日本大百科全書(ニッポニカ)

国立成育医療研究センター
こくりつせいいくいりょうけんきゅうせんたー

成育医療に関する調査・研究、モデル医療や高度先駆的医療を行う、厚生労働省所管の国立研究開発法人(独立行政法人)。英語名はNational Center for Child Health and Development、略称はNCCHD。「高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律」(平成20年法律第93号)に基づく、医療に関する六つのナショナルセンター(国立高度専門医療研究センター)の一つである。2002年(平成14)3月、国立大蔵(おおくら)病院と国立小児病院を統合し国立成育医療センターを設立。2010年4月に独立行政法人となり、現名称に変更し、2015年4月、国立研究開発法人に移行した。1938年(昭和13)設立の東京第二陸軍病院大蔵臨時分院が1945年厚生省(当時)に移管され国立大蔵病院となり、1998年(平成10)には国立東京第二病院附属看護学校を統合した。一方、国立小児病院は1899年(明治32)に東京第二衛生病院として創設、1945年厚生省に移管、国立世田谷病院となり、1965年(昭和40)国立小児病院に改編された。本部の所在地は東京都世田谷区大蔵2-10-1。
 胎児期、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期を経て成人期に至る「人のライフサイクル」の過程で生じるさまざまな健康問題を包括的にとらえ、それに適切に対応することを目ざす医療を成育医療とよぶ。国立成育医療研究センターは、基本方針を(1)成育医療のモデル医療や高度先駆的医療をチーム医療により提供する、(2)成育医療の調査・研究、(3)成育医療の専門家を育成し啓発普及のための教育研修を行う、(4)成育医療の情報を集積し発信する、の四つとしている。そのために研究所、病院、臨床研究開発センターの三つの組織を有する。研究所は成育医療を発展させる基礎研究および臨床研究を行い、成育疾患の原因解明と治療法の開発、さらに成育疾患のデータベースの構築・分析により情報発信や医療政策の提言を行う。病院は、研究所と一体となり健全な次世代を育成するための医療を推進する。臨床研究開発センターは、医師、研究者などが行う臨床研究を支援するもので、開発企画部、臨床研究推進部、データ管理部、臨床疫学部、臨床研究教育部の五つの組織をもち、研究計画の立案や作成、カルテ情報の研究への提供、研究協力者への説明と治験に対する同意取得などを行う。また、細胞治療や遺伝子治療などの新しい治療法のインフラ整備、提供された試料の保存や管理も行う。
[編集部]