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住吉物語

ジャパンナレッジで閲覧できる『住吉物語』の日本古典文学全集・世界大百科事典・日本大百科全書のサンプルページ

新編 日本古典文学全集
住吉物語
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住吉物語 全体

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【現代語訳】
〔一〕
今は昔、中納言で左衛門督を兼任する方があり、上を二人お持ちで、双方にかけもちでお通いになっていた。一人は世に時めく諸大夫の御娘である。こちらには姫君が二人いらした。中の君、三の君と申しあげた。もう一人は延喜の帝の姫君で、高貴な方であられた。どういうつてがあって言い寄られたのか、中納言は、人目を忍んでお通いになった。やがて人目もはばからずお通いになるうちに、姫君がお一人お生まれになった。

大切にお育てなさるうちに、月日のたつままに、光も輝きを増して、美しくおなりになった。帝がお聞き及びになって、「中納言は、すばらしい姫君をお持ちと聞いている」と、入内させるよう仰せがあったので、すぐに承知されて、大切にお世話なさる。姫君はいよいよあたりも輝くほど美しくお見えであった。

【目次】
住吉物語(扉)
凡例
住吉物語(扉)
上巻
上巻 梗概
〔一〕中納言の宮腹の姫君
〔二〕母宮、遺言して薨去
〔三〕父のもとに迎えられる姫君、乳母子侍従
〔四〕姫君、西の対に住む。中の君の婿取り
〔五〕四位の少将、姫君の噂を聞き、文を送る
〔六〕姫君の返事がないまま、たびたび文を送る
〔七〕継母、筑前を語らい、三の君と文通させる
〔八〕少将、たばかられて三の君の婿となる
〔九〕琴の音により、西の対の人が姫君とわかる
〔一〇〕少将、姫君にたばかられた事情を訴える
〔一一〕少将、嵯峨野に行き、三姉妹を見くらべる
〔一二〕少将、姫君たちと歌を詠みかわす
〔一三〕少将、侍従に姫君の返歌を求める
〔一四〕少将、返歌を形見に賜り出家すると訴える
〔一五〕少将、木草につけて文を贈る
〔一六〕侍従が乳母の看病に退出し、少将は嘆く
〔一七〕姫君、乳母を見舞う、乳母、亡くなる
〔一八〕侍従、姫君のもとに戻る。少将のとぶらい
〔一九〕少将、初めて姫君より返歌をもらう
〔二〇〕少将、姫君より自筆の返歌をもらう
〔二一〕少将、遁世の思いを三の君と侍従に伝える
〔二二〕中納言、姫君入内のことを継母に相談する
〔二三〕少将、姫君の声を聞かせてと訴える
〔二四〕継母、姫君のもとに法師が通うと讒言する
〔二五〕継母、むくつけ女と計り、入内を断念さす
〔二六〕姫君、入内中止の理由を知る
〔二七〕少将、姫君の入内中止を喜び、不審に思う
〔二八〕中納言、左兵衛督との縁談を調える
〔二九〕少将、姫君の縁談を聞き、嘆く
〔三〇〕姫君、翁に盗み取られる計略を知る
〔三一〕侍従、住吉の尼君に文をやり、呼び寄せる
〔三二〕姫君、のちの形見にと、少将に返歌する
〔三三〕姫君、妹たちにそれとなく別れを告げる
〔三四〕中納言も少将も、嘆かしげな姫君を案じる
〔三五〕姫君、それとなく中納言に別れを告げる
〔三六〕姫君、尼君に伴われ、住吉に向かう
〔三七〕姫君の書き置きが見つかり、中納言、嘆く
下巻
下巻 梗概
〔一〕少将、姫君を偲び、嘆く
〔二〕姫君、往生極楽を祈って過ごす
〔三〕少将や異母妹らの嘆きと姫君の思い
〔四〕少将は中将となる、姫君、異母妹を偲ぶ
〔五〕姫君、中納言に文と長歌を送る
〔六〕中将、長谷の夢想により住吉を尋ねる
〔七〕中将、住吉にたどり着く
〔八〕中将、琴の音により、姫君を尋ねあてる
〔九〕中将、尼君の仲立ちで姫君に会う
〔一〇〕中将と姫君、管絃と遊覧に心ゆかす
〔一一〕姫君、素姓を伏せて、中将に伴われ帰京
〔一二〕中将は大将となり、姫君は二児の母となる
〔一三〕大納言、二児の袴着の腰結い役をつとめる
〔一四〕大納言、引き出物の古い小袿を不審に思う
〔一五〕姫君、大納言と再会、継母の悪計が露見
〔一六〕大将の北の方、大納言の姫君と知られる
〔一七〕後日譚
校訂付記
解説
一 物語の書き出し
二 古本について
三 改作本の誕生
四 伝本と底本
五 概説に代えて
参考文献
小学館所蔵『住吉物語絵巻』について



