日国友の会

しりめ【尻目】

読者カード 用例 2024年08月16日 公開

2024年07月05日 makuneさん投稿

用例:予は曾て或宴會で酒中毒の話をして居つたが傍に居る酌婦が此お酒の中にはアルコールなぞは這入つては居りませんよと、ひどく予を尻目(シリメ)に睨んだ、〔第二章 六 中毒性性格〕
『變り者 一名・通俗精神病的性格論及其養生』 1912年6月28日 榊保三郎
語釈:〔名〕(1)自分の横にあるものなどを、顔を向けずに目だけを動かして見ること。また、その見方。横目。流し目。

コメント:第二版の用例より古い。

編集部:「2 (「…をしりめに」の形で)ちらっと見るだけで構わずに事を行なうこと」の例としてご投稿いただきましたが、ご紹介いただいた例は「尻目に睨んだ」とあるところから、尻目にして構わず別の行動をとるのではなく、「睨む」仕方を言っており、上記(1)の例であると考えられます。やはり(1)の近代例として掲げられている芥川龍之介『玄鶴山房』(1927)も「尻目に窺ったり」とあります。

著書・作品名:變り者 一名・通俗精神病的性格論及其養生

媒体形式:その他

刊行年(月日):1912年6月28日

著者・作者:榊保三郎

掲載ページなど:160ページ8行目

発行元:実業之日本社