(ゲンガクシジュウソウ)
シルヴェット・ミリヨ 著/山本 省 訳
その進化と発展、そして……室内楽曲の最も純粋な音楽形式である弦楽四重奏は、楽器の多彩な音色にも演奏家の技巧にも頼りきれず、作曲家にとってその力量を試されるシビアなものである。本書は、その起源から説き起こし、ボッケリーニ、ハイドン、モーツァルトなどの作品を検討したあと、ベートーヴェンの四重奏曲群の分析にとくに紙幅を割く。さらにバルトーク、シェーンベルク、ショスタコーヴィチらの四重奏曲を豊富な譜例とともに解説する。弦楽四重奏の音楽活動における位置づけを示した、クラシック音楽愛好家必読の一冊。プロフィール: シルヴェット・ミリヨ Sylvette Milliot パリ音楽院でチェロを学んだあと、音楽学の道に進み、音楽学の国家博士を取得。弦楽器の音楽とその製作に関するフランスを代表する研究者であり、フランス国立科学研究センター(CNRS)における音楽学部門の所長を務めた。