日々の暮らしの中で、人々は興味のあることには目を向け、興味のないことからは目を逸らしているのではないでしょうか。
皆さんは、自分の住む町にどのくらいの興味を持っていますか?
九十九島の島々と佐世保の町(画像クリックで、大画像が見られます)
私が住む町、佐世保市にはこのような昔話があります。
むかし、むかし、ここには100の島がありました。夜になると島達は集まって遊んでいました。そして、朝になるといつもの場所に戻っていました。
ある日の夜、100の島達はお酒を飲みに出かけました。しかしそこで、ひとつの島が酔い潰れてしまったのです。朝になって、99の島はいつもの場所に戻りましたが、ひとつの島は戻ることができず、その場に取り残されてしまったのです。
このことから、戻ってきた99の島があるこの場所を、九十九島(くじゅうくしま)と呼ぶようになりました。
夕方の九十九島。もう少しで島が動き出す! パノラマでお楽しみください。
実際、九十九島には208の島があり島の密度が日本一と言われています。
複雑な地形がたくさんあることで、様々な自然環境がいたるところに溢れています。
島に上陸すれば、鮮やかな緑を目にし、花の香りを感じ、心地よい鳥のさえずりを耳にすることができます。
海に潜れば、きらきら輝く魚、優雅に泳ぐクラゲ、森林を思わせる海藻を目の当たりにすることができます。
そして、これらの生き物と生き物がつながっていることを体感できる場所、それが九十九島なのです。
この九十九島にいる生き物たちは、皆それぞれが面白く、それぞれが主役です。
九十九島の海を再現した大水槽。きらきら輝く魚たち!!
これらの生き物たちのつながり、自然のすばらしさを伝えることが、「海きらら」の水族館スタッフ、学芸員としての役割だと考えています。
「海きらら」とは九十九島の自然をそのまま切り取り、九十九島の生き物に焦点を当てた水族館です。(正式名称:西海国立公園九十九島水族館「海きらら」)
次回は、いよいよ「海きらら」を紹介します。
新人学芸員の私の目を通して、九十九島の魅力を少しずつご案内しましょう。