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  11. ヘーゲル哲学

ヘーゲル哲学

ジャパンナレッジで閲覧できる『ヘーゲル哲学』の文庫クセジュ・日本大百科全書のサンプルページ

文庫クセジュ ベストセレクション

緒論 > 一 はじめに
ヘーゲル哲学6 / 193
文庫クセジュ542 ルネ・セロー / 高橋 允昭
哲学・心理学・宗教
緒論
 はじめに
 かつて、ヘーゲルは近代のアリストテレスであると言われた。じじつ彼の学説は、かつてひとりの哲学者によって構想された哲学体系のなかで、最も完結したものであり、そしておそらく最も深遠なものであろう。それは知の諸領域を一つのこらず網羅し、その弁証法によって人間的経験のきわめて多岐にわたる種々相を再構成し、こうしていかなる神秘的な残余をも、いかなる隠れた内面性をも、知によって把握できないいかなる超越性の存続をも、もはや許そうとしない。
 そのため、ヘーゲル哲学は近づきにくい哲学である。にもかかわらず、それは十九世紀において多大の影響を与えたし、長期にわたる名声の失墜ののち、現代思想のさまざまな流れと、しかも往々にしてたがいに鋭く対立する流れと結びついて、今日ふたたび前景に立ち戻っている。
 私はヘーゲルの全学説を知らせようなどというつもりは毛頭ないし、彼の諸著作をかいつまんで約説しようという意図さえもっていない。ヘーゲル哲学の特徴をなす最も本質的な諸テーマ、ヘーゲル哲学が過去において及ぼし、そして今日なお及ぼしつつある影響を説明してくれるような最も本質的な諸テーマ、そういった諸テーマをできるかぎり明瞭な形で明るみに出すこと ―― これが私の望みである。私はヘーゲル哲学をつねに生きている哲学とみなし、こうして彼のもろもろの教説を、それらが影響を与えたまさにその順序に従って、提示することにもっぱら意を注ごうと思うので、ヘーゲルの思想の歴史的展開を度外視するつもりである。それゆえ、このように彼の諸著作の年代順を逆にして、まずはじめに、『論理学』や『エンチュクロペディー』に述べられている形での体系の研究から始めようと思う。なぜかといえば、これが前世紀に知られていた彼の仕事の唯一の相貌であったし、今日でもやはりいぜんとして ―― 私の見るところでは ―― 彼の仕事の最もしっかりと確定した土台だからである。『現象学』については、最後の章ではじめて触れることになるだろう。それというのも、ヘーゲルの最初の大作であるこの著作は、今日、格別の意味におけるヘーゲルの著作、つまり現代思想のなかで最も傾聴者の多い諸流派に最もよく呼応する著作だからである。これら二つの部分〔最初の章と最後の章〕の中間で、ヘーゲルの宗教哲学と政治理論にかなり多くの紙数が割かれることになろう。なにしろ、かつてヘーゲル学派の分裂を見たのは、これら二方面の問題をめぐってのことであった。すなわち、ヘーゲル哲学を目して、或る者はキリスト教の最も深い解釈とみなし、他の者は無神論的ヒューマニズムの最も確かな基盤と考え、また或る者は汎ゲルマン主義の源泉と解し、他の者はマルクス主義の根源と見る、といった具合に、きわめて区々たる思想傾向が、それらの問題をめぐって出てきたのである。私は、ヘーゲル哲学に先行する哲学者たちについての研究から始めるが、そのめざすところは、単にヘーゲルを学説史のなかに位置づけようということにのみあるのではない。とりわけそれはまた、ヘーゲルよりも近づきやすいという理由でもっとよく知られている哲学者たちに、ヘーゲルを結びつけると同時に対置し、こうしてヘーゲルをいっそうよく理解してもらうためでもある。それというのも、ヘーゲルが古代および近代の大思想家たちのうちから何を自分の学説のなかに保存し、何を放棄したかを示すならば、彼の体系を支えているもろもろの基盤が、彼に先行する大哲学者たちのあいだから、あたかも継起的な修正を施されるようにして、くっきりと浮かびあがり、こうして読者はそうした基盤をきわめて明確に把握できるからである。
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ヘーゲル哲学の基本概念
へーげるてつがくのきほんがいねん