改訂新版 世界大百科事典
住吉物語
すみよしものがたり

平安時代の物語。作者不詳。現存本は鎌倉初期の改作とするのが通説。流布本は上下2巻。実母を失った継子の姫君に求婚者が現れ,結婚の幸福が得られそうになるとそのつど継母が妨害する。たまりかねた姫君は実母の乳母(尼)を頼って住吉へ身を隠す。求婚者(少将)はほうぼうを探した末に住吉へ参籠して夢告を得,姫君と再会,ともに都へ帰って幸福な結婚生活を営む。継母は零落して死ぬ。典型的な継子いじめ譚であるが,実はそれを枠組みとして忍苦の男女が結婚に至る過程をこまやかに描こうとし,あわせて長谷観音の霊験を唱導した作である。室町時代に盛行した御伽草子の世界を先取りした趣があり,中世を通じて広い階層に流布した。そのため類例を見ないほどおびただしい異本を伴っている。一方,改作以前の〈古本住吉〉はその断簡すら現存しないが,10世紀末円融朝のころには成立していたとみられている。《落窪物語》に影響を与えたと思われる。また《源氏物語》のいわゆる〈玉鬘物語〉がこれに依拠したことは間違いあるまい。現存本も鎌倉期の物語への影響が指摘されるが,とくに御伽草子に対しては〈住吉系〉といわれるほど多くの継子物を生む直接の母胎となっている。
[友久 武文]

[索引語]
継子いじめ譚


日本大百科全書(ニッポニカ)

住吉物語
すみよしものがたり

鎌倉時代に改作された物語。二巻。原作は平安時代の『枕草子 (まくらのそうし)』『源氏物語』以前、10世紀末に成立したが、いまは伝わらない。継子 (ままこ)いじめの物語の代表作で、時代にあわせて改変を受けながら読み継がれてきた作品である。粗筋は変わらないものの、本によって記事の出入りが多く、文章にも違いがある。中納言 (ちゅうなごん)兼左衛門督 (さえもんのかみ)の宮腹の姫君は求婚者の四位少将 (しいのしょうしょう)を継母腹の妹に横取りされる。人違いと知った少将にふたたび求愛されるが、外聞をはばかって応ぜず、継母のたび重なる悪計を避けて住吉の尼君のもとに身を寄せる。少将は長谷寺 (はせでら)で夢想を得て姫君を尋ねあて、妻として自邸に迎える。男君、女君が生まれ、袴着 (はかまぎ)の祝いのときに姫君と中納言の父子再会がかない、継母の旧悪が暴露される。少将は関白、姫君は北の政所 (まんどころ)、男君は元服して三位 (さんみ)中将、女君は裳着 (もぎ)ののち女御 (にょうご)となって栄える。姫君に忠実に仕える乳母子 (めのとご)の女房侍従 (じじゅう)の活躍も見逃せない。

[三角洋一]



『住吉物語』[百科マルチメディア]
『住吉物語』[百科マルチメディア]

