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そう(躁)とうつ(鬱)が交互に現れる精神疾患。双極性感情障害ともいう。そううつ病と同義に扱われることも多い。うつ状態のみが現れるうつ病とは区別される。双極性型障害と双極性型障害に分類され、型はそう状態が軽いため、本人や周囲の人に認識されず、うつ病と思われていることが多い。ほかに、軽いそう状態とうつ状態が交互に一定期間持続して現れる気分循環性障害も双極性障害に含まれる。そう状態の症状としては、万能感、多弁、注意散漫、睡眠欲の減少などがみられ、うつ状態の症状には、憂うつ感、無関心、無感動、不眠や過眠、自己否定や罪悪感、自殺への衝動などがある。実際に自殺に至るケースもあり、入院治療や周囲の注意が重要となる。
治療は、そう状態とうつ状態それぞれを抑制する気分安定薬や睡眠導入剤などの薬物による療法が中心となる。また、カウンセリングによるストレスの管理なども重要である。病因ははっきりわかっていないが、脳内の神経伝達機構の障害によるものという説が有力。また、双極性障害を発症しやすい体質には、遺伝的要素があるという指摘もある。
[編集部]