(オンガクノケイシキ)
アンドレ・オデール 著/吉田秀和 訳
一部の前衛音楽を除けば、あらゆる楽曲の根底には音楽の基本的なフォルム、すなわち「形式」が巧みに配置されている。本書は、中世以来もっとも多用されてきた形式を選びだし、具体例を示しながらその歴史的変遷をたどることで、従来あいまいだった個々の概念規定を明確に浮かび上がらせている。
(オンガクノレキシ)
ベルナール・シャンピニュール 著/吉田秀和 訳
音楽はひとつの芸術として独自の普遍性を有するとともに、それを創りだした歴史的環境によって濃くいろどられている。本書は、中世・ルネサンス期を経て近代ヨーロッパ音楽が形づくられる過程を、各時代の芸術・文学・宗教・政治・趣味などと関連づけながら論述する。
(スペインオンガク)
ホセ・スビラ 著/浜田滋郎 訳
ヨーロッパの音楽のなかで特異な位置を占めるスペイン音楽はその豊かな内容にもかかわらず、これまでまとまった概説書が少なかった。本書はスペイン音楽についての手軽な系統的概説書で、各時代を追ってその音楽的特質を要約、スペイン音楽特有の土俗的・異教的ムードの背景を歴史的に解明している。
(カンゲンガク)
ルイ・オベール、マルセル・ランドスキ 共著/小松 清 訳
本書は管弦楽の定義から、その成立、発展、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンを頂点としてベルリオズにいたる黄金時代の管弦楽、さらにロシア国民楽派や、フランス印象派、後期ワグナー派等近代の多彩な楽派の管弦楽上の特質を追求し、現代音楽の諸問題、指揮法、組織、編成にまでおよぶ。
(バロックゲイジュツ)
ヴィクトール・リュシアン・タピエ 著/高階秀爾、坂本 満 訳
16世紀から18世紀にかけてヨーロッパを風靡した特異な芸術様式バロック。その言葉の定義、ルネサンスとの関係、社会との結びつきを説き、イタリア、フランス、スペイン各国それぞれの歴史的条件の下でそれがいかに展開していったか、また造形芸術と時代精神とを関連づけて考察した、碩学による解説書。
(フランスカキョクトドイツカキョク)
エヴラン・ルテール 著/小松 清、二宮礼子 訳
フランス・ドイツ両国の歌曲はどのようにして生まれ、また開花したか。ベルリオーズ、フォーレ、シューベルト、シューマンを筆頭とする各国の代表的作曲家の発展のあとをたどりながら、その歌曲にみられる民族的性格を平易に解説する。音楽ファン・研究家にとって欠かせぬ「歌曲のすべて」。
(シェイクスピアトエリザベズチョウエンゲキ)
J.アクセルラ、M.ウィレム 共著/小津次郎、武井ナヲエ 訳
シェイクスピアが現われる直前の英国劇の状況、当時の劇場や俳優の様子、悲劇・喜劇などのジャンルの分析をはじめ、マーロー、キッドなどの先駆的作家、チャプマン、ジョンソン、ウェブスターなどシェイクスピアと同時代の作家、そしてシェイクスピアの生涯と作品を検討する。鑑賞と批評に好個の解説書。
(ハナノレキシ)
L.ギヨー、P.ジバシエ 共著/串田孫一 訳
昔から人間は花と深い関係を持ち続けて来た。揺籠から墓場まで、人間の祭典や喪の、悲喜さまざまの出来事に花は付きものとなっている。本書は喧噪にみちた現在の生活において、人間の心を慰め、楽しませてくれる花、その花の中でもとりわけ美しく珍重されている花の歴史をさまざまな角度から語っている。
(ワセイノレキシ)
オリヴィエ・アラン 著/永富正之、二宮正之 訳
西洋音楽を支えてきた和声、特に調性の崩壊は、今日大きな問題となっている。著者は、この事実をふまえながら和声の根本に立ち戻り、各時代におけるその特色と変遷、その発展関係(ポリフォニー、前調性音楽、調性音楽、旋法主義と半音階主義)を克明にたどりつつ、和声の本質的な姿を究明する。
(バレエノレキシ)
マリ=フランソワーズ・クリストゥ 著/佐藤俊子 訳
ルネサンス期のバレエ発生当初から現代のバレエまで、芸術の華、バレエを文化的背景のなかで位置づけ、さらにさまざまな舞踊概念の中心において紹介した格好のバレエ小史。