あうら【蹠・足裏】
読者カード 項目 2016年09月21日 公開
用例: | 二人の間にはガラスのかけらがうざうざするほど積まれていて、脚を踏み入れると、それが磁石(じしやく)に吸いつく鉄屑(てつくず)のように蹠(あうら)にささりこんだようでもある。 |
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『星座』 昭和46年9月20日 有島武郎 | |
語釈: | 〔名〕「あしうら(足裏・蹠)」に同じ。 |
コメント:俳句や短歌でよく見る語で、『俳句用語辞典 新版』11頁(飯塚書店,2005)、『短歌用語辞典』12頁(飯塚書店,1993)、『詳解俳句古語辞典』1頁(学習研究社,2005)での立項を確認しています。
編集部:1922年に刊行された初版の叢文閣版『有島武郎著作集. 第14輯 (星座 第1巻)』を国会図書館のデジタルコレクションで確かめると、「脚を踏み入れると、それが磁石に吸ひつく鐵屑のやうに蹠にささり込んだやうでもある」(77ページ、7行目)とあり、原ルビが付いていませんね。引用された集英社の『日本文学全集25 有島武郎集』第4版のルビは校訂者ルビと考えられるので、少なくとも初版が刊行された当時の読みの例とはしにくいですね。確例でどこまでさかのぼれるでしょうか。ちなみに、同音異義の「あうら(足占)」(←「あしうら(足占)」)にはヘボンの和英語林集成の例か添えられています。
著書・作品名:星座
媒体形式:単行本
刊行年(月日):昭和46年9月20日
著者・作者:有島武郎
掲載ページなど:248ページ〔『日本文学全集25 有島武郎集』第4版、1971〕
発行元:集英社