収録内容
①大正12年~昭和7年(1923~1932)
菊池寛のもと大正デモクラシー末期に産声をあげた『文藝春秋』。28頁の創刊号は芥川龍之介、川端康成、横光利一ら同人の随筆が並んだ。以後、小説、時事、実話、実用など多ジャンルに及ぶ総合雑誌へと成長。昭和7年の10周年記念号の頁数はなんと572頁に。
この間の主な読み物など
- 大正12年11月号 震災文章
- 大正13年8月号 上方の食ひもの/谷崎潤一郎
- 大正15年10月号~ 六号記事
- 昭和2年9月号 芥川龍之介追悼号
- 昭和4年4月号 文藝春秋議会
- 昭和4年4月号~ 目・耳・口
- 昭和5年11月号~ 政界夜話
- 昭和6年6月号~ 文壇ユウモア
②昭和8年~昭和16年(1933~1941)
満州事変後、日中戦争から太平洋戦争開戦へと続く時期。文学賞、芥川賞・直木賞の創設など媒体として成熟期を迎えるが、13年の国家総動員法制定後は政治や軍事、国際情勢を伝える記事や戦争小説など、次第に戦時体制強化のための内容へシフトしていく。
この間の主な読み物など
- 昭和8年1・2月号 新恋愛論日本現状論懸賞論文当選発表
- 昭和9年1月号~ 有名画家による表紙・目次挿絵・口絵
- 昭和10年8月号 新生活運動の精神/蒋介石
- 昭和11年7月号 ジヤン・コクトウと語る會
- 昭和14年5月号 旅愁/横光利一
- 昭和16年12月号 特集「危機に立つ日米関係」
③昭和17年~昭和25年(1942~1950)
20周年記念号で華々しいスタートを切ったが、次第に日本の戦局を反映した萎んだ内容に。東京大空襲後6か月の休刊を経て、終戦直後の20年10月号で復活。21年6月号からは菊池寛の手を離れ新会社からの発行となり、今に続く文春ジャーナリズムを確立。
この間の主な読み物など
- 昭和17年1月号 発刊二十周年の辞
- 昭和20年3月号 本土戦場化に処する決意
- 昭和20年10月号 其心記/菊池寛
- 昭和24年10月号 網走の覚書/宮本顕治
- 昭和25年1月号 人間・山本五十六/高木惣吉
- 昭和25年2月号 下山事件 捜査最終報告書
- 昭和25年5月号 ガダルカナル/辻政信