ジャパンナレッジ
1989年(平成1)3月告示の高等学校学習指導要領改訂によって、それまでの社会科にかわり、地理歴史科とともに高等学校に設けられた教科。公民科は、(1)現代の諸課題をとらえ考察し、選択・判断するための概念や理論について理解するとともに、諸資料から倫理的主体などとして活動するために必要な情報を適切かつ効果的に調べまとめる技能、(2)現代社会の諸課題の解決に向けて、選択・判断の手掛りとなる考え方や公共的な空間における基本的原理を活用して多面的・多角的に考察、構想する力、(3)よりよい社会の実現を視野に、現代の諸課題を主体的に解決しようとする態度を育成することを通して、平和で民主的な国家および社会の有為な形成者として必要な公民としての資質・能力を統一的に育成することを目標としている。
この教科は、必修科目の「公共」(2単位)を学習したのち、選択科目である「倫理」(2単位)、「政治・経済」(2単位)を学習できるように、これら3科目で構成されている。公民科と地理歴史科とは、それぞれの教科の垣根を高くして並立するのではなく、両教科が相携えて、生徒の科学的社会認識と公民としての資質・能力を育成することが期されている。