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酒呑童子

ジャパンナレッジで閲覧できる『酒呑童子』の日本架空伝承人名事典・国史大辞典のサンプルページ

新版 日本架空伝承人名事典

酒呑童子
しゅてんどうじ
 大江山伝説に登場する鬼神。「酒顛童子」とも書く。源頼光と渡辺綱、坂田金時らその四天王が、大江山に住む酒呑童子という鬼を退治する話は、近江伊吹山の伊吹童子退治の話と内容的に深く関係するが、一四世紀後半成立の『大江山絵詞』にみえることから、これ以前に原型が成立したと考えられる。その後室町時代の制作にかかる謡曲『大江山』を経、御伽草子の『酒呑童子』や近世初頭成立の古浄瑠璃『酒天童子』などによって人々になじみ深いものとなった。酒呑童子の名称は、謡曲では「明暮酒を好きたる」からの名となっているが、そのモティーフが中世口承文芸における山中異常誕生譚の一類型であることから、原義・原像は「捨て童子」ではなかったかとする説が出されるにいたった。また大江山は謡曲では元来は都のあたりにほど近い老ノ坂であったらしいが、御伽草子では丹波・丹後の千丈ヶ岳の大江山に変化している。大江山に鬼神がこもるとする観念は、老ノ坂が都(山城国)と外界をへだてる境界の性格をもったマージナルな場所であったこと、都の安寧と清浄を確保する儀式である四境祭の舞台であったこと、多くの盗賊・強盗が出没し、そのすみかとなったこと、などを背景として分析されるべきであろう。なお、頼光の四天王のことは、人名に多少の異同はあるが、すでに『今昔物語集』にも見えている。
茨木童子、→坂田金時、→源頼光、→渡辺綱
[高橋 昌明]
頼光仰けるやうは「鬼をたやすく平げ御身達を悉都へ帰さん其為に是まで尋参りたり。鬼のすみかをねんごろに語らせ給へ」と有りければ姫君此由聞召「是は夢かや現かや、其義ならば語り申さん」と、「此河上を上らせ給ひて御覧ぜよ。鉄の築地をつき、鉄の門をたて、口には鬼が集まりて番をしてこそ居るべけれ。いかにもして門より内へ忍び入りて御覧ぜよ。瑠璃の宮殿玉を垂れ、甍を並べたてをきたり。四節の四季をまなびつゝ、鉄の御所と名づけて、鉄にて屋形を建て、夜にもなればその内にて、われらを集め愛せさせ足手をさすらせ起き臥し申すが、籠の口には眷属どもに、ほしくま童子くま童子、とらくま童子かね童子、四天王と名づけて番をさせて置きける。かれら四人の力の程は、いか程とはたとへん方もなきと聞く。酒呑童子がその姿は、色薄赤くせい高く、髪は禿にをし乱し、昼の間は人なれ共、夜にもなれば恐ろしき、その長一丈余りにしてたとへていはん方もなし。かの鬼常に酒を呑む。酔いて臥したるものなればわが身の失するも知らぬなり」
酒呑童子

十松 時に猪のぼうや、ぬしの所の大釜は、なぜこんなに、でくぼくが有ルのだ。
猪熊 サア、聞なサイ。この大釜は、酒呑童子のけんぞくが、めしをたいた釜さ。それでこんなに、いがらがあるが、コリヤア鬼の釜さ。
権七 アヽ、鬼の釜か。
どふりで鬼あごのよふだ。
長吉 イヤまた、このよふに、おいらが大江山へ来てごたつくといふは、こんど又、伊賀寿太郎とやらが、千丈ゲ嶽へ立籠り、純友のとむらひ軍を、
十松 頼光さまが渡辺の綱を討手によこされたが、まだ軍ははじまらなひか。
権七 大軍が扣へて居るゆへ、この近辺はにぎやかになりました。
猪熊 それゆへ、六郎公連は将門をいさめ兼、その身は浪人して居たを、幸に侍をやめ、酒呑童子のすんだこの岩屋を切みせの長屋にして、六郎公連は店頭の鬼兵衛と名をかへ、商売をしているとは、とんだ咄しではないか。
まつ それゆへ、わたしらはじめ京大坂から、子供衆が、この大江山へ住かへに参りましたわいナア。
てふ この前の酒呑どふじは、人の娘や大内の官女を連て来て、
さん 酒のあいてにしたといふ噂。
とら それに引かへ、今度の店頭の鬼兵衛おやかたは、女をつれてきても女郎にしてつかふとは、
女四人 情深ひ、よい御方でござんすわいナア。
四天王産湯玉川大江山童子長屋の場
大江山さゞゐのやうなあごばかり
