硬骨魚綱ワニトカゲギス目ホテイエソ科に属する海水魚。房総(ぼうそう)半島沖、駿河(するが)湾、本州南岸沖合い、小笠原(おがさわら)諸島海域、台湾南部など西太平洋、モザンビーク沖、南アフリカ沖、メキシコ湾などインド洋、大西洋の熱帯から温帯海域に分布する。体はいくぶん高く、側扁(そくへん)する。体高は体長の約16.4~22.0%。頭は小さくて、頭長は体長の約20~25%。吻(ふん)は短く、吻端はとがる。目は小さく、眼径は吻長におよそ等しい。口は大きく、斜め上向きに開く。上顎(じょうがく)の後端は目の後縁をはるかに越えて、鰓蓋(さいがい)の下端近くに達する。上顎の長さは頭長の約90%。下顎と上顎の先端は同じ垂線上にあり、下顎は湾曲しない。上顎に6~9本、下顎に7~8本の鋭い牙(きば)状の歯がある。下顎の前部腹面に頭長よりも長い単一の細長いひげがある。目の後縁下方におよそ眼径大の楕円(だえん)形の眼後発光器がある。体には鱗(うろこ)がなく、粗雑な皮膚で覆われ、はがれやすい。体の側面に連続する発光器があるが、きわめて小さくて肉眼で数えるのは困難。腹びれより前にある腹側前発光器は15~19個、腹びれ起部から臀(しり)びれ起部にある腹部腹側発光器は11~12個、臀びれ起部から尾びれ基底(付け根の部分)にある尾部発光器は5個、腹側の発光器の上方に並ぶ体側発光器は20~25個。背びれと臀びれは体の後端に位置し、両ひれはほとんど同じ垂線上から始まる。臀びれ基底後端は背びれ基底後端よりもすこし後方にある。背びれは13~15軟条、臀びれは13~16軟条。脂(あぶら)びれ(背びれの後方にある1個の肉質の小さいひれ)はない。胸びれは鰓孔の下方の腹縁に位置し、軟条数が多くて37~40本ある。腹びれは18~26軟条で、著しく高位にあり、体側の中軸線のほぼ中央に位置する。頭と体は一様に黒色で、ひげは白色。眼後発光器は白色またはかすかに桃色。水深約10~500メートルにすむ。最大体長は約13センチメートル。
本種が属するチヒロホシエソ属は下顎が湾曲せず、腹びれが体側の中軸線の中央部あるいはそれよりも上方にあることなどで、ホテイエソ科の他属魚類と区別できる。本属には日本から本種を含めて6種が知られている。本種は胸びれ軟条が多くて37~40本あることで、2~4本のホソギンガエソB. pawneeiやキングホシエソB. kingiおよび6~9本のアマノガワギンガエソB. longipinnisと、腹びれ軟条数が18~26本であることで、9~14本のマルギンガエソB. brevisやチヒロホシエソB. digitatusと異なる。なお、ホテイエソ科をワニトカゲギス科のなかのホテイエソ亜科とする研究者もいる。