主として旅客を運ぶことを目的として開発・製造・運用される航空機。胴体に固定の主翼と尾翼を取り付けた飛行機をさすことが多く、法的にも開発時に製造事業者が型式証明を、運航時に運航事業者などが耐空証明を受けることを要する。1950年代の航空機エンジンのジェット化とそれ以降の効率化により、現在の旅客機は巡航高度では音速の8割程度(時速900キロメートル前後)で飛行する。音速以上で飛ぶ超音速旅客機もあるが、一般的な旅客機で音速に到達しようとすると空気抵抗が急増するなどの問題があるため、翼の後退角を大きくするなど、異なる設計が必要となる。旅客機は速度や航続距離、乗員数といった基礎的な性能諸元を満たすように設計・開発され、操縦系統のほか、客室内空調装置、与圧装置、緊急時のための非常口や装備品などを設けている。エンジンは2基搭載されている機体が近年の主流であり、万一片方のエンジンが停止(片肺停止)した際でも、一定時間飛行を続け、緊急着陸を行うことができる機体が国際的な認定を受けている。
現在ではエンジン2基の機体が長距離便での主力になっているが、かつてエンジンの信頼性が低かった時代には3、4基のエンジンをもつ機体が長距離を運航した。安全面の担保としては、エンジンばかりでなく、操縦系統などの冗長化(故障などに備え予備を設けること)、航法装置の多重化、避難経路の確保などが図られている。現在の航空機の形状は主翼・胴・尾翼・推進器(エンジン)からなるのが一般的であるが、関連学術界では航空機騒音の低減や燃費の向上、持続可能な燃料の利用など環境性能に着目した研究も盛んであり、尾翼を廃した翼胴融合形状や、推進器を機体上方に配置した形状などが将来型機として提案されている。