編者/評者:初世川柳(評)
出典:『川柳評万句合勝句刷』
編・相印(月)・番号(枚、丁、日):礼‐2
刊行/開き:1763(宝暦13年)(開き)
すつぱりとおこわにかゝる大江山
編者/評者:初世川柳(評)
出典:『川柳評万句合勝句刷』
編・相印(月)・番号(枚、丁、日):信‐3
刊行/開き:1770年(明和7)(開き)
第一句、絵に描かれた酒呑童子らの下あごはトゲトゲ。第二句、「おこわにかゝる」はペテンにかけられる。頼光ら一行は山中で三人の翁から神変鬼毒酒を与えられ、この酒を鬼に呑ませる(お伽草子『酒呑童子』)。


国史大辞典

酒呑童子
しゅてんどうじ
室町時代の物語草子の一編で、渋川清右衛門板の『御伽草子』二十三編に含まれる。作者不明。丹波国の大江山には、酒呑童子という鬼神がすんで、多くの人を取っていた。源頼光をはじめ、碓井貞光・卜部季武・渡辺綱・坂田公時・藤原保昌という、あわせて六人の武士が、この鬼神を討つように命じられて、山伏姿で大江山に入っていった。そして、住吉・八幡・熊野の神にまもられて、ついに酒呑童子を討ちとったというもの。この酒呑童子の物語は、中世の怪物退治譚として知られ、香取本の『大江山絵巻』(逸翁美術館所蔵、重要文化財)などの絵巻物に作られているが、その主人公の出自は、別に『伊吹童子』などの草子に伝えられている。それによると、伊吹大明神の申し子の弥三郎が、里の大野木殿の娘に通って、酒呑童子という怪童をもうけた。しかも、この怪童は、伊吹の山中に捨てられながら、虎狼野干の類に守られたと伝えられ、山中の「捨て童子」として、弁慶や金時などと通ずるものとみられる。『日本古典文学大系』三八、『日本古典文学全集』三六などに所収。
[参考文献]
佐竹昭広『酒呑童子異聞』(『平凡社選書』五五)
(大島 建彦)
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検索コンテンツ
1. 酒呑童子
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2. 酒呑童子
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3. 酒呑童子
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4. しゅてん‐どうじ【酒呑童子・酒顛童子・酒天童子】
日本国語大辞典
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5. しゅてんどうじ【酒呑童子】
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山伏姿で大江山に入っていった。そして、住吉・八幡・熊野の神にまもられて、ついに酒呑童子を討ちとったというもの。この酒呑童子の物語は、中世の怪物退治譚として知られ
6. しゅてんどうじ【酒呑童子】
日本人名大辞典
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7. しゅてんどうじ【酒呑童子】
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その後室町時代の制作にかかる謡曲『大江山』を経、御伽草子の『酒呑童子』や近世初頭成立の古浄瑠璃『酒天童子』などによって人々になじみ深いものとなった。酒呑童子の名
8. すってん‐どうじ【酒呑童子】
日本国語大辞典
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9. 酒呑童子(著作ID:4348781)
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13. 酒天童子(著作ID:226437)
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17. 酒呑童子枕言葉(著作ID:226517)
