日国友の会

えんかん【遠官】

読者カード 項目 2023年04月28日 公開

2022年03月28日 ubiAさん投稿

用例:視覺と聽覺は刺戟の源たる物體が遠距離にある時に旣に此れを知らせる點で吾人の生存に重大な役目を果す。かういふ性質から「遠官」と呼ばれて味覺や觸感の如く物體が吾々と直接接觸する事によりて起る所謂「近官」と區別される。
『物理学序説』 1936年 寺田寅彦
語釈:〔名〕感覚器官のうち直接の接触がなく感じる感覚。視覚や聴覚など。

コメント:項目が載っていないようなので。括弧つきでの例ですが。「一九三六年の全集で初めて活字に起こされた。」(寺田寅彦全集第十巻 一九九七年九月五日発行 289ページ3行目)とあるので、(1936)としています。

編集部:第2版では、立項されませんでした。ちなみに、古典漢籍では、「地方の官吏」という意味で使われていますね。

著書・作品名:物理学序説

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1936年

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:69ページ本文9行目〔『寺田寅彦全集第九巻』、一九五一年二月五日第一刷発行、一九八六年四月四日第二刷発行〕

発行元:岩波書店