進みません。「ジャパンナレッジ」では「OneLook」で検索語を入力し、キーボードの「Enter」を押せばよいことを強調しています。横断検索(一括検索)については、図書館から「OneLook」で検索できる辞書・事典をできる限り持ち出し、机の上にズラリと並べて見せれば一目瞭然。また、同じキーワードで検索した場合、一般の検索エンジンに比べて紹介される「関連サイト(ニッポニカURLセレクト)」が少ないことが、生徒から見ると厳選されたサイトとして理解されていきます。専門スタッフが日々検証しているサイトの“重み”も、書籍版の『ニッポニカURLセレクト』を生徒たちに手に持たせることで十分に伝わります。とにかく1年生ということもあり、あまり難しいことは抜きにしています。

 本格的に実験室での授業が始まると、教科書に出てくる事柄の確認や最新情報・資料の収集などに「ジャパンナレッジ」や他のオンラインデータベースを適宜、教材として利用していきます。「ジャパンナレッジ」では、とくに最新の内容や用語を調べるために『日本大百科全書』、『imidas』、『現代用語の基礎知識』を多く授業で利用しますが、情報を比較するためにも『エンカルタ総合大百科』(マイクロソフト社)なども併用して調べるようにしています。また、インターネット上の情報については、一般の検索エンジンから入るのではなく、『日本大百科全書』で紹介される「関連サイト」や「URLの検索」から利用するように習慣づけていきます。

知識探索ツールが生徒たちの知的好奇心を刺激する

 3学期になると、今までの学習を基盤に「課題研究」に取り組みます。「人間の活動と環境の課題」について各自が興味・関心のあるテーマを設定し、科学的なデータ(数値)を基に探求活動を行います。最終的には報告書にまとめますが、テーマの設定から報告書の作成まで、ジャパンナレッジが頻繁に利用されていきます。『日本大百科全書』をはじめとした複数の辞書・事典類や『ニッポニカURLセレクト』で紹介されるサイトそのものが課題作成のための重要な情報・資料源となるのはもちろんですが、資料として図書館で借りた本や新聞記事を読む際にも、わからない用語などを調べるための便利なツールにもなるのです。仕上がった報告書は1年生としては思いのほか高いレベルで、教材として適した情報検索ツールを提供すれば、生徒たちは知的好奇心を刺激され、自ら進んで学習することを確信しました。

 最後に、私なりに「ジャパンナレッジ」が学習教材として適している点をまとめてみました。

  • ・内容が常にアップデートされているので正確な情報であること(特に『日本大百科全書』)。
  • ・信頼できる多くのコンテンツを揃えていること。
  • ・複数の辞書・事典類を比較することが出来ること。
  • ・パソコンがあれば利用できるので場所をとらないこと(インターネットが接続できる環境であればどこでも利用できること)。
  • ・一般の検索サイトと違い、安全なサイトを生徒たちに提供できること(『ニッポニカURLセレクト』)。
  • ・操作が簡単なこと。
  • ・卒業後、大学生や社会人になっても継続的に利用できる内容であること。
  • ・教員が教材研究に利用できること(校務にも利用可)。