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23. 大江山酒呑童子(著作ID:4369862)
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24. 語酒呑童子(著作ID:804900)
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25. 傾城酒呑童子(著作ID:167840)
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28. あい‐・する【愛】
日本国語大辞典
*今昔物語集〔1120頃か〕三一・一〇「今夜正しく女の彼の許に行て、二人臥して愛しつる顔よ」*御伽草子・酒呑童子〔室町末〕「夜にもなればその内にて、われらを集め
29. あ‐うん【阿吽・阿呍】
仏教語大辞典
結んだのが力士または那羅延金剛などとする説があるが、実は同じものを開口、閉口の二つで表したもの。 傾城酒呑童子 一 「綱はさやを持ながら、へいの上につっ立て、に
30. あうん の 二王(におう)
日本国語大辞典
那羅延金剛などとする説があるが、実は同じものを開口、閉口の二つで表わしたもの。*浄瑠璃・傾城酒呑童子〔1718〕一「綱はさやを持ながら、へいの上につっ立て、にら
31. 阿吽の二王
仏教語大辞典
結んだのが力士または那羅延金剛などとする説があるが、実は同じものを開口、閉口の二つで表したもの。 傾城酒呑童子 一 「綱はさやを持ながら、へいの上につっ立て、に
32. あから‐がお[‥がほ]【赤顔・赭顔】
日本国語大辞典
だ顔。*俳諧・玉海集〔1656〕一・春「霞をもくめはや花のあからかほ〈長之〉」*浄瑠璃・傾城酒呑童子〔1718〕三「しらがあたまに赤ら顔らう人らしき親父めが」*
33. あが・る【上・揚・挙・騰】
日本国語大辞典
*虎明本狂言・饅頭〔室町末~近世初〕「中々ことの外むまうござる。一つあがりまらせひ」*浄瑠璃・傾城酒呑童子〔1718〕四「朝晩王様のあがる様な二の膳三の膳」*歌
34. あきつ‐きみ【明津君・秋津君】
日本国語大辞典
81~90頃か〕一「ゆづりのあとの秋津君、うけつぎまします御世(みよ)のかず」*浄瑠璃・傾城酒呑童子〔1718〕二「王位にをされ身もふるはれかほにもみぢのあきつ
35. あげ‐まく【揚幕】画像
日本国語大辞典
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36. 足元(あしもと)を=見(み)る〔=見立(みた)てる〕
故事俗信ことわざ大辞典
女房が下女にいひ付て編笠ならばござるといふ。さても足(アシ)もとを見立(ミタテ)たる返事する」浄瑠璃・傾城酒呑童子(1718)四「六百両と言ひかけしに、無徳心(
37. あしもと を=見(み)る[=見立(みた)てる・見抜(みぬ)く]
日本国語大辞典
女房が下女にいひ付て編笠ならばござるといふ。さても足(アシ)もとを見立(ミタテ)たる返事する」*浄瑠璃・傾城酒呑童子〔1718〕四「六百両と言ひかけしに、無徳心
38. あじ の=一刀(いっとう)[=利剣(りけん)]
日本国語大辞典
然上人の御法をうけ、あじの一刀を引っさげ、恩愛のきづなをばふっつふっつと切り払ひ」*浄瑠璃・酒呑童子枕言葉〔1710頃〕四「かうやにのぼれば弘法大師、あじのりけ
39. 阿字(あじ)の=一刀(いっとう)〔=利剣(りけん)〕
故事俗信ことわざ大辞典
法然上人の御法をうけ、あじの一刀を引っさげ、恩愛のきづなをばふっつふっつと切り払ひ」浄瑠璃・酒呑童子枕言葉(1710頃)四「かうやにのぼれば弘法大師、あじのりけ
40. あっち‐もの【彼方者】
日本国語大辞典
〔1694〕三・四「もはや玉の緒も絶果てて、あっちものとなられけんぞいとしき」*浄瑠璃・傾城酒呑童子〔1718〕四「次第々々に病も重り、金(かね)のくさりでつな
41. あまがみ【雨紙】[方言]
日本方言大辞典
