保健師、助産師、看護師、准看護師の資格をもつ個人が自主的に加入し運用する、日本最大の看護の職能団体。47都道府県看護協会が法人会員として連携活動する全国組織である。日看協、JNAと略称される。2020年度(令和2)の会員数は約76万人であり、看護職の組織率は5割程度である。
看護職のうち最初に職能団体を結成したのは助産師であり、1927年(昭和2)、助産婦(当時の呼称)の全国組織である「日本産婆会」が設立された。ついで1929年に「日本看護婦協会」が結成され、最後に1941年「日本保健婦協会」が発足した。
第二次世界大戦後の占領下において、連合国軍総司令部(GHQ)に公衆衛生福祉局が設置され、そのなかに看護課が設けられて、GHQの強い意向・指導により日本の看護改革が進められた。その一つとして、看護職が団結し政治的な力をもつために、1946年(昭和21)に看護婦・保健婦・助産婦の各職能団体が統合され、「日本産婆看護婦保健婦協会」が発足した。その後「日本助産婦看護婦保健婦協会」と改称され、さらに1951年に現在の「日本看護協会」と改められた。
活動目的として、日本看護協会定款第3条に「都道府県看護協会との連携のもと、保健師、助産師、看護師および准看護師が教育と研鑽(けんさん)に根ざした専門性に基づき看護の質の向上を図るとともに、安心して働き続けられる環境づくりを推進し、あわせて人々のニーズに応える看護領域の開発・展開を図ることにより、人々の健康な生活の実現に寄与することを目的とする」とあり、会員の自治によって、職業倫理の向上、教育ならびに専門的学術研究に努め、人々の健康な生活の実現に寄与する活動を行っている。
おもな事業としては、(1)看護の質の改善・向上のための生涯教育研究、(2)政策の提言とその実現、(3)在宅医療・訪問看護の推進、(4)継続教育の推進、(5)専門看護師・認定看護師・認定看護管理者教育と資格認定、(6)日本看護学会の開催など、研究の振興、(7)調査研究、(8)広報活動、(9)国際交流、(10)看護職の人材確保・就業促進などを行っている。また国際看護師協会(ICN)や国際助産師連盟(ICM)、各国の看護師協会との交流や被災地支援などの活動も行っている。