JKボイス お客様の声知識の泉へ
ジャパンナレッジを実際にご利用いただいているユーザーの方々に、その魅力や活用法をお聞きしました。
先端を行くナレッジピープルによる数々のジャパンナレッジ活用術の中に、あなたの知識探索生活をさらに豊かにするヒントが隠されているかも知れません。法人のお客さまの導入事例としても、興味深いエピソードが盛りだくさんです。
2002年11月

JKボイス-私はこう使っています:ジャパンナレッジ 最後に頼りになるのは辞事典です

奈良 巧さん
(ならたくみ)
「サライ」編集部デスク
 「言葉はジャパンナレッジなど、ネット上の辞事典で調べます。書籍の辞事典はほとんど使いません」。「サライ」編集部のデスク・奈良巧氏は、こう言い切る。10数年にわたって雑誌編集を手がけるベテラン編集者に、その活用術を語ってもらった

忙しいときこそジャパンナレッジ

 編集者の仕事は、記事の内容を企画し、原稿を書く「入稿」段階と、わかりにくい言葉や表現を直し、原稿を商品として完成させる「校了」段階に分かれます。このうち辞事典をよく使うのは校了です。この段階は本が世に出る最終関門だけに、編集者だけでなく、誤字脱字などを主に検査してくれる校正の担当者、副編集長、編集長のOKが必要です。だから、言葉の意味や地名の読み方を調べ直すことなど日常茶飯事。1ページ分のゲラを校了し終えるのに何時間もかかってしまうこともあります。ところが、困ったことに20ページ近くの校了作業が1日に集中する日も定期的にやってくるのです。もう辞典を探しに行く時間や、ページをめくって語句を探す手間すら惜しくなります。

 そんなときこそ「ジャパンナレッジ」はありがたい。キーボードで言葉を叩き込めばいいわけですから。それと、一度に複数の辞事典を調べられる点も重宝します。たとえば「猪独活(ししうど)」という言葉を「ワンルック」で検索すると、11冊分の辞書の解説が表示されます。そのうち『日本大百科全書』では「本属の一種が強心剤として死者をよみがえらすほど著しい効果がある」ということまで説明してあります。こんな情報があれば、原稿の内容をふくらますことも容易にできます。

 何より、語句を書き入れさえすれば、読めない言葉や地名であっても検索できることがありがたいですね。普通の辞事典では、読めなくては調べることも難しいわけですから。

ネット情報と辞事典の知識の違い

 ところで、辞典を引いていて“疲れ”を感じるのは、調べても結局、載っていなかったというときではないでしょうか。たとえば「戸隠高原(とがくしこうげん・長野県戸隠村)」のような地名については、代表的な辞事典でも見出し語として掲載されているかどうか微妙です。実際、『大辞泉』でも「戸隠高原」という項目はありません。普通なら、改めて別の辞典や地図帳をめくるか、現地に電話取材しなければならないでしょう。ところが、全文検索がデフォルトのジャパンナレッジでは、「戸隠山」という項目がヒットします。高原に隣接するこの戸隠山を調べれば「標高一九〇四メートル。山麓の戸隠高原、戸隠神社で知られる」と、高原のことまで触れて説明してあるのです。「ジャパンナレッジ」では、こうした説明文にある言葉も拾ってくれるので、時間も労力もひどく節約できます。こうなると、なんだか言葉を検索すること自体が楽しくなってきますね。

 だからといって、校了作業がジャパンナレッジ一つで片付くわけではありません。「Yahoo!」検索なども活用します。そのほか取材先に確認の電話を入れることもあります。ただ、注意しなければならないのは、ネット上の情報には、“ウソ”が書かれていることもあるということです。また、取材先の人でも、必ずしも正確な名前やデータを教えてくれるとは言い切れません。やはり、最終的な確認は、信頼の置ける辞事典などに当たらなければならないのです。その点でも『大辞泉』や『日本大百科全書』などをネタ元にしている「ジャパンナレッジ」はありがたいです。

 そんなこんなで、今では、一日で30回ほどジャパンナレッジを使うこともあるほどのヘビーユーザーになってしまいました。もう、これなしでは校了を終えることも難しいでしょうね(笑)。