日国友の会

おがさわらじま【小笠原島】

読者カード 用例 2024年07月16日 公開

2019年12月23日 あの草さん投稿

用例:無人島一名小笠原島
『新訂万国全図』 1810年 高橋景保
語釈:「おがさわらしょとう(小笠原諸島)」に同じ。

コメント:シーボルト事件で獄死した幕府天文方、高橋景保の地図。英国の海図情報を盛り込んでいるとして、上記図書に京都大学総合博物館所蔵図を写真で紹介していました。「小笠原」の名称は18世紀初頭に現れた貞頼伝説起源で、幕府は吟味の末これを否定、申し出た小笠原宮内を重追放に処していますが、幕末に外交交渉目的で幕府がこの名称を採用した(復活させた)との見解があります。19世紀初頭段階で、幕府がすでに小笠原の名称を使用していた事実は、この見解に再考を求める証拠品と言えます。

編集部:第2版では、この語形では立項されませんでした。ちなみに、「小笠原諸島」の語釈は「東京都、伊豆諸島の南南東方の諸島。聟(むこ)島、父島、母島、硫黄(火山)の四列島と西之島、南鳥島、沖ノ鳥島などからなる。文祿二年(一五九三)小笠原貞頼の発見といわれ、明治八年(一八七五)日本に帰属。第二次世界大戦後アメリカに施政権が移ったが、昭和四三年(一九六八)返還。小笠原」となっています。

著書・作品名:新訂万国全図

媒体形式:その他

刊行年(月日):1810年

著者・作者:高橋景保

掲載ページなど:p99-101〔京都大学大学院文学研究科地理学教室・京都大学金田章裕・上杉和央執筆『地図出版の四百年ー京都・日本・世界ー』2007年〕

発行元:ナカニシヤ出版