1. こたつ
日本大百科全書
冬季に使用する採暖用具の一つで、熱源の上に木製の櫓(やぐら)を置き、上からふとんをかけ、下半身を中に入れて暖まる。古くは「火燵」とも書き、熱源には炭火を用いたが ...
2. 炬燵
世界大百科事典
炉の上に櫓(やぐら)をかけ布団で覆って暖を採る設備。炬燵,火燵,火闥,火榻などと書くが,日本での造語である。掘りごたつと置きごたつとあり,掘りごたつは囲炉裏から ...
3. こ‐たつ【炬燵・火燵】
日本国語大辞典
いう盗人仲間の隠語。〔隠語輯覧{1915}〕(1)漢字表記としては、「炬燵」のほか、「火闥」「火燵」とも書くが、いずれも宛字。「火榻子」の唐宋音に由来するという ...
4. こたつ【炬燵】
数え方の辞典
▲台、▲基 電気炬燵は「台」、掘り炬燵は据えてあるので「基」で数えます。 ...
5. こたつ【炬燵】[標準語索引]
日本方言大辞典
やばれやぐらのあるこたつ:炬燵わかやまこたつやぐらをしないで低くしたこたつ:炬燵しきたつ火の入っていないこたつ:炬燵しばや の炬燵いろりやこたつ:炬燵の周りのそ ...
6. こたつ‐あけ【炬燵明】
日本国語大辞典
〔名〕こたつをあけて、火を入れはじめること。→
炬燵を明ける。《季・冬》
[0]
...7. こたつ‐あんぎゃ【炬燵行脚】
日本国語大辞典
〔名〕親戚、知人の家を訪ね、その家のこたつにあたって話しては、次から次へと訪ねまわること。*俳諧・けふの昔〔1699〕「下京を廻りて火燵行脚かな〈丈草〉」コタ ...
8. こたつ‐いた【炬燵板】
日本国語大辞典
〔名〕こたつのやぐらの上にのせる板。*夜明け前〔1932〜35〕〈島崎藤村〉第一部・下・一一・一「炬燵板(コタツイタ)の上を食卓に代用して」*雪国〔1935〜4 ...
9. こたついた【炬燵板】
数え方の辞典
▲枚 ...
10. こたつ‐かけ【炬燵掛】
日本国語大辞典
〔名〕こたつに掛けるふとん、または布。*旧主人〔1902〕〈島崎藤村〉四「酒は胡燵掛(コタツガケ)の上に溢(こぼ)れましたのです」 ...
11. こたつ 切(き)る
日本国語大辞典
「こたつ(炬燵)を明ける」に同じ。*俳諧・毛吹草〔1638〕二「十月 爐開(ろひらき) 火燵(コタツ)切 炭斗」 ...
12. こたつ‐ずいれん【炬燵水練】
日本国語大辞典
〔名〕こたつにあたりながら水泳を習うこと。実際の役に立たない研究または議論のたとえ。炬燵兵法。*談義本・当世穴穿〔1769〜71〕二・さがの釈伽もんどう「巨燵水 ...
13. こたつ で 河豚汁(ふぐじる)
日本国語大辞典
こたつにあたって休養しながら、一方では危険なふぐ汁を食べること。大事をとる一方で危険な行ないをすること。矛盾したことをするたとえ。 ...
14. こたつ‐ねこ【炬燵猫】
日本国語大辞典
〔名〕こたつの上やこたつぶとんの端にうずくまっている猫。《季・冬》
[ネ]
...15. こたつ の 名残(なご)り
日本国語大辞典
春になってこたつを取り除く時、冬の間馴染んだ雰囲気などが惜しまれること。《季・春》 ...
16. こたつ の 兵法(へいほう・ひょうほう)
日本国語大辞典
「こたつびょうほう(炬燵兵法)」に同じ。*開化のはなし〔1879〕〈辻弘想〉二「口に聖人の言を誦し、一にも学文二にも学文と、理屈ばかり言ふ人は、事にあたって役に ...
17. こたつ 俳諧(はいかい)夏将棋(なつしょうぎ)
日本国語大辞典
冬はこたつで俳諧をよみ、夏は露台で将棋をすること。季節に応じての趣味嗜好をいう。また、嗜好の長続きしないことのたとえ。 ...
18. こたつ‐ばなし【炬燵話】
日本国語大辞典
苔の下〈愚好〉」*夜明け前〔1932〜35〕〈島崎藤村〉第一部・下・一一・一「三人が久し振りの炬燵話(コタツバナシ)に集まった」 ...
