硬骨魚綱ワニトカゲギス目ホテイエソ科に属する海水魚。北海道太平洋沖から相模(さがみ)湾、アラスカからカリフォルニア沖の北太平洋の亜寒帯から温帯海域に分布する。体はきわめて細長くて側扁(そくへん)する。体長は体高の約9~10倍。頭は小さくて、強く側扁し、体長は頭長の約12~16倍。吻(ふん)は短く、吻端は丸い。目は小さく、頭の前端近くに位置し、眼径は吻長におよそ等しい。口は大きく、斜め上方を向く。上顎(じょうがく)の後端は目の後縁をはるかに越えて、鰓蓋(さいがい)の下端近くに達する。上下両顎の長さは頭長よりわずかに短い。下顎は上顎よりも突出し、前上方に強く湾曲する。前上顎骨は外側に3本の固定歯と内側に7~8本の可倒歯を備える。主上顎骨と下顎には長短の可倒歯が外から内に櫛(くし)状の群を形成し、主上顎骨では5~6群、下顎では13~15群が並ぶ。舌上に2個の歯群がある。鋤骨(じょこつ)(頭蓋床の最前端にある骨)と口蓋骨には歯がない。鰓耙(さいは)は1~4尖頭(せんとう)の歯状で、鰓弓の上枝にはないか、あっても2本以下、下枝には10本。下顎の腹面には、いぼ状のきわめて短いひげが左右の骨の間にある。目の後縁下方に瞳孔(どうこう)より大きい眼後発光器があるが、眼下発光器はない。体には鱗(うろこ)がなく、皮膚はきわめてはがれやすい。上下両顎の後端付近に小さい鰓蓋部発光器がある。体の側面に連続する発光器があるが、きわめて小さい。腹びれより前にある腹側前発光器は54~56個、腹びれ起部から臀(しり)びれ起部にある腹部腹側発光器は19~20個、臀びれ起部から尾びれ基底(付け根の部分)にある尾部発光器は12~14個、腹側の発光器の上方に並ぶ体側発光器は63~65個。背びれと臀びれは体の後端に位置し、両ひれはほとんど同じ垂線上から始まる。臀びれ基底後端は背びれ基底後端よりもすこし後方にある。背びれは14~16軟条、臀びれは18~22軟条。脂(あぶら)びれ(背びれの後方にある1個の肉質の小さいひれ)と胸びれはない。腹びれは体の前3分の2付近に位置する。体と各ひれは一様に灰黒色。水深約300~2000メートルの中深層~漸深層にすむが、水深30メートルから採集されたという記録もある。最大体長は約37センチメートル。
本種が属するハダカホテイエソ属は脂びれと胸びれがないこと、鋤骨と口蓋骨に歯がないこと、下顎の歯が歯群となり列状に並ぶこと、鰓蓋部発光器があること、腹側前発光器が多いことなどの特異な特徴をもつ。ハダカホテイエソ属には本種しか含まれない。なお、ホテイエソ科をワニトカゲギス科のなかのホテイエソ亜科とする研究者もいる。