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把頭(つかがしら)に環状の金属飾りを装備した大刀の総称。古くは高麗剣(狛剣)(こまつるぎ)とよんだ。足金物(あしかなもの)や鐔(つば)を用いず、鞘(さや)と把縁(つかぶち)も呑口(のみぐち)式となるのを原則とする。その源流は中国、朝鮮にあるが、古墳時代のものは、環体とその内部装飾により、素環(そかん)、三葉(さんよう)環、三累(さんるい)環、竜鳳(りゅうほう)環、獅噛(しがみ)環の形式が知られ、時期別による型式差も認められている。百済(くだら)武寧王陵(ぶねいおうりょう)の単竜環刀(たんりゅうかんとう)の存在から、官位の象徴として、大和(やまと)朝廷より各地の有力層に配布された儀刀(ぎとう)とする説が有力視されている。