第274回
流れに棹(さお)さしてどこへ向かう?

 「山路を登りながら、かう考へた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。」
 夏目漱石の小説『草枕』の有名な書き出しである。『草枕』は漱石の他の小説とは異なった味わいをもつ小説で、好きな作品のひとつである。かつてレコードで愛聴していたカナダのピアニスト、グレン・グールド(1932~82)が『草枕』に深く傾倒していたと知ったとき、愛好している二つのものが思いがけず結びついたことに、とて
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悩ましい国語辞典
―辞書編集者だけが知っていることばの深層―

「日本国語大辞典」の編集担当者を惑わすことばの不思議スリリングに揺れる日本語の深さ! 面白さ満載!
「うがった見方」は「疑ってかかるような見方」ではない/「悲喜こもごも」を合格発表の描写で使うのは誤り/「まじ! 」は、江戸時代の小説に使用例がある/スコップとシャベルはどちらが大きいか?西日本と東日本では違う/「谷」を「や」と呼ぶのは音読みでも訓読みでもない方言/「あばよ」の語源は幼児語の「アバアバ」

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