明治20年代から戦中まで、波乱と激動の時代に発行された『校友会雑誌』は、日本の次代を担うエリートを教育する旧制第一高等学校の学内誌として明治23年(1890)に創刊されました。

旧制一高生の多くは、後に広く学問・芸術・政治・経済・教育の各界で近代日本の成立に尽力しました。本誌はその青春の精神記録となっています。

旧制一高は戦後廃校になり、『校友会雑誌』も戦中に『護国会雑誌』と誌名を変更された後、昭和19年(1944)に廃刊となりました。しかし『校友会雑誌』を起源とする高校・大学の学内誌という文化装置は、現在にも引き継がれて多くの学校で発行されています。

旧制一高生の多くは天下の俊才を自負して全国から集まり、全寮制で切磋琢磨した生活をおくっていました。彼らにはエリート臭がめだつこともありますが、真摯に時代に対峙し、時代とともに悩み、自己を確立していきました。そういう若者たちが、商業雑誌とは性格の異なる本誌で近代の論壇、文壇を形成していきました。論壇人を例示しますと、石原謙、阿部次郎、和辻哲郎、倉田百三、谷川徹三、林達夫、羽仁五郎等々です。文壇人では、川端康成の『伊豆の踊子』の原型といえる『ちよ』をはじめ、谷崎潤一郎から神西清、堀辰雄、高見順らの世代を経て、福永武彦、中村真一郎、加藤周一、清岡卓行らに至るまで、彼らの業績の出発点ともいうべき作品が掲載されました。

学術・芸術方面で大成した多くの逸材の青春を記録した貴重な雑誌です。

編集委員/池内輝雄・稲垣眞美・曾根博義・東郷克美・十川信介・中島国彦・中村稔

コンテンツ情報

底本名 校友会雑誌、護国会雑誌(改題)
発行 第一高等学校校友会
原誌刊行日 校友会雑誌:明治23年(1890)11月~昭和15年(1940)12月
護国会雑誌:昭和16年(1941)6月~昭和19年(1944)6月
巻冊数 380冊(*発行382冊、うち大正12 年発行の293号・295号は未発見のため未収録/「護国会雑誌」7冊)
JK公開日 2008年5月
頁数 38,864頁
記事数 6,809件
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(2014年10月現在)
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