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栄花物語(栄華物語)

ジャパンナレッジで閲覧できる『栄花物語(栄華物語)』の国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典・日本古典文学全集のサンプルページ

国史大辞典
栄花物語
えいがものがたり
平安時代後期の歴史物語。四十巻(異本系三十巻)。『栄華物語』とも書く。『大鏡』とともに『世継』『世継物語』などとも呼ばれたため、時に両書は混同されたこともある。前三十巻の正編と、後十巻の続編の二部に大別され、まず正編が書かれた後、続編が別人によって書き継がれたものであろう。伝承された作者に、藤原為業(法名寂念)と赤染衛門とがある。『本朝書籍目録』に、「世継四十巻(中略)藤為業撰」とする説は、正続編とも女性の執筆と考えられることからも、為業の生存年代からも否定される。赤染説は、称名寺長老釼阿筆『日本紀私抄』にみえ、室町時代から近世初期にかけて一般化した。赤染は国史編集とも関係の深い大江家に嫁して匡衡の妻となり、藤原道長の室鷹司殿源倫子に仕えて、宮廷にも出入りし、後年出家した経歴や、文才・年齢などからも、正編の編者としては首肯されるところが多い。続編は、『百人一首改観抄追考』(樋口宗武)、『春湊浪話』(土肥経平)などに平季信女出羽弁の作かとする。弁に関する記事や和歌が多く、弁の仕えた一品宮章子内親王(後一条天皇皇女)の周辺に詳しいことから有力視されるが、むしろ弁と親しい一宮廷女房の筆になるものであろう。別に続編の一部または全部を平棟仲女周防内侍作かとする説もある。正編の成立は、巻三十「鶴の林」に書かれている道長の没後数年の長元年間(一〇三〇ごろ)かとされ、続編が書き継がれて全巻の成立したのは、巻四十「紫野」の最終記事、寛治六年(一〇九二)二月以後間もないころであろう。内容は、宇多天皇に起筆して、堀河天皇の時代に至る十五代およそ二百年間の宮廷を中心とする貴族層の公私にわたる歴史を編年体で物語ふうに書いているが、正編は後一条天皇の長元元年二月までおよそ百四十年間、続編は同天皇の長元三年からおよそ六十年間を収める。宇多天皇以下三代は皇子・皇女・大臣などの簡単な系譜的記述にとどまり、村上天皇の天暦年間(九四七―五七)から記事が詳しい。生活史の断片や、挿話・逸話をはじめ、時には人物の性質・容姿等が概括的、批評的に記され、年中行事・儀式・服飾などの記述が詳しいが、編年体史として年次の順を追って書かれているだけでなく、物語としての筋の展開もある。正編前半は貴族たちの権力争奪の物語で、その中心は天皇の外戚としての地位を手中に収めようとするところにある。最後に道長が勝利を得て終結を告げるが、後半の物語は道長の周辺に詳しくなっている。正編全体は天皇の歴代を骨子とする「世継」的性格の物語であるが、道長を主としてみる時、一種の道長物語ともいいうるような二元的構成になっている。道長の栄華を描いたところに由来する書名にもかかわらず、物の怪・疾病・死などを描くことも多く、人生の明暗両面を写している。儀式・服飾美などの委細にわたる叙述は風俗史の史料であり、悲喜の感情を微細に写したことは、正史に欠けている歴史の裏面や私生活面を知る好史料となっている。続編は道長没後の、後一条期後半から堀河天皇までの六代にわたるが、記述に片寄りがあり、物語的造型も十分でない。ただ、后妃・皇女などの消息に詳しく、平安時代後期の女性史的な特色がある。本書は、史書としては六国史もしくは未完成に終った『新国史』のあとを継ぐ意図をもつものとみられ、史実の正確さに考慮を払う一面、史実の書替え、順序の改変、年次の朧化も多く、正確な編年体史とはいいがたい。史書として本書独自の記事も見られるが、文学的叙述や、巻ごとに優美な巻名を付けた点など、直接には『源氏物語』に負うところが多く、また歴史物語の先駆として、『大鏡』以下の鏡物体史書を簇出させる源泉ともなった。伝本は古本系統本のほか、改修本とみられる異本系統本(三十巻)と、一部に改修本を交えた流布系統本に三大別され、それぞれの代表的写本として、梅沢本(三条西家旧蔵本、国宝)、富岡家旧蔵本、西本願寺本をあげることができる。刊本では『(新訂増補)国史大系』二〇、『日本古典全書』(四冊)、『日本古典文学大系』七五・七六のものがよい。
[参考文献]
和田英松・佐藤球『栄華物語詳解』、松村博司『栄花物語全注釈』(『日本古典評釈全注釈叢書』)、同『栄花物語の研究』、同『栄花物語の研究』続篇・三、河北騰『栄花物語研究』、山中裕『歴史物語成立序説』、同『平安朝文学の史的研究』
(松村 博司)


