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大人も楽しいお地蔵さん

2012-08-22

残暑お見舞い申し上げます。夏休み明けという方も多いはず。みなさん、夏バテしてませんか? そして素敵な夏の思い出、作りましたか?

かおるんの2012年夏の思い出といえば、ほぼ○十年ぶりに近所の地蔵盆に参加したこと。え、地蔵盆って何? ってご存知ない? 私は大人になるまでニッポン全国共通の夏の行事かと思っていたんですが、近畿地方、とくに京都市内で盛んな夏の行事なんです。ジャパンナレッジで「地蔵盆」を検索すると……

京都で、八月二二日から二四日まで(古くは七月)行なわれる行事。各町内の石地蔵を当番の家に移し、あるいは祠(ほこら)の前にテントや床几を設け、灯籠、供物などのお飾りをしてこれをまつり、さまざまの余興を行なう。大阪にも同様な風習がある。地蔵祭。地蔵会。(「日本国語大辞典」)

16日の五山の送り火(大文字)直後の土日に行なわれることが多いお地蔵さん(地蔵盆のこと。京都はなんでも“さん”をつけます)。私の思い出は、近所の子どもたち各々の名入りの提灯を下げた会場に行き、1日目は朝昼おやつをもらっては遊び、坊さんとともに直径2メートルくらいあるお数珠回して、夜は花火。2日目もおやつもらっては遊び、夕方どきどきしながら福引するけど、意中のものに当たらずあっけなく終わる……というのがだいたいのパターン。2日間が終わると「ああ、夏休みが終わるなあ。宿題、そろそろせなあかんなあ」と切なくなると同時にあせったものです。

しかし、このところの少子高齢化でお地蔵さんも様変わり。おやつも子ども用と高齢者用を用意したりするそうです。わが実家のある町内も同様、昨年から「大人も楽しめる地蔵盆」にチェンジ。日曜1日だけにし、大人用の福引もあり(中身は洗剤とか)、大人にもうれしい落語会も行なわれたそう。ビールのサーバーは常備。子どもたちにみたらし団子焼きながら、ぐいっとビールもありなんです。

さて当日用事があった私は打ち上げだけ参加と、まさにおいしいとこどり!町内の総菜屋さんが作ってくれた食事でカンパーイ。子どもたちはもりもり食べてから、遊び足りないのか、ドッジボールに花火にと楽しんでいました。

「大人も楽しめる地蔵盆」の背景には少子高齢化はもちろん、東日本大震災の影響が大いにあったそう。子どもたちだけの行事だと、家族が大人だけという人は参加しづらい。「大人も楽しめる」とうたうことで、近所の絆がいっそう深まるんじゃないかと町内会で考えたそうです。ひと仕事終え、ビールで乾杯した大人たちは、まるで子どものころに戻ったかのようにはしゃいでいました。地域で子どもを育てると同時に、地域の絆を育む。お地蔵さんってほんとうに意味のある行事なんだよなあ。

2012-08-22 written by かおるん
上京して12年。東京の暑さに慣れ親しんだかおるん。帰郷中、家の中で熱中症にかかりそうになりました。スポーツドリンクをゴクゴク飲んで復活! やっぱり京都の暑さは一味違う! かおるんでした。