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パースペクティブ

読者カード 用例 2020年07月08日 公開

2020年05月15日 monoさん投稿

用例:俺の世界にはパースペクテイヴが開けてゐるのみで、俺は決して俺の求めてゐるものを現在獲得してゐるとは宣言しなかつた。(三太郎の日記 第參)
『合本 三太郎の日記』 1918年 阿部次郎
語釈:〔名〕(英 perspective)《パースペクチーブ・パースペクチブ》(3)将来を見通すこと。全体の展望。

コメント:語釈3だと思うので、既投稿のものよりもさかのぼります。(語釈4かもしれませんが、語釈4でもさかのぼります。)

編集部:2019年1月24日付けで、ねじり草さんに、片山敏彦『ゲエテと鴎外』(1934)の例をご紹介いただいていますが、さらに、16年さかのぼります。ちなみに、語釈4は「物の見方。視野」とありますが、意味の中心を物の見方とすれば、物の見方が開けているとは言いにくいこと、さらに、例文では「現在獲得している」に対する意味合いがあることを考えれば、3の「将来を見通すこと」と関係が深いと考えられます。いずれにしても、語釈をもう少し工夫する必要がありますね。

著書・作品名:合本 三太郎の日記

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1918年

著者・作者:阿部次郎

掲載ページなど:445ページ

発行元:岩波書店