日本大百科全書
栄花物語
えいがものがたり

平安後期の歴史物語。宇多(うだ)天皇から堀河(ほりかわ)天皇の1092年(寛治6)2月まで、15代200余年間の宮廷貴族社会の歴史を編年体で叙述したもの。主題や文体などの相違により、初めの30巻を正編、あとの10巻を続編とよんで区別している。
正編の前半は、主として藤原道長が政権抗争に打ち勝って権勢の座について栄華を極めるまでを、摂関政治の犠牲となって敗退した者の姿をも克明に描き、後半は、道長の仏事や信仰生活を中心に、子女の出家や死に直面して人生の悲哀をかみしめた人間道長の姿を描いている。その構成は、「をかしくめでたきもの」と「あはれにかなしきもの」、明暗、悲喜を対照させているところに特徴がある。正編の成立は道長の死後まもないころ(1035以前)で、赤染衛門(あかぞめえもん)の作とみる説が有力である。続編は、正編の道長のように物語の核となる人物がいないため、宮廷生活の一般的な叙述に中心があり、行事の詳しい模様や盛儀の際の女房の服飾に筆が費やされ、構想も散漫で、形象性に乏しく、事実の平板な羅列に終始している。その成立は不明な点が多く、正編とは作者が別人であるうえに、巻37までとそれ以後では、作者を異にするといわれている。『栄花物語』では、文学的な興趣によって感覚的に歴史を把握しており、個々の歴史事象の背後に潜む歴史の真実を描くよりも、事件をめぐって生起する人々の心情や人の世の哀感を、事実を主観的に潤色したり、虚構を用いたり、さらには、『源氏物語』の文章を模倣するなどして描いていて、作り物語的性格が濃厚であり、冷徹な目で人間を直視し、その内面へ踏み込んで描く態度が希薄である。しかし、歴史物語の嚆矢(こうし)として、新しい領域を開拓した意義は大きい。
現存本は、写本として三条西家旧蔵本、陽明文庫本、西本願寺本、富岡家旧蔵甲本、同乙本などがあり、刊本として古活字本、明暦(めいれき)2年(1656)刊本などがある。
[竹鼻 績]


『栄花物語』[百科マルチメディア]
『栄花物語』[百科マルチメディア]
古活字版 巻1 「月宴(つきのえん)」 元和・寛永年間(1615~1644)ごろ刊 国立国会図書館所蔵



