1. トップページ
  2. >
  3. カテゴリ一覧
  4. >
  5. 歴史
  6. >
  7. 日本史
  8. >
  9. 戦・乱・変
  10. >
  11. シャクシャインの戦い
日本国語大辞典・日本大百科全書

日本国語大辞典
シャクシャイン‐の‐たたかい[‥たたかひ] 【─戦】

解説・用例

寛文九年(一六六九)、蝦夷(えぞ)地(北海道)で松前藩の不公平な交易方針に反対するアイヌの首長シャクシャインが起こした反松前・反和人の戦い。全北海道に広がったが、鉄砲を持つ松前藩が優勢となり、和議の席でシャクシャインは殺された。以後、松前藩のアイヌ搾取が強められた。

発音

〓[シャ]<2>




日本大百科全書
シャクシャインの戦

1669年(寛文9)、東蝦夷地(ひがしえぞち)シブチャリ(北海道新ひだか町)に拠点をもつアイヌの首長シャクシャインが起こした蜂起(ほうき)。この蜂起は東西蝦夷地の各地に波及し、鷹待(たかまち)(鷹匠)や商船の船頭など日本人390人余(『津軽一統志(つがるいっとうし)』)が殺された。松前(まつまえ)藩への攻撃も企てたが、国縫(くんぬい)(長万部(おしゃまんべ)町)で防ぎ止められ退いた。この戦いの前段には、松前藩への接近策をとるオニビシ(ハエを拠点とするハエクルの首長)との抗争があった。この抗争のなかでオニビシが殺され、ハエクル一族は松前藩に援助要請の使者を送り、援助を求めたが成功せず、使者も帰路に病死した。それが、松前藩による毒殺であるとの風説となって対日本人蜂起の直接のきっかけとなった。しかし、より重要な背景は松前藩の蝦夷交易体制の強化であった。松前藩はアイヌの松前城下、本州方面への渡航を抑え、交易の主導権を蝦夷地へ赴く日本人側に確保しようとしてきた。そのため、干鮭(からさけ)5束(100尾)=米2斗の交換比率が、米7~8升に下がるという状況を引き起こした。また松前藩の砂金取りが河川を荒らすことなどへの不満も前々から積もっており、不満は大きく広範であった。この戦いは、アイヌが日本人の主導権のもとに完全に屈服するかどうかという性格の戦いであった。幕府もこれを重視し、津軽藩兵を派遣した(実戦には不参加)。
 戦いは、鉄砲の威力で松前藩勢の優位の展開となり、ツクナイ(償いの宝物など)の提出、シャクシャインらは助命という条件で和議となった。しかし和議の約束は偽りで、酒宴に酔ったシャクシャインらは松前藩勢に囲まれ殺害され、シャクシャインのチャシ(砦(とりで))も攻め落とされて、この戦いは一段落する。しかし、その後も松前藩は1672年まで出兵を繰り返し、アイヌの動向を点検し続けた。この結果、首長の競合によるアイヌの政治勢力形成の可能性は失われ、同時に蝦夷地における松前藩、日本人側の主導権が確立していったのである。
[田端 宏]

ジャパンナレッジは約1500冊以上(総額550万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題のオンライン辞書・事典サービスです。
ジャパンナレッジについて詳しく見る
シャクシャインの戦いの関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 10
検索コンテンツ
1. シャクシャインの戦い
日本大百科全書
1669年(寛文9)、東蝦夷地(ひがしえぞち)シブチャリ(北海道新ひだか町)に拠点をもつアイヌの首長シャクシャインが起こした蜂起(ほうき)。この蜂起は東西蝦夷地 ...
2. シャクシャイン‐の‐たたかい【シャクシャインの戦い】
デジタル大辞泉
寛文9年(1669)松前氏の収奪に対して、アイヌの首長シャクシャインが全蝦夷(えぞ)地のアイヌを糾合して起こした蜂起。和議の席上シャクシャインは殺害され、アイヌ ...
3. シャクシャイン‐の‐たたかい[‥たたかひ]【─戦】
日本国語大辞典
寛文九年(一六六九)、蝦夷(えぞ)地(北海道)で松前藩の不公平な交易方針に反対するアイヌの首長シャクシャインが起こした反松前・反和人の戦い。全北海道に広がったが ...
4. 蝦夷地画像
日本大百科全書
誘発する過程でもあった。1457年(長禄1)のコシャマインの戦い、1669年(寛文9)のシャクシャインの戦いは、そのうちでももっとも激烈な抵抗であった。このよう ...
5. 長万部(町)画像
日本大百科全書
泉があり、半ドーム状石灰華は道指定の天然記念物である。南部海岸沿いの国縫(くんぬい)はシャクシャインの戦いのあった地として知られる。面積310.84平方キロメー ...
6. オニビシ
日本大百科全書
拠点とするアイヌの一族ハエクルの首長。ハエは波恵川(日高町内)流域と思われるが、1669年(寛文9)のシャクシャインの戦いのようすを記録した『蝦夷蜂起(ほうき) ...
7. 国縫
日本大百科全書
現在はホタテ養殖や酪農を行う。1669年(寛文9)アイヌ民族の蜂起(ほうき)として知られるシャクシャインの戦いがあった地で、国縫での戦いを境にして蜂起は鎮静化し ...
8. 静内
日本大百科全書
静内川河口の静内市街付近はシブチャリの地名で古くから知られたアイヌ居住地で、1669年(寛文9)の首長シャクシャインの戦いは松前藩に対する最後のアイヌの抵抗とし ...
9. シャクシャイン
日本人名大辞典
1669年和人中心の交易政策をすすめる松前藩に抗して蜂起(ほうき),2ヵ月におよぶ全アイヌ民族的な戦い(シャクシャインの戦い)に発展。同年11月16日(寛文9年 ...
10. 北方史史料集成[文献解題]北海道
日本歴史地名大系
山田聯「北裔備攷」)、第二巻(秋葉実翻刻・解説。「加賀家文書」)、第四巻(海保嶺夫翻刻・解説。「シャクシャインの戦い―幕藩体制側史料」)、第五巻(秋月俊幸翻刻・ ...
「シャクシャインの戦い」の情報だけではなく、「シャクシャインの戦い」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る

