かもがねぎをしょってくる【鴨が葱を背負って来る】
読者カード 用例 2024年12月01日 公開
用例: | 活動写真の仕事は兎に角それで一段落ついたが、その後も同じ隙間だらけの気持で銀座辺りの酒場やカフェーをぶらぶらと鴨が葱を背負つて歩き廻つてゐたから、今度は前より更に性の悪い連中につかまつた。 |
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『菰野』 1934年 志賀直哉 | |
語釈: | 鴨の肉に葱まで添えてあり、すぐに鴨なべが食べられるというところから、おひとよしが利益になるものを持ってくることなどにいう。 |
コメント:語形はやや異なりますが、例ないので。初出は『改造』第16巻第4号、1934年とあります。
編集部:第2版では、用例を添えることができませんでした。見出し語形を「鴨が葱を背負う」という形にして、「やってくる」「くる」「あるいてくる」「あるきまわる」などのバリエーションも踏まえた語釈にしたほうがあるいはわかりやすいかもしれませんね。
著書・作品名:菰野
媒体形式:単行本
刊行年(月日):1934年
著者・作者:志賀直哉
掲載ページなど:264ページ7行目〔『志賀直哉全集 第五巻』、1938〕
発行元:改造社