日国友の会

そくてんきょし【則天去私】

読者カード 用例 2021年08月17日 公開

2020年12月05日 ubiAさん投稿

用例:則天去私に逹するにはどうも一度は則天則私の道を通らなければ駄目のやうな氣がする
〔大正九年(1920)三月二十一日〕
『小宮豐隆宛寺田寅彦書簡』 1920年3月21日 寺田寅彦
語釈:〔連語〕天にのっとって私心を捨てること。我執を捨てて自然に身をゆだねること。晩年の夏目漱石が理想とした心境で、「大正六年文章日記」の一月の扉に掲げてあることば。

コメント:第二版の用例(1930)よりさかのぼります。書簡末尾(三月廿一日)。

編集部:第2版では、瀬沼茂樹『心理文学の発展とその帰趨』(1930)の例が添えられていますが、さらに、10年さかのぼります。

著書・作品名:小宮豐隆宛寺田寅彦書簡

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1920年3月21日

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:271ページ本文3行目〔『寺田寅彦全集第十五巻』、一九五一年七月五日第一刷発行、一九八六年十月六日第二刷発行〕

発行元:岩波書店