たんちょう【丹頂】
読者カード 用例 2020年03月25日 公開
用例: | 〔三・松竹〈藤原広業〉〕 霜毛丹頂之禽、翅栖綠林之夕。驊騮騄駬之馬、蹄踏玄池之春。 |
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『本朝文粋』 1060頃年 藤原明衡 | |
語釈: | 〔名〕ツル科の鳥。日本産ツル類のうち最も大きく、全長一三〇~一四〇センチメートル、翼開張二二〇~二五〇センチメートル。あしとくちばしが長い。体は純白で、頭頂は裸出して赤く、額と目先は黒色。のどから首の背面にかけて暗石板色を帯びる。尾羽は白色だが風切り羽の一部が長くて黒いので黒い尾羽をもつようにみえる。湿地の草原でドジョウ・昆虫・草などを食べる。中国北部などで繁殖し、冬、朝鮮半島・日本などに渡る。しかし現在では、日本に渡来するのはごくまれで、特別天然記念物に指定されている北海道の釧路川・雪裡(せつり)川流域に留鳥として一年中生息する。姿が美しいことでよく知られ、単にツルともいう。丹頂の鶴。たんちょうづる。学名はGrus japonensis 《季・秋‐冬》 |
コメント:
編集部:第2版では、『詩序集』(1133頃)の例が早く、漢籍は朱慶余『台州鄭員外郡斎双鶴詩』が引かれています。
著書・作品名:本朝文粋
媒体形式:その他
刊行年(月日):1060頃年
著者・作者:藤原明衡
掲載ページなど:172ページ上段後ろから4行目〔『新日本古典文学大系27』、1992〕
発行元:岩波書店