上 慶長年間(1596~1615)刊国立国会図書館所蔵
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3. すみよしものがたり【住吉物語】
日本国語大辞典
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4. すみよしものがたり【住吉物語】
全文全訳古語辞典
[書名]鎌倉初期の物語。二巻。成立年、作者とも未詳。『源氏物語』『枕草子』中にその名の見えるものは散逸し、現在のものはその改作本。継子物の代表作。
5. すみよしものがたり【住吉物語】
国史大辞典
ぬ。横山重編『住吉物語集』に六種の伝本を収容する。 [参考文献]友久武文編『広本住吉物語集』(『中世文芸叢書』一一)、桑原博史『住吉物語集と研究』、同『中世物語
6. 住吉物語
日本古典文学全集
『枕草子』や『源氏物語』の中でも、名がふれられている有名な物語で、原型は平安時代に成立か。原作は散逸し、現在残っているものは、鎌倉時代初期の改作と言われる。主人
7. 住吉物語(著作ID:8593)
新日本古典籍データベース
すみよしものがたり 墨吉物語 祇空(ぎくう) 編 俳諧 元禄八
8. 住吉物語(著作ID:8606)
新日本古典籍データベース
すみよしものがたり 鎌倉物語
9. 住吉物語絵巻
日本大百科全書
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10. すみよしものがたりえまき[すみよしものがたりヱまき]【住吉物語絵巻】
日本国語大辞典
絵巻物。「住吉物語」を描いたもので、現在二本知られている。(1)残欠本。鎌倉時代の作。東京国立博物館ほかに断簡として伝わる。絵は温雅な情趣に富み、大和絵の正統を
11. すみよしものがたりえまき【住吉物語絵巻】
国史大辞典
住吉物語』を絵巻にしたもの。現在、紙本着色の絵巻が二種伝存している。一つは断簡となっていて、東京国立博物館・京都堂本家・ニューヨークバーク家・東京個人にそれ
12. 住吉物語絵巻(著作ID:340001)
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すみよしものがたりえまき 絵巻
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新日本古典籍データベース
すみよしものがたりききがき 物語
14. 住吉物語校合記(著作ID:340012)
新日本古典籍データベース
すみよしものがたりきょうごうき 田中大秀(たなかおおひで) 注釈
15. 住吉物語問答(著作ID:4374096)
新日本古典籍データベース
すみよしものがたりもんどう 北山重正(きたやましげまさ) 問 高橋富兄(たかはしとみえ) 答 明治
16. 絵巻物に見る女房装束[図版]画像
国史大辞典
姿図 平家納経 扇面法華経冊子 三十六歌仙切 紫式部日記絵巻 雪見御幸絵巻 春日権現霊験記 住吉物語絵巻 十六式図譜 (c)Yoshikawa kobunkan
17. 『住吉物語』[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
上 慶長年間(1596~1615)刊 国立国会図書館所蔵
18. 総角(源氏物語) 243ページ
日本古典文学全集
いつも弁を呼び出して昵懇に話しこんでいるのをいう。女房が、女主人に男を手引する話は、『落窪物語』『住吉物語』などにみえる。この物語にもその例は多い。このあたりの
19. 朝顔(源氏物語) 475ページ
日本古典文学全集
しているだろうと察して、語り手はいたたまれぬ思いをしているというのである。『源氏釈』『奥入』ほか古注に古本『住吉物語』の歌として「君が門今ぞ過ぎゆく出でて見よ恋
20. 排蘆小船(近世随想集) 253ページ
日本古典文学全集
世下り人の心も偽り多く、質素ならねば、今は詞を飾りよく詠むが歌の肝心なり。よ 〔八〕 歌をうたふ事、住吉物語云、あそびものどもあまた舟につきて、心からうきたる