改訂新版・世界大百科事典
栄華(花)物語
えいがものがたり

宇多天皇から堀河天皇寛治6年(1092)にいたる15代およそ200年間の宮廷貴族の歴史を,仮名文を用いて編年体物語ふうに記した歴史物語。古写本では《栄花物語》と書く。40巻(異本30巻)。藤原道長の栄華を主としているところから書名がつけられ,また世代継承の物語でもあるから,《大鏡》とともに別名を《世継》または《世継物語》ともいう。《源氏物語》にならい毎巻巻名がつけられており,巻三十〈鶴の林〉までを正編,巻三十一〈殿上の花見〉以下10巻を続編とし,続編は正編の作者とは別人によって書き継がれていったものと考えられる。伝承された作者の中では赤染衛門が道長の室倫子(りんし)に仕えて宮廷貴族の事情に通じていたこと,晩年出家して僧尼とも親交のあったことなど,経歴・年齢・才能からみて有力であるが,史料を多く用いて書く歴史物語の性質上,作者というよりむしろ正編の編者と見るべきである。続編の編者は未詳であるが,宮廷に仕えた女房階級の中に求められるであろう。正編の成立は道長没後の後一条天皇長元年間(1028-37)と推定され,これに続編が書き足されて,完成したのは1092年2月を去ること遠からぬころであろう。

《栄華物語》の特色は宮廷貴族生活の明暗を,物語文学の手法に従って個人心理の面にまで立ち入って,会話や和歌などを交えて書き,総体的に女性的観点に立って叙述した点にあり,道長の一生をその栄華の有様を主として写し,外戚としての幸福,法成寺造営および供養の描写にはとくに力を注ぎ,晩年,子女の死にあって悲嘆するさまと自己の死にまでおよんでいる。その意味では道長物語であるが,これを宮廷貴族層の公私にわたる歴史の中で描き,二元的構成になっている(以上正編)。続編は道長の死後関白頼通から師実・師通などの時代におよび,宮廷の風俗史を描いて服飾美の記述も多いが,正編に比べ物語的造形が不足している。正・続編を通じ根底はあくまで史実であるが,歴史を物語ふうに記述したことや,道長賛美のためなどで,史実の書換えも多く,年紀の誤りや朧化(ろうか)も見られる。《栄華物語》という書名にもかかわらず,もののけ・疾病・死・災害など人生の暗面・否定面を描くことも少なからずあり,編者の抱懐する人生観が詠嘆的なものとして表現されている。伝本には,40巻本に梅沢本(梅沢記念館蔵,三条西家旧蔵本,17冊,国宝,鎌倉中期ころ写)・宮内庁書陵部蔵桂宮本・陽明文庫本(以上古本系統),西本願寺本(15冊,重文,伝近衛政家以下寄合書)・飛鳥井雅章筆本(以上流布本系統)などがあり,30巻本(異本系統)に富岡家旧蔵本がある。刊本には古活字本・明暦2年整板本・絵入9巻抄出本があり,注釈書には佐野久成《栄花物語標注》(1891),和田英松・佐藤球共著《栄華物語詳解》(1907),松村博司《栄花物語全注釈》(1969-81)がある。
[松村 博司]

[索引語]
藤原道長 世継物語 赤染衛門


新編 日本古典文学全集
栄花物語
えいがものがたり
【閲覧画面サンプル】
栄花物語 全体

【上記の拡大画像】
栄花物語 拡大

【現代語訳】
〔一〕
神々の世ならぬ人の世が始まってからこのかた、この国の帝は六十余代におなりあそばしたけれど、その間の推移の一部始終を書き尽すことはとてもできるものではないから、ここでは当今に近い時世についてのみしるすことにしよう。

〔二〕
この世を治ろしめして、宇多天皇と申す帝がおわしました。その帝の皇子皇女がたくさんいらっしゃった、そのなかに第一皇子の敦仁親王と申したお方が、帝の位におつきあそばしたのだが、まさにこのお方こそ世間では醍醐の聖帝と申しあげて、最高にすぐれた帝の例として称え申すとのことである。即位あそばして、三十三年にわたってご在位あそばしたのだが、その間、多くの女御たちが伺候しておられたことと

