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日本を100に分けちゃいましたっ!

2015-07-08

ささの葉さらさら♪ 昨夜は七夕。2015年も折り返しをとっくにすぎました。しかしながらいまのところ、織姫・彦星のようなロマンスの予感のかけらもない、かおるんです! あなたが短冊に書いた(書きたかった)願いは何ですか?

さて一昨日、日本がなでしこジャパン準Vに沸いた数時間後、東京女子大学篠崎ゼミ第9期生10人のやまとなでしこたちが手掛けた「方言チャート100」がついに公開されました! 2013年リリースし、800万人近くの人がトライした「出身地鑑定!! 方言チャート」の第2弾。今回は8期生が手掛けた前回の47都道府県版からパワーアップ。なんと日本を100以上のエリアに分けちゃったんです!

方言は単に行政区画のものではなく、同じ都道府県内でも地域で話す言葉が違うとの篠崎先生の見解から、47都道府県版の改良版完成後、着手されたプロジェクト。昨年、篠崎ゼミに入った彼女たちが、この途方もない試みに挑んだというわけです。

江戸の旧藩名や旧国名で分けられないかという、非常にシンプルな考えのもと始められたものの、リサーチしていくうち、その地域、地域によって、旧藩名でしっくりくるところもあれば、関東地方など旧国名のほうが分けやすいエリアもある。また、たとえば福島県の中通り、浜通りといったその地域なじみの名前で区分けしたほうがいいところもある。

そして「方言チャート」は辞書に載っている言葉ではなく、今現在その地域で使われている言葉を重視するため、そのリサーチもたいへん。100の地域それぞれに知り合いがいるわけでもなく、まったく会ったことのない人にメールをしたり、アンケートを取ったり。東京の小笠原諸島、長崎の五島列島、沖縄の宮古や八重山列島といった島も網羅しているため、この作業はほんとうに難しかったそう。チャートができてからも、地域の区分を再検討したり、質問事項の順番を入れ変えたり、付け加えたり……就職活動と並行しながら、リリース直前まで何度も何度も彼女たちは試行錯誤を繰り返しました。

さて「方言チャート100」の内容は? かおるんの出身地、京都を例に見てみると……日本海に面した京丹後市や舞鶴市に代表される北の「丹後」、京丹波町、南丹市など真ん中の「丹波」、京都市や宇治市、長岡京市など南の「京都市内・山城」の3エリアに分けられていました(丹波地方は隣の兵庫県にもわたっているんですね)。質問に答えていき、ずんずん進むと、「京都府に突入」というテロップが。それから質問を2問ほど答えると、「あなたの出身は京都府の京都市内・山城エリアですね!?」という結果にたどり着く、といった具合。で、ここではくわしく書けませんが京都に特定されたあとの質問事項がまたびっくり。同じ京都でもまったく言語が違うんだとあらためて気づかされました。いやあ、日本の方言、やっぱり深いんですね。

公開直後の昨夜はアクセス殺到。ツイッターをみると、出身地にたどり着けた人も、まったく違うエリアに行ってしまった人も、いろいろあったよう。たったひと言の感想ですが、その人その人の並々ならぬ地元愛が感じられるツイートの数々にスタッフ一同、感激しています。

「地方創生は、まずは方言愛から!」──石破担当大臣、いかがでしょう?

「方言チャート100」はこちら!

「方言チャート100 制作秘話」はこちら(YouTube)!

2015-07-08 written by かおるん
さて、かおるんの2015年の願い事。世界が平和になりますように。戦後100年になっても日本人が笑って笑って過ごせていますように。