定有 (ていゆう)・定在 (ていざい)・定存在 (ていそんざい)
 いずれも原語はDaseinで、「規定された存在、質をもつ存在」の意。ヘーゲル以外の哲学者の用語としては「現存在」と訳されるが、それは「現に目の前に現れている」というところに強調点があるからである。ヘーゲルでは「一定の具体的な実在物」のこと。たとえば「食塩」「酸素」「農民」「所有物」など。定有は質を身につけている。すなわち、他のものとの差異、性質上の限界、制限を自分の性質としてもっている。定有は、限界を身の周辺につけている(an ihm)だけではなくて、限界を自分の核心に(in sich)体して(an sich)いる。しかし限界という規定はその定有の否定である。ゆえに定有とは、自己の否定を自己の内に含む存在である。また、定有は本性の現れ、示現、権化、托身 (たくしん)、受肉である。たとえば、私の所有物は私の所有権の定有である。国家は自由の定有である。

自己内反省 (じこないはんせい) Reflexion in sich
 他者・外部に向かっていた関係が反射し、折れ曲がって自分の内に返り、自己関係を成立させて、自己を独立・単独の自立した存在、すなわち対自存在Fürsichseinとすること。意識の場合には、外部の対象に関係する態度から、志向・関心を内に向けて自己内に反省することで、外部対象にとらわれたあり方(対他存在)から、自立したあり方に転換する。物の場合、他の物との比較によって規定されたあり方から、内在的な性質を担う自立体としてとらえられるに至ること。

客観精神 (きゃっかんせいしん) objektiver Geist
 かならずしも自覚されてはいないが、文化、制度、習慣のなかに実現されている精神。たとえば、盗みを否定する文化には、所有権という精神が実現されているが、「所有権の擁護は正義である」と自覚されているとは限らない。

市民社会 (しみんしゃかい) bürgerliche Gesellschaft
 自由な市場経済活動の営まれる分業化された社会を、家族からも国家からも明確に区別して術語化したのはヘーゲルの歴史的功績である。マルクスの場合には、同じことばが「ブルジョア社会」と訳され、歴史の一段階としてとらえられるが、ヘーゲルでは、あらゆる歴史社会の構造として「市民社会」が組み込まれている。分業は欲望を抽象化する。靴屋にとって靴は「使用すべきもの」ではない。交換を媒介としなければ欲望は現実化されない。しかし、交換は他人の所有権の相互承認の社会的な現実化であり、交換は権利・法という理念を生み出すので、一面で市民社会は国家の根底であるが、市民の自由な利益追求は国家の精神的な統合を破壊する。市民社会が家族とともに人倫性の契機として有機的全体に組み込まれなければならない。

契機 (けいき) Moment
 多面的な要素から構成される実在の一側面。たとえば「消費」は商品交換の契機である。消費という要素だけでは交換は成り立たないが、消費という契機なしにも交換は成り立たない。もともとは力学の「モーメント」の概念からとられた概念で、たとえば、梃子 (てこ)やさお秤 (ばかり)では、重力を支える力の分力がさおの長さで表現される。このとき実在の全体性に対して、契機の一面性・抽象性を「観念性」とよぶ。有限なもの、一面的なものの観念性を認識することが「観念論」の立場である。

正 (せい)・反 (はん)・合 (ごう) These, Antithese, Synthese
 「正立・反立・総合」を略して「正・反・合」とよぶ。たとえば「存在・無・生成」において、生成は存在(正)と無(反)の対立を克服し、高め、その両契機を保存する、すなわち止揚する「合」の段階である。この概念は本来ヘーゲルのテキストには存在しないもので、フィヒテの概念をヘーゲル哲学の説明に援用したものにすぎないが、非常に多くの用語辞典ではヘーゲル自身が用いた概念であるかのように誤って伝えられている。〈正・反・合〉
止揚 (しよう) Aufheben
 「揚棄 (ようき)」とも訳される。否定・保存・高揚という三義を含む。ヘーゲルはこの三義を三位 (さんみ)一体とみなし、弁証法の根本要素とした。〈止揚〉