(「雨を防ぐ紙」の意)油紙。 岐阜県大垣市512大垣市史(大垣市役所)1930御伽草子酒呑童子「火うち、つけだけ、あまがみを笈の上にぞ取つけて」
42. あま‐がみ【雨紙】
日本国語大辞典
〔名〕雨を防ぐための油紙。*御伽草子・酒呑童子〔室町末〕「ささへと名(なづけ)て酒を持、火うち、つけだけ、あまがみをおいの上にぞ取つけて」*ロドリゲス日本大文典
43. いい‐がた・い[いひ‥]【言難】
日本国語大辞典
前御集〔11C前〕「山ゐしてすりめにありしあふ事はめづらしとだにいひかたきかな」*御伽草子・酒呑童子〔室町末〕「かたじけなしとも中々にことばにもいひがたし」*評
44. いう じゃなし
日本国語大辞典
「ごめんなさいというじゃなし、失礼なやつだ」(2)ことさらに言うわけではない。言いたくはない。*浄瑠璃・傾城酒呑童子〔1718〕四「ほんにいふじゃなけれど、能(
45. いげち‐な・い
日本国語大辞典
(やつめ)の鱗蛇(おろち)の再来か。酒呑童子(すってんどうし)の眷属かいげちない酒好きと」*洒落本・短華蘂葉〔1786〕「『庄八ヤゑらふ
46. いしょう‐ば[イシャウ‥]【衣装場】
日本国語大辞典
〔名〕能、狂言、歌舞伎などの舞台裏にあって、衣装を着たり、脱いだりする場所。*浄瑠璃・傾城酒呑童子〔1718〕四「楽屋につづく衣裳場(イシャウバ)に」イショーバ
47. いつつ‐じ[‥ヂ]【五地】
日本国語大辞典
〔名〕謡曲の囃子(はやし)で打つ小鼓の手の名という。*浄瑠璃・傾城酒呑童子〔1718〕四「三つ地・五つ地一せいの、音に紛らす忍び路や」小鼓方の手では「三ツ地一セ
48. いと‐あきない[‥あきなひ]【糸商】
日本国語大辞典
〔名〕糸を売買すること。また、その商人。*浄瑠璃・傾城酒呑童子〔1718〕三「我らは二条むろ町いとあきなひの吉次と申者にて候」
49. いばらきどうじ【茨木童子】
日本架空伝承人名事典
近世の「前太平記物」の諸文芸に登場する鬼。大江山の酒呑童子の配下で、その命を受けて都を荒らしたが、羅生門(一条戻橋とも)で、武勇ならびなき頼光四天王の随一、渡辺
50. いばらきむら【茨木村】大阪府:茨木市地図
日本歴史地名大系
、当地にあてる説がある。「御伽草子」に、大江山酒呑童子の配下にあって、渡辺綱に腕を切落されたとされる茨木童子は、茨木村に捨てられたところを酒呑童子に拾われ、その
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(改訂新版・世界大百科事典)
間に危害を加える想像上の怪物,妖怪変化。鬼と呼ばれる表象の内容は多種多様であり,時代によっても変化しているので,それをまんべんなく説明することはきわめて難しい。〈おに〉という語は,人に見えず隠れ住んでいることを意味する〈隠(おん)/(おぬ)〉に由来するとする説や
桃太郎(日本大百科全書(ニッポニカ))
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金太郎(国史大辞典)
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イソップ物語(改訂新版・世界大百科事典)
ギリシアのイソップ(アイソポス)が作ったと伝えられる動物寓話集。動物などの性格や行動に託して,ギリシアの一般大衆に,いかにすれば人は平穏無事に人生をおくることができるかを教える処生訓であった。この寓話形式はすでにヘシオドス(《農と暦(仕事と日々)》202~212行)
グリム(兄弟)(日本大百科全書(ニッポニカ))
兄ヤーコプJacob Grimm(1785―1863)、弟ウィルヘルムWilhelm Grimm(1786―1859)ともにドイツの説話学の創始者。『グリム童話集』で有名。この2人の下に3人の弟と妹1人がいる。ヘッセン王国のハーナウで生まれる。1791年、父が地方裁判所の判事に栄転したためシュタイナウという村に移住。
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