【目次】
目次
古典への招待
凡例

栄花物語(扉)
巻第一 月の宴(扉)
梗概
月の宴
巻第二 花山たづぬる中納言(扉)
梗概
花山たづぬる中納言
巻第三 さまざまのよろこび(扉)
梗概
さまざまのよろこび
巻第四 みはてぬゆめ(扉)
梗概
みはてぬゆめ
巻第五 浦々の別(扉)
梗概
浦々の別
巻第六 かかやく藤壺(扉)
梗概
かかやく藤壺
巻第七 とりべ野(扉)
梗概
とりべ野
巻第八 はつはな(扉)
梗概
はつはな
巻第九 いはかげ(扉)
梗概
いはかげ
巻第十 ひかげのかづら(扉)
梗概
ひかげのかづら

校訂付記
解説
一 書名・名称
二 成立・作者
三 諸本
四 編纂の諸契機
五 『栄花物語』の本質と主題
付録(扉)
天皇・源氏系図
藤原氏系図
栄花物語年表(巻一~十)
奥付

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[参考文献]和田英松・佐藤球『栄華物語詳解』、松村博司『栄花物語全注釈』(『日本古典評釈全注釈叢書』)、同『栄花物語の研究』、同『栄花物語の研究』続篇・三、河北 ...
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板本・絵入9巻抄出本があり,注釈書には佐野久成《栄花物語標注》(1891),和田英松・佐藤球共著《栄華物語詳解》(1907),松村博司《栄花物語全注釈》(196 ...
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日本国語大辞典
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13. あいな‐だのみ【─頼】
日本国語大辞典
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14. あいべつり‐く【愛別離苦】
日本国語大辞典
愛別離苦〓」*栄花物語〔1028〜92頃〕鶴の林「不生不滅の仏そら、猶愛別離苦、无去无来を離れ給はず」*今昔物語集 ...
15. あいよく の=海(うみ)[=河(かわ)]
日本国語大辞典
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16. あえ‐か
日本国語大辞典
68頃〕三「人がらささやかにそびえて、あえかに身もなく衣(きぬ)がちに、あてにらうたげに」*栄花物語〔1028〜92頃〕根合「上は小一条院の姫宮におはします。あ ...
17. あえ‐て[あへ‥]【敢─・肯─】
日本国語大辞典
もある」(2)(否定辞と呼応して用いる)(イ)(強めていう)いっこうに。さっぱり。決して。*栄花物語〔1028〜92頃〕かがやく藤壺「成出で清げならぬをばあへて ...
18. あお‐こう[あをカウ]【青香】
日本国語大辞典
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19. あお‐び・れる[あを‥]【青─】
日本国語大辞典
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20. あお‐むらさき[あを‥]【青紫】
日本国語大辞典
〔名〕(1)青みがかった紫色。*栄花物語〔1028〜92頃〕若水「寝殿を見れば御簾いと青やかなるに、朽木形のあをむらさきににほへるより、女房の衣のつま袖口重なり ...
21. あ‐かい[‥クヮイ]【亜槐】
日本国語大辞典
すかいまさちか)(一四一七〜九〇)の家集を「亜槐集」というのもこれによる。*金沢文庫古文書‐栄花物語若水巻断簡尾識語〔室町〕(一〇・一四七)「為家卿真筆分明者也 ...
22. あか‐がさ【赤瘡】