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検索コンテンツ
1. ヘーゲル哲学
文庫クセジュ
ないだろう。本書は、へーゲルがどう読まれ、どう影響を与えてきたかを、年代順にたどりながら、ヘーゲル哲学の本質的な諸テーマを平易に解説する。
2. ヘーゲル哲学の基本概念
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すなわち止揚する「合」の段階である。この概念は本来ヘーゲルのテキストには存在しないもので、フィヒテの概念をヘーゲル哲学の説明に援用したものにすぎないが、非常に多
3. りん【賀麟】(Hè Lín
世界人名大辞典
〔1902.9.20~92.9.23〕中国の哲学者,ヘーゲル研究者.四川金堂の人.清華学校入学[1919].《清華周刊》総編輯[25].卒業後アメリカに留学[2
4. とうせん【傅統先】(Fù Tǒngxiān
世界人名大辞典
〔1910~85.3.2〕中国ムスリムの歴史学者,教育家.湖南常徳の生まれ.《中国回教史▼, 1940》の著者として有名.高級中学時代には,上海小桃園清真寺に寄
5. アクサーコフ(Konstantin Sergeevich Aksakov)
日本大百科全書
子、イワン・アクサーコフの兄。モスクワ大学卒業後、思想家スタンケービチのサークルに加わり、ヘーゲル哲学を学んだ。1840~1850年代には、スラブ主義の論客とし
6. アクサーコフ コンスタンチン・セルゲーヴィチ
世界文学大事典
作家セルゲイ・アクサーコフの長男。1830年代半ばスタンケーヴィチのサークルに参加,右派の立場からヘーゲル哲学を学ぶ。1840~50年代にはスラヴ派の論客となり
7. アナーキズム 28ページ
文庫クセジュ
『L・フォイエルバハとドイツ古典哲学の終結』〔一八八四〕のなかで、フリードリヒ・エンゲルスは、ヘーゲル哲学が論理的に史的唯物論と弁証法的唯物論に帰着することを、
8. アナーキズム 67ページ
文庫クセジュ
く、秩序の母である。この豊かな思想の引き立て役となっているのは、かつてプルードンが研究したヘーゲル哲学である。  実際には、ヘーゲルの弁証法とプルードンの弁証法
9. アナーキズム 72ページ
文庫クセジュ
砲兵士官に任官、それから数か月後に彼はモスクワへ出て、その地であらゆる学問研究に没頭(彼がはじめてヘーゲル哲学に接するのは、まさにこの時期である)、くわえて放浪
10. アナーキズム 81ページ
文庫クセジュ
心にアナーキズム的なテロルの思想を芽ばえさせているのは、バクーニンの扇動的な諸言動である。ヘーゲル哲学の奇妙にして、思いもかけぬ結果であろうか。バクーニンは、ヘ
11. 甘粕 石介
日本近代文学大事典
で活躍し、ヘーゲルやマルクスを論じてその芸術論、美学的原理の分析や紹介につとめた。主著に『ヘーゲル哲学への道』(昭9・10 清和書店)『芸術論』(昭10・5 三
12. アムラン(Octave Hamelin)
世界大百科事典
1856-1907 フランスの哲学者。ボルドー大学(1884),ソルボンヌ(1905)の教授を歴任。ヘーゲル哲学の影響をうけて,師のルヌービエのカント主義的立場
13. アルチュセール
日本大百科全書
アルジェリアに生まれ、パリのエコール・ノルマル・シュペリュール(高等師範学校)でバシュラールに就いてヘーゲル哲学を研究し、のち母校で哲学を講じる。マルクス主義に
14. イエス伝
世界大百科事典
めぐる論争に終止符を打ったのがD.F.シュトラウスの《イエス伝》(1835-36)である。シュトラウスはヘーゲル哲学から出発して福音書批判へと向かい,合理的説明
15. イギリス・ヘーゲル学派
日本大百科全書
e Idealismとよばれることもある。経験論や功利主義の伝統が強いイギリスにおいては、ヘーゲル哲学はドイツ思弁哲学の狂気を示す代表例としてみなされていたが、
16. イポリット
日本大百科全書
フランスの哲学者。ジョンザックに生まれる。1963年以降コレージュ・ド・フランスの教授。ヘーゲル哲学の研究に打ち込み、『精神現象学』のフランス語訳ならびに精細な
17. ウォレス(Wallace, William
世界人名大辞典