19. こたつ‐びょうほう[‥ビャウハフ]【炬燵兵法】
日本国語大辞典
〔名〕こたつにあたりながら兵法を論じたり、習ったりすること。実際に通用しない空論のたとえ。
炬燵水練。*滑
本・客者評判記〔1811
...20. こたつ‐ぶすま【炬燵衾】
日本国語大辞典
〔名〕「こたつぶとん(炬燵蒲団)」に同じ。*日葡辞書〔1603〜04〕「Cotatçubusuma (コタツブスマ)〈訳〉冬、中に火鉢を入れておく木のやぐらの上 ...
21. こたつ‐ぶとん【炬燵蒲団】
日本国語大辞典
〔名〕こたつのやぐらの上から掛けてあるふとん。こたつ用の掛けぶとん。炬燵衾(ぶすま)。《季・冬》*俳諧・桜川〔1674〕冬二「火燵ふとん灰さすものそこむらさき〈 ...
22. こたつ‐べんけい【炬燵弁慶】
日本国語大辞典
1〕「巨燵弁慶のあら事、ちと比興ならん」*俳諧・七番日記‐文化一〇年〔1813〕一〇月「雀来よ炬燵弁慶是に有」*読本・南総里見八犬伝〔1814〜42〕九・一四一 ...
23. こたつ‐やぐら【炬燵櫓】
日本国語大辞典
〔名〕こたつに用いるやぐら。木組みの立方形のわくで上にふとんを掛けるもの。《季・冬》*国花万葉記〔1697〕六・二「火燵櫓、道修町」*俳諧・享和句帖‐三年〔18 ...
24. こたつ を 明(あ)ける
日本国語大辞典
(1)江戸時代、十月の中の亥(い)の日に、掘りごたつをあけて火を入れて愛宕の神をまつる。この日にこたつをあけると火災を防ぐという。*浄瑠璃・心中天の網島〔172 ...
25. こたつ を 塞(ふさ)ぐ
日本国語大辞典
〉 こたつふさげば広く成ぬる〈李東〉」*俳諧・類題発句集〔1774〕春「忘れ霜よくぞ
炬燵を塞がざる〈調
〉」
...26. こたちかばち【炬燵框】[方言]
日本方言大辞典
こたつのやぐらの下に置く枠。 島根県簸川郡725島根県方言辞典(広戸惇・矢富熊一郎)1963 ...
27. こたつあぶら【炬燵油】[方言]
日本方言大辞典
こたつなどの火に長くあたった時皮膚にできる火だこ。 長野県上伊那郡469信州方言風物誌(福沢武一)1956~58 ...
28. こたつばな【炬燵花】[方言]
日本方言大辞典
植物(1)ふしぐろ(節黒)。 木曾※091木曾採薬記(水谷豊文)1810(2)ふしぐろせんのう(節黒仙翁)。 長野県下伊那郡492信州下伊那郡方言集(井上福美) ...
29. こたつべんけー【炬燵弁慶】[方言]
日本方言大辞典
(1)内弁慶。 山口県萩市791防長方言調査表(防長史談会)1933読本八犬伝九・一四一回「倶ともに罵れども、俗よに云罩炉こたつ弁慶にて、とばかりにして術すべも ...
30. こたつぼね【炬燵骨】[方言]
日本方言大辞典
こたつのやぐら。 岐阜県飛驒502飛驒のことば(土田吉左衛門)1959 ...
31. あいあい‐ごたつ[あひあひ‥]【相合炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕一つの炬燵に二人であたること。また、その炬燵。*浄瑠璃・冥途の飛脚〔1711頃〕下「手さへ涙に凍(こごゑ)つき、冷ゑたる足を太股にあひやひごたつ、相輿(あ ...
32. あい‐ごたつ[あひ‥]【相炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕「あいあいごたつ(相合炬燵)」に同じ。*雑俳・よざくら〔1706〕「無常から仕込んで後家に相火燵」 ...
33. あげ‐ごたつ【上炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕櫓(やぐら)の中に炉を入れ、櫓の上に布団や毛布をかけて、体や手足を温めるもの。掘りごたつに対していう。*日葡辞書〔1603〜04〕「Aguegotatçu ...
34. いき‐ごたつ【生炬燵】
日本国語大辞典
*歌舞伎・水天宮利生深川(筆売幸兵衛)〔1885〕序幕「『ああ、雨垂所か、又雪が降って来た』『今夜は生炬燵(イキゴタツ)といふ晩だな』」 ...