日本国語大辞典
〔名〕「はしか(麻疹)」の古名。あかもがさ。いなめがさ。*栄花物語〔1028〜92頃〕浦々の別「二位もこのころあかがさにていと不覚(ふかく)にて」*栄花物語〔1 ...
23. あかき 瘡(かさ)
日本国語大辞典
「あかもがさ(赤疱瘡)」に同じ。*栄花物語〔1028〜92頃〕浦々の別「今年例の裳瘡(もがさ)にはあらず、いとあかきかさの細かなる出来て、老いたる、若き、上下わ ...
24. あか‐ぎぬ【赤衣・赤絹】
日本国語大辞典
た「青き草おほくいとうるはしく切りて、左右になひて、あかぎぬ着たる男の行くこそをかしけれ」*栄花物語〔1028〜92頃〕浦々の別「此検非違使共の具のあかぎぬなど ...
25. あかぎぬ【赤衣】
国史大辞典
『中務内侍日記』には「せきい」とみえる。 (二) 検非違使の火長(かちょう)所用の赤の狩衣をいう。『栄花物語』浦々の別に、「この検非違使どものぐのあかぎぬなどき ...
26. あかぎぬ【赤衣】 : 赤衣/(二)
国史大辞典
(二) 検非違使の火長(かちょう)所用の赤の狩衣をいう。『栄花物語』浦々の別に、「この検非違使どものぐのあかぎぬなどきたるものども」とあるのは、これである。そ ...
27. あか‐ぐも【赤雲】
日本国語大辞典
〔名〕赤い色を帯びた雲。日や月の光に映えて赤く見える雲。*栄花物語〔1028〜92頃〕楚王の夢「時時、この御あたり近う、あか雲の立ち出づるは、我君の御有様と見ゆ ...
28. あか‐じ[‥ヂ]【赤地】
日本国語大辞典
〔名〕地色に赤を用いた織物、工芸品。転じて、赤い色の下地。*栄花物語〔1028〜92頃〕歌合「単(ひとへ)は打ちて、それも赤地の唐菱なる錦の表著(うはぎ)なり」 ...
29. あかぞめ‐えもん[‥ヱモン]【赤染衛門】
日本国語大辞典
。「後拾遺和歌集」などに多く歌が見え、和泉式部と並び称される。家集に「赤染衛門集」があり、「栄花物語」前編の作者ともいわれる。生没年未詳。 ...
30. あかぞめえもん【赤染衛門】
国史大辞典
六年)・賀陽院水閣歌合(同八年)・弘徽殿女御十番歌合(長久二年)などに出詠している。古来、『栄花物語』正篇の作者に擬せられ、中古三十六歌仙の一人で『拾遺集』以下 ...
31. あかぞめ-えもん【赤染衛門】
日本人名大辞典
ら)と結婚し,挙周(たかちか),江侍従(ごうのじじゅう)らを生む。中古三十六歌仙のひとり。「栄花物語」の作者といわれる。家集に「赤染衛門集」,紀行文に「尾張紀行 ...
32. 赤染衛門[文献目録]
日本人物文献目録
染右衛門伝』桜井秀『赤染衛門伝の輪廓』岡崎知子『赤染衛門の周辺 平兼盛と大江匡衡』真鍋熙子『栄花物語の作者 赤染衛門説再検討』山中裕『家集から見た作家の像 歌人 ...
33. あかぞめゑもん【赤染衛門】
全文全訳古語辞典
大江匡衡の妻。当時、和泉式部と並び称せられるほど和歌に秀でる。家集『赤染衛門集』があり、また『栄花物語』の上編の作者に擬せられている。  ...
34. あか‐ひも【赤紐】
日本国語大辞典
*枕草子〔10C終〕八九・なまめかしきもの「あかひもの色にはあらぬを、領巾(ひれ)、裙帯(くたい)などして」*栄花物語〔1028〜92頃〕著るはわびしと嘆く女房 ...
35. あかもがさ【赤斑瘡】
国史大辞典
下人は死なず、四位以下の人の妻最もはなはだし、これを赤斑瘡といふ」(原漢文)とあり、同年の『栄花物語』には「今年例のもがさにはあらず、いとあかきかさのこまかなる ...
36. あか‐もがさ【赤疱瘡】
日本国語大辞典
赤疱瘡〓」*栄花物語〔1028〜92頃〕布引の滝「四五月ばかりよりあかもがさといふ事出で来て、世の人病むなど聞ゆ ...
37. あから‐さま
日本国語大辞典