〔1843.5.11~97.2.18〕イギリスの哲学者.ファイフシャーに生まれ,セント・アンドリューズ大学に学ぶ[1859-64].T.H.グリーンの後任として
18. ウナムノ ミゲル・デ
世界文学大事典
ロス=リオスのクラウゼ哲学で二分されていた。内在論,コントの実証主義,スペンサーの進化論,ヘーゲル哲学などを学び,科学万能主義から,信仰を失う。84年,ビルバオ
19. 梯 明秀
日本近代文学大事典
。マルクス主義の立場からの経済哲学確立に努力し、『戦後精神の探究』(昭24・9 理論社)『ヘーゲル哲学と資本論』(昭34・11 未来社)『経済哲学原理』(昭37
20. かしやま-きんしろう【樫山欽四郎】
日本人名大辞典
明治40年5月1日生まれ。樫山純三の弟。昭和24年母校早大の教授となる。近世ドイツ哲学,とくにヘーゲル哲学を研究し,のち実存哲学を研究対象とした。ヤスパース協会
21. 加藤尚武
日本大百科全書
ヘーゲルのテキストのデータベース化というアイディアにつながる。1980年ヘーゲル研究をまとめた『ヘーゲル哲学の形成と原理』を上梓(じょうし)するが、そのもとにな
22. ガブラー(Gabler, Georg Andreas
世界人名大辞典
〔1786.7.30~1853.9.13〕ドイツの哲学者.アルトドルフおよびイェナ[1804-07]で法学,哲学を修める.イェナではヘーゲルの下で学び,ギムナジ
23. キアケゴー セーレン
世界文学大事典
の危機や病患について無知なばかりか,それを助長する方向で展開されるとき,時代精神を主導するヘーゲル哲学もしくはヘーゲル主義との対決が必至と痛感された(『哲学的断
24. 機能的国家論
日本大百科全書
ギリスのような先進民主主義国にも現れ、ボーズンキットらによって国家の個人に対する優位を説くヘーゲル哲学が国家理論のなかに導入された。 これに対し、多元的国家論者
25. きよざわまんし【清沢満之】
国史大辞典
した。同期に岡田良平、一年下に沢柳政太郎らがおり、成績は首席であった。在学中フェノロサからヘーゲル哲学をきいた。予備門を卒業し、東京大学文学部哲学科に入学し、褒
26. キリスト教思想 109ページ
文庫クセジュ
ペペルザック『若きヘーゲルと世界の道徳的展望』(ハーグ、ナイホフ社、一九六〇年刊)、R・セロー『ヘーゲルとヘーゲル哲学』(クセジュ文庫、一九六八年刊)参照。(原
27. キリスト教思想 111ページ
文庫クセジュ
あばく「天才的証明」の作用をはたした。彼によって「宗教批判は実質的になしとげられた」のである(『ヘーゲル哲学批判への貢献』)。この領域では、マルクスはフォイエル
28. キリスト教思想 112ページ
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 ヘーゲル哲学の大きな問題に客体化の問題があるが、フォイエルバッハが批判を加えたのはこの問題にほかならない。ヘーゲルにとって、まず「精神」が物質のなかに自己を疎
29. キリスト教思想 170ページ
文庫クセジュ
寄与を求めてきたからである。新プラトン哲学、アリストテレス哲学、デカルト哲学、カント哲学、ヘーゲル哲学、等々。したがって現代の危機も哲学思想の危機と無縁のもので
30. キリスト教思想 179ページ
文庫クセジュ
である。だが、たとえば教父神学がギリシア思想を統合しつつ形成されてゆく過程や、近代においてヘーゲル哲学がたどるキリスト教思弁の破綻の記述などに、思想史のもつ劇的
31. キルケゴール 12ページ
文庫クセジュ
端緒をひらいたのであった。そしてこの結末はというに、キルケゴールは、まず「ハイベルク教授はヘーゲル哲学を理解するのに早起きした」といって話題にすると、そのあとで
32. キルケゴール 32ページ
文庫クセジュ
刊行していて、そのなかで彼はキリストの啓示を体験したと断言しているが、それによるとキリストは、ヘーゲル哲学についての彼の著作を焼却するよう命じたという。彼は、一
33. クラシンスキ(Zygmunt Krasiński)
世界大百科事典
)では形而上・形而下の混然とした独特な世界の中に革命によって滅亡する伝統世界の悲劇を描く。ヘーゲル哲学,また当時の神秘思想や宗教的歴史解釈の影響が強くみられる。
34. クラシンスキ ジグムント
世界文学大事典
