50歳までに一度も結婚しない人の割合を示す統計指標。生涯未婚の人の割合を示す数値ではないが、50歳まで未婚の人は将来も結婚しない可能性が高いとの前提で、生涯独身の人の比率を示す指標として用いられてきた。「45~49歳」と「50~54歳」の未婚率の平均値として算出し、配偶者と離婚したり死別した人は含まない。人口推計の基礎データである。日本では1990年代以降、生涯未婚率が急速に上昇し、国立社会保障・人口問題研究所の国勢調査に基づく算出では、1980年(昭和55)に男性2.60%、女性4.45%であったが、2020年(令和2)に男性28.25%、女性17.81%となった。要因として、女性の社会進出の拡大、結婚・家族観の多様化、長寿化・晩婚化の進展、非正規労働者の増加、見合いや縁談などマッチング機会の減少などが指摘されている。なお、日本政府は2019年、生涯未婚率という用語を「50歳時未婚率」にいいかえることを決めた。
2020年の国勢調査の年齢別未婚率の推移をみると、25~29歳は男性で76.4%(1980年55.2%)、女性で65.8%(同24.0%)、30~34歳は男性で51.8%(同21.5%)、女性で38.5%(同9.1%)、35~39歳は男性で38.5%(同8.5%)、女性で26.2%(同5.5%)となっており、今後も生涯未婚率は上昇していくとみられる。また、国立社会保障・人口問題研究所が2022年に発表した「出生動向基本調査(独身者調査)」(対象は18~34歳未婚者)によると、「一生結婚するつもりはない」と考える未婚者の割合は、1987年(男性4.5%、女性4.6%)以降、上昇傾向にあり、2021年には男性17.3%、女性14.6%となった。