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原子力発電所などの災害で生じる最重症の被曝(ひばく)傷病者に対応できる医療機関。原子力規制委員会が策定した原子力災害医療体制の一つ。2011年(平成23)の東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ、2015年から従来の「三次被ばく医療機関」にかわるものとして原子力規制庁が定めた。立地道府県の「原子力災害拠点病院」では対応できない重度の内部被曝患者に対する長期的・専門的診療や、除染困難な被曝患者に対して二次汚染なしに診療することができ、また、原子力災害拠点病院に対して専門的な助言ができる体制を備えている必要がある。重大な原子力災害時には国や道府県の要請にこたえて専門家を派遣する。また常時、データ収集や研究を行うことも求められている。こうしたことを実現するため、専門医や看護師、技師の常勤体制や、病室や機材、備品の充実、その他、定期的な研修や訓練などが細かく義務づけられている。これに基づき、原子力規制委員会は2015年に高度被ばく医療支援センターとして、弘前(ひろさき)大学、福島県立医科大学、放射線医学総合研究所(千葉県)、広島大学、長崎大学の各病院の5施設を指定した。
[田辺 功]