35. いたくら‐こたつ【板倉炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕火のないこたつをいう江戸言葉。→板倉殿の冷え炬燵。*随筆・秉穂録〔1795〜99〕一・下「尾州にて、火のなきこたつを、岩倉こたつといふ。昔、岩倉殿とよべる ...
36. いたくらどの の 冷(ひ)え炬燵(ごたつ)
日本国語大辞典
「冷え炬燵」は「火がない」で「非がない」にかけていったしゃれ。*諺苑〔1797〕「板倉殿のひへ火燵」*随筆・嬉遊笑覧〔1830〕一〇・下「世諺に板倉殿の冷こたつ ...
37. いわくら‐こたつ[いはくら‥]【岩倉炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕「いたくらこたつ(板倉炬燵)」に同じ。*随筆・秉穂録〔1795〜99〕一・下「尾州にて、火のなきこたつを、岩倉こたつといふ。昔、岩倉殿とよべる人、貧しくし ...
38. おき‐ごたつ【置炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕底板のあるやぐらの中に炉を入れた、持ち運びのできるこたつ。《季・冬》*俳諧・鷹筑波集〔1638〕四「暮て行冬の形見やをきごたつ〈利勝〉」*俳諧・猿蓑〔16 ...
39. お‐こた【御炬燵】
日本国語大辞典
の略)炬燵(こたつ)を丁寧にいう女性語。*人情本・軒並娘八丈〔1824〕初・一套「ドレ、お巨燵(コタ)にしよう」*破戒〔1906〕〈島崎藤村〉一七・三「手が冷い ...
40. きり‐ごたつ【切炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕畳や床板を切って、床よりも下に火入れを作った据えつけの
炬燵。掘
炬燵。《季・冬》キリ
タツ
...41. しき‐ごたつ【敷炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕「おきごたつ(置炬燵)」に同じ。《季・冬》*俳諧・崑山集〔1651〕五・蛍「火をおこす蛍の尻やしきこたつ〈易延〉」*俳諧・太祇句選〔1772〜77〕冬「あ ...
42. 時雨の炬燵
日本大百科全書
浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)、歌舞伎(かぶき)劇。本名題(ほんなだい)『天網島(てんのあみじま)時雨炬燵』。近松門左衛門作の『心中天網島』を1778 ...
43. すえ‐ごたつ[すゑ‥]【据炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕畳、床板を切って床より下に火入れを作った、すえつけのこたつ。きりごたつ。掘りごたつ。スエ
...44. たか‐ごたつ【高炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕櫓(やぐら)の高い炬燵。*俳諧・犬子集〔1633〕六・冬炉火「手やささん寒き夜すへのたかこたつ〈由之〉」*俳諧・玉海集〔1656〕四・冬「炭とりやよせて継 ...
45. でんき‐ごたつ【電気炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕(「でんきこたつ」とも)熱源に電力を使用した炬燵。*おはなし電気学〔1939〕〈佐野昌一〉一七「電気炬燵(デンキコタツ)の、簡単なるものでは、五燭光か十燭 ...
46. なつ=碁(ご)[=将棋(しょうぎ)]に炬燵俳諧(こたつはいかい)
日本国語大辞典
夏は囲碁、将棋、冬は炬燵にでもはいって俳諧を楽しむのにふさわしい。季節それぞれに適した楽しみがあることをいう。 ...
47. はだか‐ごたつ【裸炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕おおい物のない、むきだしのこたつ。*俳諧・北国曲〔1722〕一「旅籠屋の裸火燵や青すだれ〈巴雀〉」ハダカ ...
48. はる‐ごたつ【春炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕春になっても、まだ寒さが残っているので作っておく炬燵。《季・春》*鷹〔1938〕〈松本たかし〉昭和一三年「誰をかも待つ身の如し春炬燵」ハル ...
49. ひえ‐ごたつ【冷炬燵】
日本国語大辞典
〔名〕火の気がなくなってつめたくなったこたつ。火を入れてないこたつ。*咄本・露新軽口ばなし〔1698〕二・四「ひといきねて目をさまし、何れも申けるは、さても是は ...
50. ほり‐ごたつ【掘炬燵・掘火燵】
日本国語大辞典
川端康成〉「敷蒲団の裾が掘火燵の縁へ届くやうに」*長い夢路〔1968〕〈倉橋由美子〉「ふさは掘炬燵のうえの広い食卓のまえに座った」ホリ ...