ジャパンナレッジは日本最大級のオンライン辞書・事典サービスです。
「国史大辞典」「日本古典文学全集」「日本国語大辞典」「世界大百科事典」「日本大百科全書」など80種類以上の辞書・事典をパソコン、タブレット、スマートフォンで利用できます。
ジャパンナレッジには、70以上の辞書・事典が収録されています。そのため、掲載されている項目も非常に多く、グーグル検索をかけただけでは知りえない情報について知ることができます。また、辞書・事典ということで、専門家によって執筆された正確な情報を手に入れることができます。
私は、西洋哲学を専門に研究しています。ジャパンナレッジではとくに、本を読んでいて出てきた哲学者の名前を検索するのに用いています。ここでは具体的に、私がどのようにジャパンナレッジを活用しているのかを説明していきます。
1、研究書を探すという使い方
ジャパンナレッジは、辞書・事典を収録したデータベースです。ですから、ある事項を調べることで、そのすべてを知ることができるようになるわけではありません。では、どのように利用すればよいかというと、その事項を知るための知識、つまり、「知識を得るための知識」を探すために利用すればよいわけです。
たとえば、哲学の分野、とくに哲学者について調べるときには、
・その哲学者はどのような思想の系譜に属しているのか
・その哲学者と関係の深い哲学者・思想家は誰なのか
などを知ることで、その哲学者がどのような人なのかが大まかにわかるようになります。すると、こうした手がかりから、どのような本を読むことでその哲学者についての概要をつかめるかがわかるようになります。
ここでは、ためしに「クーチュラー」という人について調べてみます。グーグルやアマゾンなどで、「クーチュラー」と検索してみても、ヒットしません。ここで、ジャパンナレッジを利用してみることにします。ジャパンナレッジで検索すると、「フランスの哲学者、数学者。数学的論理学の重要性を説き、ラッセルの論理主義の先駆となった」(香川知晶. 『日本大百科全書』. 小学館. )人であるとわかります。ここから、クーチュラーという人は論理学を研究していた人であることがつかめました。さらに、クーチュラーのスペルが「Louis Couturat」であることも知ることができました。
そこで、改めて「クーチュラー 論理学」というふうにグーグル検索してみると、彼について書かれた記事や論文が複数見つかります。すると、こうした記事や論文が参考文献として挙げている本にたどり着くことができるわけです。
さらに、クーチュラーのスペルが「Louis Couturat」であったことから、グーグルやアマゾンで「Louis Couturat」と検索してみると、彼に関する著作が出てきます。彼自身の著作(一次文献)はもちろん、彼の思想を解釈した本(二次文献)をも見つけることができました。
このように、ジャパンナレッジは、専門書にアクセスするためのツールとして非常に有用だということがわかります。
2、興味ある項目の入門書を読むという使い方
ジャパンナレッジには、文庫クセジュのベストセラー本が全文掲載されています。文庫クセジュには様々なタイトルがありますが、哲学や思想にかんするタイトルはとくに充実しています。
先ほど挙げたクーチュラーの解説の中に、ラッセルという哲学者が挙げられていました。ジャパンナレッジで「ラッセル」と検索すると、哲学者のラッセルとは「バートランド・ラッセル」という人であることがわかります。そこで、さらにジャパンナレッジで「バートランド・ラッセル」と検索(全文検索)してみます。すると、文庫クセジュの『科学哲学』という本がヒットしました。これをクリックすると、バートランド・ラッセルの思想を詳しく知ることができます。さらに深く知りたいと思った場合には、ラッセルの専門書を探せばよいでしょう。
このようにジャパンナレッジは、専門書を読むに至るまでの足掛かりとして、非常に大きな役割を果たしてくれます。ですから、まだ使ったことがない方は、ぜひ利用してみましょう。