『新選漢和辞典』第八版 改訂のことば

私たちの日常生活は言葉から離れることはできない。それはとりもなおさず言葉をつづる文字の使用から離れることができないということでもある。日本語は、漢字とかなを中心につづられている。漢字を習得し、使いこなすことは、私たちがこの社会に生きるかぎり必須の能力として求められることである。私たちの先人は、千五百年にわたる長い時間をかけて漢字を学び、日本語をより適切に表現できるように努力してきた。こうした恩恵を受けて私たちは、漢字が異国生まれの文字であることを忘れて、漢字を使って日本語を書き記すことができるのである。

漢字が中国に誕生して四千年、その間に字体は変化し、意味・用法も大きく発展したばかりでなく、さらに日本に伝わってからの意味・用法も加わっている。漢字一字一字にこめられたこうした長い歴史を、漢和辞典は簡明に示すことが求められている。それと同時に、現在の情報社会での基本工具として漢字が果たしている役割に対応することも求められている。本辞典のような小さなスペースでこのように多様な要求にこたえることは至難のわざである。私たちはこうした要請にこたえるために最大の努力を払い、別項に記すような「改訂の要点」に重点を置いて改訂作業を進めた。

今回の改訂では多くの方々の協力を得ることができた。本辞典にこれまでにまして、いささかの見るべき点があるとすれば、それはこれらの方々の献身的な助力のおかげである。また今回の改訂においても、小学館の編集の方々の常時周到な用意があった。この点に対しても心からの謝意を記す次第である。

幸いにして、これまでと同じように本改訂版が多くの方々のご支持を得て、広く用いられるならば、この上ない喜びである。

平成二十二年十二月
編者しるす
  • 〈改訂の要点〉
    1. 平成二十二年十一月に改定された「常用漢字表」に対応させた。
    2. JIS第一水準漢字~第四水準漢字と、JIS補助漢字を網羅するため、親字を約三千字追加した。
    3. 中国で最初に漢字を体系化した字書『説文解字せつもんかいじ』(後漢・許慎きょしん著)をはじめとする多くの字書・漢字資料を用いて、異体字の字体・種類を整理した。
    4. 熟語を漢文読解の視点から、全面的に見直した、等々。

    〈第八版 執筆協力者〉

      内山直樹・浦山きか・大橋賢一・陶山知穂・田中理恵・根政子
      樋口泰裕・増野弘幸・松村茂樹・渡辺 大

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