ジャパンナレッジ


  • このコンテンツについて

コンテンツ一覧

  • 総合
  • ジャパンナレッジLib
  • ジャパンナレッジPersonal

日本大百科全書(ニッポニカ)

リバーサル・レート

  • Jpn
  • Eng

ニッポニカ > 更新情報 > サンプルページ

リバーサル・レート
りばーさるれーと
reversal interest rate 英語

金利を下げすぎると、かえって金融緩和効果を減殺するという経済現象、あるいは、その行きすぎた低金利をさす概念。アメリカのプリンストン大学教授のブルネルマイアーMarkus K. Brunnermeier(1969― )が2016年に提唱した。一般に金利を下げると市場に出回るマネーが増えて経済活動を刺激するが、金利がある一定水準を下回ると、かえって預貸金利鞘(りざや)の縮小を通じて銀行部門の自己資本制約が圧迫され銀行経営に悪影響を与え、貸出の伸び悩みなど金融仲介機能が低下するという考え方である。つまり、行きすぎた金融緩和には緩和効果を反転(reverse)させる副作用があることから、リバーサル・レートとよばれる。日本では、日本銀行総裁の黒田東彦(はるひこ)が2017年(平成29)11月、スイスのチューリヒ大学での講演のなかで紹介し、広く知られるようになった。
 ブルネルマイアーらは2017年の論文「リバーサル・レート:金融政策における効果の下限(The Reversal Interest Rate : An Effective Lower Bound on Monetary Policy)」で、金利が一定水準を下回ってリバーサル・レートが起きる要因として、(1)銀行がもつ固定金利資産の存在、(2)低下した金利ほど預金金利を下げられない状況、(3)国が金融機関に課している規制、などをあげている。黒田が日銀総裁に就任して以来、日銀は量的・質的緩和とマイナス金利政策という大規模な金融緩和で物価上昇と脱デフレを目ざしている。黒田のリバーサル・レート発言は、日銀が金融緩和の正常化に向けて大規模緩和の修正に動き出す兆しではないかとの観測をよんだ。しかし黒田はその後、リバーサル・レートへの言及は学術的分析を取り上げただけであるとして、当面、大規模な金融緩和を続ける姿勢を打ち出している。
[矢野 武]2018年7月20日

©SHOGAKUKAN Inc.

    ほかのサンプルを見る

ジャパンナレッジLib

大学・法人向け

  • ジャパンナレッジLib とは
  • JKBooks とは
  • Lib と JKBooks の統合について
  • 連携サービス
  • 新規契約のご案内
  • 利用料金
  • 会員規約
  • 各種資料/申込書
ジャパンナレッジPersonal

個人向け

  • ジャパンナレッジPersonal
  • 新規入会はこちら
  • 会費・お支払い方法について
  • コース変更・退会について
  • 使い方
  • 推奨環境
  • 会員規約
ジャパンナレッジSchool

中学・高校生向け

  • ジャパンナレッジSchool
  • 事例紹介
  • よくあるご質問
  • 推奨環境
  • 会員規約

読み物・イベント

  • 知識の泉
  • ジャパンナレッジの本
  • イベントインフォメーション
  • イベントレポート
  • サンプルページ一覧
  • 利用者の声

関連サイトのご案内

  • 日本国語大辞典 第三版 
  • 日国友の会 
  • ことばのまど~小学館辞書編集室 
  • 大辞泉が選ぶ新語大賞 
  • 読書人 
株式会社ネットアドバンス
  • 推奨環境
  • プライバシーポリシー
  • 著作権について
  • リンクについて
  • 免責事項
  • 運営会社
  • アクセシビリティ対応
  • クッキーポリシー
  • Cookie設定
  • ABJマーク
  • ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す商標(登録番号 第10981000号)です。ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちらをご覧ください。AEBS 電子出版制作・流通協議会 https://aebs.or.jp/新しいウィンドウで開く
© 2001-2025 NetAdvance Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます
  • Twitter
  • Facebook