ジャパンナレッジ
「今度小学館は、英国のNED(*)のような権威ある国語大辞典の編修に取りかかった。これは、正に国家的な大事業である。(中略)今や英・独・仏の所有しない上代語史料までさかのぼって、古いわが国語史の全容を明らかにする大辞典の作成が企てらるべくして、いまだ政府の諸機関もついにこれを顧慮することを忘れていた。小学館がここに見るところあり、現代の国語学者の全部を請じて、そういう大辞典編集の計画を相談し、国家に代わってこれを画策されることは、近来の大勇断であり、賛嘆すべき一大美挙である」
*NED(A New English Dictionary 新英語辞典)
故・金田一京助博士が「日本国語大辞典」(初版)のパンフレットに編集顧問として寄せられた言葉です。1972年から76年にかけて刊行された初版(全20巻)に5万の新項目、25万の新用例を増補、総項目数50万、用例100万という類のない規模と質を備えた日本語辞典として編纂された『日本国語大辞典 第二版』は、日本が世界に誇る文化遺産です。