逐ふ」*日本書紀〔720〕皇極四年六月(岩崎本訓)「努力々々(ゆめゆめ)急須(アカラサマ)に斬るべし」*栄花物語〔1028〜92頃〕衣の珠「『昔恋しければ、見奉 ...
38. あから‐め
日本国語大辞典
アカラメ」(3)(ふと、目がそれているという状態であるというところから)にわかに、姿が見えなくなること。*栄花物語〔1028〜92頃〕花山たづぬる中納言「我が宝 ...
39. あかれ‐あかれ【別別】
日本国語大辞典
連用形を重ねたもの。「に」を伴って用いることもある)分散しているさま。別々に。ちりぢりに。*栄花物語〔1028〜92頃〕岩蔭「年頃の女房達、内に参るは少うて、東 ...
40. あがた‐めし【県召】
日本国語大辞典
の略。〓司召(つかさめし)。*栄花物語〔1028〜92頃〕駒競の行幸「新玉の年立ちかへる春のあがためしに」*公事根源〔1422頃〕 ...
41. あが・る【上・揚・挙・騰】
日本国語大辞典
)流れのもとの方へ行く。特に、昔へさかのぼる。→上がりたる世・上がりての人・上がりての世。*栄花物語〔1028〜92頃〕鶴の林「人々多かる中に、あがりてもかばか ...
42. あき しまれ
日本国語大辞典
(「秋しもあれ」の変化したもの)折も折、秋の季節ではあるが。*栄花物語〔1028〜92頃〕御裳着「あきしまれさしそふ色のことなるは紅葉やすらん月のかつらも」 ...
43. あき の 光(ひかり)
日本国語大辞典
(1)秋の澄んだ空に冴え輝く月の光。*栄花物語〔1028〜92頃〕御裳着「月影はいつともわかぬものなれどあきのひかりぞ心ことなる」*新千載和歌集〔1359〕秋上 ...
44. あき‐の‐みや【秋宮】
日本国語大辞典
しゅうきゅう)」を略した「秋宮」の訓読)皇后の住んでいる宮殿。また、皇后の異称。《季・秋》*栄花物語〔1028〜92頃〕御裳着「秋の夜にあきの宮にてながむればつ ...
45. あきのみや‐びと【秋宮人】
日本国語大辞典
〔名〕皇后の御殿に仕えている人々。*栄花物語〔1028〜92頃〕暮待つ星「霧はれぬあきの宮人あはれいかに時雨に袂(たもと)濡れまさるらん」 ...
46. あくがら・す【憧・憬】
日本国語大辞典
そわそわさせる。*和泉式部集〔11C中〕上「梅が香におどろかれつつ春の夜はやみこそ人はあくがらしけれ」*栄花物語〔1028〜92頃〕ゆふしで「若やかなる殿上人、 ...
47. あくがれ‐あり・く【憧歩】
日本国語大辞典
〜14頃〕野分「今日かかる空のけしきにより、風のさきにあくがれありき給ふも、あはれに見ゆ」*栄花物語〔1028〜92頃〕見はてぬ夢「花山院ところどころあくがれあ ...
48. あく‐が・れる【憧・憬】
日本国語大辞典
のとしごろ人にも似給はず、うつし心なき折々多く物し給ひて、御中もあくがれてほど経にけれど」*栄花物語〔1028〜92頃〕様々のよろこび「世の中いとはかなきものに ...
49. あく‐どう[‥ダウ]【悪道】
日本国語大辞典
加え、四悪道という。悪趣。*観智院本三宝絵〔984〕上「若戒むことを持ずば常に悪道に可堕し」*栄花物語〔1028〜92頃〕鶴の林「己(おのれ)をば悪道に落ちよと ...
50. あくび【欠伸・欠】
日本国語大辞典
すさまじきもの「『あな、いと験なしや』とうちいひて〈略〉あくびおのれうちしてよりふしぬる」*栄花物語〔1028〜92頃〕玉の飾「力を尽くし加持参るに、さらに御あ ...
「栄花物語(栄華物語)」の情報だけではなく、「栄花物語(栄華物語)」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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うつほ物語(宇津保物語)(日本古典文学全集・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典・国史大辞典)