奪われたギリシャ人の主人公の運命をポーランド人の受難と重ね合わせた作品である。クラシンスキはヘーゲル哲学の影響下に宗教的な歴史解釈へ傾斜してゆき,『夜明け前』P
35. クレメル(Kremer, Józef
世界人名大辞典
の他,ドイツ,フランスでも学び,クラクフ大学教授[1847-].同大学総長[70-71].ヘーゲル哲学の強い影響をうけ,哲学
36. グラノフスキー チモフェイ・ニコラエヴィチ
世界文学大事典
西欧派の論客の一人。貴族出身。1835年ペテルブルグ大学法学部卒業。36~39年ベルリンに留学。ヘーゲル哲学を勉強。39年帰国しモスクワ大学の世界史担当。西欧派
37. グラノーフスキー
日本大百科全書
歴史学の研究を志してドイツに留学、ランケらの講義を聴いた。この時期、スタンケービチの影響下にヘーゲル哲学に接する。帰国後はモスクワ大学教授としてヨーロッパ史を講
38. ケアード(Caird, John
世界人名大辞典
〔1820.12.15~98.7.30〕イギリスの神学者,哲学者.グリーンノックに生まれる.E.ケアードの兄.グラスゴー大学に学び,牧師として活動[1845-]
39. 契機
日本大百科全書
あるいはその一局面のことを意味することもある。実際、すべての事象を生成発展の相としてとらえていこうとするヘーゲル哲学においては、この意味で使われている。清水義夫
40. 経験論
日本大百科全書
にかけて、ヘーゲル的観念論にとってかわられ、下火になるという倒錯した現象がみられた。だが、ヘーゲル哲学を頂点とするドイツ観念論の崩壊とともに、反動としての唯物論
41. 経済学方法論
日本大百科全書
である。思考の最高形式としての弁証法を体系づけたのはG・W・F・ヘーゲルであった。しかし、ヘーゲル哲学は観念論であったため、物質を一次的なものと考える唯物論の立
42. ゲルツェン(Aleksandr Ivanovich Gertsen)
世界大百科事典
スの社会主義思想に傾倒した。34年反政府的言動のかどで逮捕・流刑。39年にモスクワに帰還,ヘーゲル哲学の保守的解釈を奉ずるスタンケービチのサークルの人々と論争し
43. ゲルツェン(Gertsen, Aleksandr Ivanovich
世界人名大辞典
〔1812.3.25~70.1.9〕帝政ロシアの革命的民主主義者,思想家.富裕な地主ヤーコヴレフ(Ivan Alekseevich Yakovlev 1767~
44. 現象
日本大百科全書
ヘーゲルにおいて現象こそが本質を示すのであり、すべての本質は現象する。絶対者自身が現象することがヘーゲル哲学の根本をなしている。(6)現象学における現象。ハイデ
45. 国家
世界大百科事典
に著しくゆがめられた形で,ナチズムやファシズムの国家観に現れたが,しかしそこでは少なくともヘーゲル哲学の合理性は完全に排除され,国家一元論は著しく非合理的かつ神
46. コーラー
日本大百科全書
hichte(1914)を書いた。学問方法論上コーラーは自ら新ヘーゲル派を称したが、彼にはヘーゲル哲学に本質的な弁証法がなかった。しかし、比較民族学的手法によっ
47. サマーリン(Samarin, Yury Fyodorovich
世界人名大辞典
〔1819.4.21~76.3.19〕ロシアの哲学者.モスクワ大学に学び,ヘーゲル哲学に影響を受ける.内務官僚としてバルト海地方に着任,バルト・ドイツ人とロシア
48. シェリング(Friedrich Wilhelm Joseph Schelling)
日本大百科全書
ここに、「自然哲学」がキリスト教における救済史をも包摂することによって、「積極哲学」が成立する。ヘーゲル哲学への批判を含む「積極哲学」とは、いっさいが神そのもの
49. シトゥール リュドヴィート
世界文学大事典
の民族運動を指導した。38年から2年間ドイツのハレの大学に留学して言語学と歴史を学び,特にヘーゲル哲学の影響を受けた。帰国後も民族啓蒙活動を続けたが,ハンガリー
50. 社会思想
世界大百科事典
協同生活をおこなう実験村を開設する。彼は社会主義思想の出発点を築いたのである。ドイツでは,ヘーゲル哲学から出発したマルクスが古典派の経済学を研究して労働の疎外構
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