ひとり‐ご・つ【独言】
読者カード 語釈 2018年05月14日 公開
用例: | 「をちかた人にもの申す」と独りごちたまふを、御随身ついゐて、「かの白く咲けるをなむ、夕顔と申しはべる。花の名は人めきて、かうあやしき垣根になん咲きはべりける」と申す。〈夕顔〉 |
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『源氏物語』 1001-14頃年 紫式部 | |
語釈: | つぶやく |
コメント:相手がいて別の者へ伝えるために(ほぼ命令として)発言し、しかもその内容が従者の発言として示されるこの用例は見すごせないと思う
編集部:第2版の語釈は〈(名詞「ひとりごと(独言)」の動詞化)ひとりごとを言う。〉とありますが、この用例は『角川古語大辞典』にも引かれていて、その語釈には〈「ひとりごと」の動詞化。独り言を言う。聞き手がいないとき、また聞かせるつもりがなくて、詩歌を誦し、口に出して歌を詠むことにいう〉とあります。
著書・作品名:源氏物語
媒体形式:単行本
刊行年(月日):1001-14頃年
著者・作者:紫式部
掲載ページなど:136頁〔『源氏物語』1(新編日本古典文学全集20)、1994〕
発行元:小学館