千葉市沿岸部(美浜(みはま)区中瀬)にある常設大型展示・会議場。日本初の大型コンベンション施設として1989年(平成1)に開業した。メッセはドイツ語で見本市の意味。約22ヘクタールの敷地に国際展示場1~8ホール(展示面積5.4ヘクタール)、国際展示場9~11ホール(同1.8ヘクタール)、幕張イベントホール(最大収容9000人)、国際会議場(22の会議室)の四つの建物からなる。延床面積は約16ヘクタール、総展示面積は約7.5ヘクタール。総工費(含む増設分)は558億円。2016年(平成28)時点で東京国際展示場(東京ビッグサイト)に次ぐ国内2番目の規模のコンベンション施設である。東京湾沿岸開発の一環として1960年代から1970年代にかけて東京湾横断道路(東京湾アクアライン)、横浜市臨海部開発「横浜みなとみらい21」構想などと並んで計画が浮上。1986年(昭和61)に運営会社の日本コンベンションセンター(2005年に幕張メッセへ社名変更)が発足し1989年に開業した。運営会社は千葉県、千葉市、日本政策投資銀行、新日鉄住金、東京電力、東京瓦斯(ガス)など21団体・76社が出資する第三セクターで、資本金は40億円。IT(情報技術)・家電の国際展示会「CEATEC JAPAN(シーテックジャパン)」(旧、エレクトロニクスショー)、ゲーム見本市「東京ゲームショウ」などを開催し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックではフェンシング、テコンドー、レスリングなどの競技会場となる予定である。開業時はバブル経済期で、開業後1年2か月で1000万人来場を達成するなど経済活性化に一定の役割を果たした。しかし東京国際展示場など競合施設が相次いで建設され、2011年に「東京モーターショー」が東京国際展示場へ会場を移すなど稼働率が低下している。累計来場者数は1億5444万人(2016年3月末時点)、年間来場者は591万人(2015年度)、稼働率は約47%(2014年度)。
[矢野 武]