21. 排蘆小船(近世随想集) 282ページ
日本古典文学全集
あはれとながやかにひとりごち玉ふを云々。枕艸子云、ながやかにうちながめて云々。第三ノ卅一丁にあり」。同「住吉物語に、人ならばとふべきものをなどうちながめて云々。
22. 東屋(源氏物語) 81ページ
日本古典文学全集
美しい女主人公に求婚する男主人公が、継母や仲人の奸計で異腹の妹と結婚してのち、その誤りを知るという筋は、『住吉物語』以来の継子物語に共通する話型である。前の紅梅
23. あそび‐びと【遊人】
日本国語大辞典
人達かずをつくして、舞の子ども、君達いと二なく装束(さうず)きて、いとをかしげなり」*吉野本住吉物語〔1221頃か〕「川じりを過ぐれば、あそび人ども『心から浮き
24. あそび‐もの【遊者】
日本国語大辞典
「御湯など召して、この泊のあそびものども、古き塚の狐の夕暮に媚(ば)けたらんやうに」*契沖本住吉物語〔1221頃か〕「河尻を過ればあそびものどもあまた、船に乗り
25. ありつかわ〓し[ありつかはし]【有付】
日本国語大辞典
〔形シク〕(動詞「ありつく」の形容詞化)似つかわしい。よい感じである。*尾州家本住吉物語〔1221頃か〕「髪はうちぎのすそにすこし足らぬほどにて、ありつかはしき
26. いわやのそうし【岩屋の草紙】
国史大辞典
を室町時代に改作した作品と推定される。中世には継子型の恋愛物語が数多く作られているが、特に『住吉物語』や御伽草子の『伏屋』『秋月』『鉢かづき』などは、本作と密接
27. うけ【筌】
日本国語大辞典
たすることぞあるが毛詩の古本あり筍をうえと点じたぞ倭俗のうけと云が云いあやまりかぞ」*俳諧・住吉物語〔1695か〕「溝川(みぞがは)につけをく筌を引てみる〈青流
28. うち‐はなち【打放】
日本国語大辞典
〔名〕(形動)相手を突き放すようなそっけない様子。ぶあいそう。*契沖本住吉物語〔1221頃か〕「侍従もあはれとは見奉りながら、若き心に、打はなちに申しけるにこそ
29. うつつ‐ごころ【現心】
日本国語大辞典
とれば」(2)(夢うつつの意から)気持がしっかりと定まっていない状態。うつろな心。夢見心地。*俳諧・住吉物語〔1695か〕下「若鮎やうつつ心に石の肌〈青流〉」*
30. うば【姥・祖母・乳母】画像
日本国語大辞典
〔名〕(1)(姥)年老いた女。老婆。嫗(おうな)。*千種本住吉物語〔1221頃か〕「うばがあににかぞへのかみと申すものの候ふ。七十にあまり候ふおきなの」*太平記
31. おい の 僻目(ひがめ)
日本国語大辞典
年を取って視力が衰え、見誤りの多いこと。また、老人がひがんだ目で物事を見ること。*千種本住吉物語〔1221頃か〕「老(おい)のひがめにやとて、打かへし打かへし、
32. 大中臣能宣[文献目録]
日本人物文献目録
【逐次刊行物】:4件 『大中臣能宣の沈淪歌』山口搏『大中臣能宣論』臼田甚五郎『大中臣能宣論 住吉物語を中心に』山口搏『歌人大中臣能宣』保坂都
33. 落窪物語 98ページ
日本古典文学全集
『今昔物語集』などにおいても典薬寮の役人は好色な人物として描かれる場合が多い。この人物は『古本住吉物語』の主計頭から影響を受けて造形されたと考えられるが、『源氏
34. 落窪物語 125ページ
日本古典文学全集
このあこぎの言葉に見られるように、絶望を紛わす、自己満足的なものと把握される。後の継母子物語では現存本『住吉物語』の長谷観音の加護のように、神仏の援助によって艱
35. 落窪物語 148ページ
日本古典文学全集
将の母一人としか結婚していない。一夫多妻の悲劇はこの物語以前に、『伊勢物語』『うつほ物語』『住吉物語』などに描かれており、特に『蜻蛉日記』には、道綱母の悲哀が克
36. おとぎぞうし【御伽草子】
国史大辞典
の童話の起源をなすものも多い。その他継子いじめを扱った『鉢かづき』のような題材も鎌倉時代の『住吉物語』の流れを受けて『岩屋の草紙』『秋月物語』など多く存している
