日国友の会

ズルフォンざい【─剤】

読者カード 用例 2003年02月26日 公開

2003年02月14日 末広鉄男さん投稿

用例:スルフォン剤とペニシリンができてから、肺炎を一日で解熱させることが可能になりました
『赤ん坊の科学』 1949年 松田道雄
語釈:〔名〕(ズルフォンはドイツSulfon)「サルファざい(─剤)」に同じ。

コメント:少し遡る異形の用例です。原語が異なるのでしようか。

編集部:第2版では、「ズルフォン」に堀田善衛『記念碑』(1955)が付きました。それよりも6年ほどさかのぼります。語形「スルフォン」については、原語はドイツ語でそれが英語を経由して日本に伝わったものと思われます(『ランダムハウス英和大辞典』小学館)。英語の原音をそのまま写し取れば「サルフォン」とでもなるべきところ、学術用語としては、原音ではなく原語のつづりが機械的に仮名書きに写されるような「字訳」する原則があるので「スルフォン」になったと考えられます。

著書・作品名:赤ん坊の科学

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1949年

著者・作者:松田道雄

掲載ページなど:120

発行元:創元社