シャクシャインの戦いと同じ戦・乱・変カテゴリの記事
シャクシャインの戦い(日本国語大辞典・日本大百科全書)
寛文九年(一六六九)、蝦夷(えぞ)地(北海道)で松前藩の不公平な交易方針に反対するアイヌの首長シャクシャインが起こした反松前・反和人の戦い。全北海道に広がったが、鉄砲を持つ松前藩が優勢となり、和議の席でシャクシャインは殺された。以後、松前藩のアイヌ搾取が強められた。
禁門の変(蛤御門の変)(国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
元治元年(一八六四)七月、京都での尊攘派の勢力挽回を策した長州軍と京都を守る会津・薩摩藩を中心とする公武合体派軍との軍事衝突。元治甲子の変または蛤御門の変ともいう。文久三年(一八六三)八月十八日の政変は、それまで京摂間で猛威を
天狗党の乱(国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
幕末期水戸藩尊攘激派(天狗党)による筑波山挙兵とそれを契機に起った争乱。天狗の呼称は水戸藩藩主徳川斉昭が天保度の藩政改革を実施した際、改革を喜ばない門閥派が改革派藩士を批難したところから発したもので、改革派には軽格武士が多かったから
大塩平八郎の乱(日本大百科全書(ニッポニカ))
江戸後期、大坂で大塩平八郎らが救民のため挙兵した反乱。1828年(文政11)の九州大洪水より、断続的に天災による諸国異作が続き、36年(天保7)は未曽有の大飢饉であった。この打ち続く凶作・飢饉により米価高騰し、大坂市中には飢餓による死者が続出する。
生田万の乱(国史大辞典・日本大百科全書)
天保八年(一八三七)六月一日の明け方、平田篤胤の元塾頭生田万らが桑名藩領柏崎陣屋(新潟県柏崎市)に乱入した事件。柏崎騒動ともいう。柏崎陣屋は桑名藩の越後領四郡六万石の総支配所で、大役所・預役所・刈羽会所の三役所があり、郡代以下五十数名で領政を担当していた。
戦・乱・変と同じカテゴリの記事をもっと見る


「シャクシャインの戦い」は戦争に関連のある記事です。
その他の戦争に関連する記事
方広寺鐘銘事件(国史大辞典)
豊臣秀頼による方広寺大仏殿再興に際しひき起され、大坂冬の陣の原因の一つとなった事件。豊臣秀頼は、亡父秀吉追善供養のため、慶長七年(一六〇二)、方広寺大仏殿(東山大仏堂)の再建に着手したが、年末の失火で頓挫、あらためて片桐且元を奉行に七年後に事業を再開、同十五年六月
関ヶ原の戦い(日本大百科全書(ニッポニカ))
1600年(慶長5)9月、徳川家康の率いる東軍と、石田三成を中心とする西軍によって、美濃国関ヶ原(岐阜県不破郡関ヶ原町)で行われた「天下分け目」の戦い。 [岡本良一]三成挙兵 1598年(慶長3)豊臣秀吉が死ぬと、豊臣政権はたちまち内部分裂の兆しをみせ始めた。秀吉は生前から、家康の
島原の乱(島原・天草一揆)(国史大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
江戸時代初期、松倉勝家領の肥前国島原と同国唐津寺沢堅高領の肥後国天草の領民が連帯し、少年益田(天草)四郎時貞を盟主に蜂起し、島原の原城にたてこもって幕府・諸藩兵と戦い、全員誅殺された大農民一揆。天草一揆ともいう。この一揆に対する
生田万の乱(国史大辞典・日本大百科全書)
天保八年(一八三七)六月一日の明け方、平田篤胤の元塾頭生田万らが桑名藩領柏崎陣屋(新潟県柏崎市)に乱入した事件。柏崎騒動ともいう。柏崎陣屋は桑名藩の越後領四郡六万石の総支配所で、大役所・預役所・刈羽会所の三役所があり、郡代以下五十数名で領政を担当していた。
大塩平八郎の乱(日本大百科全書(ニッポニカ))
江戸後期、大坂で大塩平八郎らが救民のため挙兵した反乱。1828年(文政11)の九州大洪水より、断続的に天災による諸国異作が続き、36年(天保7)は未曽有の大飢饉であった。この打ち続く凶作・飢饉により米価高騰し、大坂市中には飢餓による死者が続出する。
戦争に関連する記事をもっと見る
ジャパンナレッジは約1500冊以上(総額550万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題のインターネット辞書・事典サイト。日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る