37. おとな‐おんな[‥をんな]【大人女】
日本国語大辞典
〔名〕家の事などをとりまかなう老女。*契沖本住吉物語〔1221頃か〕下「侍従はおとな女にて、よろづに又なき人に思はれて、内侍にはなりぬ」
38. おろか‐し・い【愚】
日本国語大辞典
し〔形シク〕(形容動詞の語幹「おろか」に形容詞語尾の付いたもの)賢くない。愚鈍である。*吉野本住吉物語〔1221頃か〕「主計(かずへ)の介とて、七十余りなる翁の
39. かくれ たる 信(しん)あらば顕(あら)われたる験(しるし)
日本国語大辞典
念じていることも、いつの日かきっと報われることなどにもいう。隠れての信は顕われての徳。*千種本住吉物語〔1221頃か〕「車の音し侍るほどに、誰なるらんと忍びつる
40. き‐みじか【気短】
日本国語大辞典
「お年寄れたれば、物毎気短(キミジ)かなれども、それは、水のでばなのごとく跡もなく」*俳諧・住吉物語〔1695か〕上「半造作でまづ障子はる〈洒堂〉 気短に針立ふ
41. 近世俳句集 166ページ
日本古典文学全集
その一隅に飛ぶ虻のかすかな羽音に永日の感がとらえられている。季語は「永き日」で春。二三日蚊屋のにほひや五月闇(住吉物語)五月にはいると蚊が出るようになった。蚊帳
42. 近世俳句集 177ページ
日本古典文学全集
「手を延べて」に女性らしいしぐさが出ている。季語は「春の草木」で春。竹のこに小坂の土の崩れけり(住吉物語)竹の子は初夏、竹の地下茎から出る新芽のことで、地面にひ
43. 近世俳句集 186ページ
日本古典文学全集
慕い、独自の隠者的な境地をもって法師風とよばれた。編著に『住吉物語』『みかへり松』『烏糸欄』などがある。たんぽゝや荒田に入るる水の上(住吉物語)春になったので、
44. 近世俳句集 187ページ
日本古典文学全集
それがかえって春の景色を印象的なものにしている。季語は「春の水」で春。若鮎やうつゝ心に石の肌(住吉物語)春の山間の美しい水の流れの中、透きとおって見える石の肌に
45. 近世和歌集 140ページ
日本古典文学全集
これも「みだれて」にかかる枕詞。よい評判・噂。『枕草子』の「岡は」の章段に「人見の岡」がある。『住吉物語』の「手もふれでけふはよそにてかへりなむ人見のをかの松の
46. 祇空
世界大百科事典
な俳風は,俳壇の現状にあきたりない《五色墨(ごしきずみ)》や《四時観》の連中から慕われた。《住吉物語》(1695?)等の編著がある。〈秋風や鼠のこかす杖の音〉(
47. ぎくう【祇空】
日本国語大辞典
江戸中期の俳人。稲津氏。大坂の人。其角に師事。宗祇を慕い、祇空と号した。別号、青流、敬雨など。著「住吉物語」など。寛文三~享保一八年(一六六三~一七三三)
48. ぎこものがたり【擬古物語】
国史大辞典
前斎宮の狂気と変態的同性愛や侍女中将の呪詛のごとき露骨な描写に富み、説話文学への接近をも思わせる。さらに『住吉物語』『落窪物語』の影響を受けた陰湿な継母の継子い
49. ぎこものがたり【擬古物語】 : 擬古物語/(一)
国史大辞典
前斎宮の狂気と変態的同性愛や侍女中将の呪詛のごとき露骨な描写に富み、説話文学への接近をも思わせる。さらに『住吉物語』『落窪物語』の影響を受けた陰湿な継母の継子い
50. ぎこ‐ものがたり【擬古物語】
日本国語大辞典
〔名〕平安時代の物語を模して、鎌倉時代に作られた物語。「源氏物語」を模倣したものが多い。「住吉物語」「松浦宮物語」など。
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落窪物語(日本古典文学全集・日本大百科全書・世界大百科事典・国史大辞典)
〔一〕今は昔のこと、中納言である人で、姫君を大勢持っていらっしゃった方がおられた。長女や次女の君には婿を迎えて、それぞれ西の対、東の対に派手に住まわせ申しあげなさって、「三女、四女の君には裳着の式をして差し上げよう」と、大事にお世話なさる
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