平安時代の物語。題名は首巻の「俊蔭」の巻で、主人公の仲忠が母と杉の洞穴で生活したことによる。従来「宇津保」と書かれていたが、変体仮名の原漢字を用いたもので、題意からは「うつほ(ウツオ)」がよい。成立時代は円融朝(969~984)~
落窪物語(日本古典文学全集・日本大百科全書・世界大百科事典・国史大辞典)
〔一〕今は昔のこと、中納言である人で、姫君を大勢持っていらっしゃった方がおられた。長女や次女の君には婿を迎えて、それぞれ西の対、東の対に派手に住まわせ申しあげなさって、「三女、四女の君には裳着の式をして差し上げよう」と、大事にお世話なさる
唐物語(国史大辞典・世界大百科事典)
中国説話二十七篇を歌物語風に翻訳した物語。一冊。前田綱紀の手記『桑華書志』所収の『古蹟歌書目録』は『漢物語』として作者を藤原成範と伝える。これが『唐物語』を指す蓋然性は高く、院政期の成立と見てよい。各話は王朝物語にもしばしば引用される著名な人物が配される。
とりかへばや物語(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
平安時代末期の物語。運命のいたずらで女装、男装を余儀なくされた異腹の兄妹の物語。作者未詳。三巻三冊または四巻四冊。『とりかへばや』には古本と今本とがあり、古本は散佚、古本を改作した「今とりかへばや」が『とりかへばや』『とりかへばや物語』の名で現存する。
今鏡(日本大百科全書・世界大百科事典)
平安末期の歴史物語。1170年(嘉応2)成立説とそれ以後とする説とがあり、作者は藤原為経(寂超)説が有力。『大鏡』を受けて、1025年(万寿2)から1170年までの歴史を、座談形式を用い、紀伝体で叙述したもの。巻1~3は後一条天皇から高倉天皇までの帝紀、巻4~6は藤原氏
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野白内証鑑(日本古典文学全集)
野白内証鑑一之巻目録自分の行状の弁解をした野郎の話秘密の色遊びはばれたが、始めより末に至って情勢が好転した野郎の大臣。その相手は羽ぶりのよい撞木町の女郎。悪性をささやいてすすめる耳塚の駕籠屋。客に肌を見せない白人の話 外面は菩薩のようだが内情は
豊後国風土記(日本古典文学全集)
豊後の国。郡は八所、〔郷は四十、里は百十〕駅は九所、〔みな小路〕烽は五所、〔みな下国〕寺は二所〔一つは僧の寺、一つは尼の寺〕である。

豊後の国は、本、豊前の国と合わせて一つの国であった。昔、纏向の日代の宮で天下をお治めになった大足彦の天皇
魯迅 その文学と革命(東洋文庫)
中国近代文学の父であり,偉大な思想家でもある魯迅は,知識人としての苦悩のなかで,中国の「寂寞」を見つめ,自らをも傷つける「革命」を志向する。著者会心の魯迅伝。1965年07月刊
論語徴(東洋文庫)
秦・漢以前の古文辞に対する確固たる自信から孔子の言論を読みとく,論語の注釈のなかでもっとも論争的な注釈書。卓抜した孔子論を展開するとともに,徂徠自身の思想も開陳する。第1巻は,学而,為政,八佾,里仁,公冶長,雍也,述而,泰伯。1994年03月刊
近世和歌集(日本古典文学全集)
年内立春 去年と今年の二本の緒で縒り合わせて掛けて同じ年が一本にまとまらないように、こんがらがってなかなか理解できない春はやって来た。やや趣向倒れの感がある。長嘯子としては機知を働かせたのだろうが。鶯 軒端の梅が咲いていて、一晩中鶯の到来を
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