文学(文学/外国)
(しんとうしせん)
吉川幸次郎/三好達治
中国の詩は,世界の詩のなかでも最も美しいものの一つである.とりわけ唐代は,李白や杜甫をはじめとして,多くのすぐれた詩人が輩出した時代であった.中国の詩に親しもうとする若い世代のために,中国文学者と詩人の二人の著者が協力して,主要な唐詩の読解とその味わい方を懇切に説いた唐詩の世界への案内.
知識・情報科学(知識)
(ろんぶんのかきかた)
清水幾太郎
論文やリポートは,なかなか書けないものである.もとより「いかに考えるべきか」を離れて「いかに書くか」は存在しえない.著者は当代一流の文章家.その文体の明晰暢達はひろく知られている.読者は,著者の多年の執筆経験に即しながら文章というものの秘密を教えられ,文章構成の基本的ルールを興味深く学ぶことができよう.
哲学・心理学・宗教(思想)
(にほんのしそう)
丸山真男
現代日本の思想が当面する問題は何か.その日本的特質はどこにあり,何に由来するものなのか.日本人の内面生活における思想の入りこみかた,それらの相互関係を構造的な視角から追求していくことによって,新しい時代の思想を創造するために,いかなる方法意識が必要であるかを問う.日本の思想のありかたを浮き彫りにした文明論的考察.
自然科学(物理学)
(ぶつりがくはいかにつくられたか)
アインシュタイン/インフェルト/石原純訳
二十世紀を代表する物理学者であるアインシュタインとインフェルトが,専門的予備知識を持たない読者のために,現代物理学の全貌を平易に解説した万人のための入門書.数式を用いず,巧みな比喩と明快な叙述によって,ガリレイやニュートン以来の物理思想から相対性理論および量子論に説き及ぶ.
自然科学(物理学)
(ぶつりがくはいかにつくられたか)
アインシュタイン/インフェルト/石原純訳
二十世紀を代表する物理学者であるアインシュタインとインフェルトが,専門的予備知識を持たない読者のために,現代物理学の全貌を平易に解説した万人のための入門書.数式を用いず,巧みな比喩と明快な叙述によって,ガリレイやニュートン以来の物理思想から相対性理論および量子論に説き及ぶ.
知識・情報科学(知識)
(ちてきせいさんのぎじゅつ)
梅棹忠夫
学校では知識は教えるけれど知識の獲得のしかたはあまり教えてくれない.メモのとり方,カードの利用法,原稿の書き方など基本的技術の訓練不足が研究能力の低下をもたらすと考える著者は,長年にわたる模索の体験と共同討論の中から確信をえて,創造的な知的生産を行なうための実践的技術についての提案を試みる.
自然科学(数学)
(れいのはっけん すうじのおいたち)
吉田洋一
インドにおける零の発見は,人類文化史上に巨大な一歩をしるしたものといえる.その事実および背景から説き起こし,エジプト,ギリシャ,ローマなどにおける数を書き表わすためのさまざまな工夫,ソロバンや計算尺の意義にもふれながら,数学と計算法の発達の跡をきわめて平明に語った,数の世界への楽しい道案内書.
言語(外国語/英語)
(にほんじんのえいご)
マーク・ピーターセン
「冷凍庫に入れる」はput it in the freezerなのに「電子レンジに入れる」だとput it in my microwave ovenとなる.どういう論理や感覚がこの英語表現を支えているのか.著者が出会ってきた日本人の英語の問題点を糸口に,従来の文法理解から脱落しがちなポイントをユーモア溢れる例文で示しつつ,英語的発想の世界へ読者を誘う.
言語(日本語)
(にほんごれんしゅうちょう)
大野晋
どうすればよりよく読めて書けるようになるか.何に気をつけどんな姿勢で文章に向かえばよいのか.練習問題に答えながら,単語に敏感になる習練から始めて,文の組み立て,文章の展開,敬語の基本など,日本語の骨格を理解し技能をみがく.学生・社会人のために著者が60年の研究を傾けて語る日本語トレーニングの手順.
自然科学(科学)
(かがくのめかがくのこころ)
長谷川眞理子
膨大な量の科学的知識よりも,むしろ科学の基本にある考え方や意味についての確かな理解こそ,現代社会の私たちにとっては大切なことだろう.根っからの理科系でも文化系でもないと自称する生物学者が,クローン羊の誕生,ムシの子育て,イギリスでの見聞など,多彩な話題をおりまぜながら,科学と人間と社会について考えるエッセイ集.
社会科学(経済)
(しゃかいてききょうつうしほん)
宇沢弘文
ゆたかな経済生活を営み,すぐれた文化を展開し,人間的に魅力ある社会を安定的に維持する―このことを可能にする社会的装置が「社会的共通資本」である.その考え方や役割を,経済学史のなかの位置づけ,農業,都市,医療,教育といった具体的テーマに即して明示.混乱と混迷の現代を切り拓く展望を開いていく,著者の思索の結晶.
社会科学(経済)
(にんげんかいふくのけいざいがく)
神野直彦
好況時は過重労働,不況時はリストラ.私たちはまるで経済のために生きているかのようだ.これは本来の姿なのか? また,現在の閉塞状況は打開できるのか? いまこそ人間に従属する経済システムをつくるべき絶好の機会であり,閉塞打破のカギにもなる.人間社会,政治,経済の3者のあるべき形を提案する,斬新な経済社会論.
社会科学(社会)
(ゆたかさのじょうけん)
暉峻淑子
効率と競争の追求によって泥沼の不況から抜け出そうとする日本社会.だが,リストラ,失業,長時間労働,年金破綻など,暮らしの不安はますます募るばかりだ.子どもの世界も閉塞をきわめている.大好評の前著『豊かさとは何か』から14年.著者が取りくんできたNGO活動の経験をふまえて,真に豊かな社会とは何かを改めて考える.
歴史・地理(歴史/日本)
(せんごし)
中村政則
1945年8月15日の敗戦から60年.戦後を否定的にとらえる論調や歴史意識が強まり,いま戦後最大の岐路に立っている.戦後とはいったい何だったのか.戦争とグローバルな視点を重視する貫戦史という方法を用い,アジアとの関係や戦争の記憶の問題に留意しながら,戦後60年の歴史を総括する.
歴史・地理(歴史/外国)
(かんこくげんだいし)
文京洙
日本の植民地支配から解放されて60年.韓国の歩みは分断,戦争,独裁,軍事政権,民主化運動,そして経済破綻など日本では想像を絶するような波乱に満ちている.30年余りの歳月を隔てて起こった2つの悲劇――済州島4.3事件と光州事件を軸に,周縁からの視点を重視してダイナミックに描きだす.
社会科学(社会)
(せかいきょうわこくへ しほんねーしょんこっかをこえて)
柄谷行人
資本=ネーション=国家という結合体に覆われた現在の世界からは,それを超えるための理念も想像力も失われてしまった.資本制,ネーション,国家をそれぞれ3つの基礎的な交換様式から解明し,その結合体から抜け出す方法を「世界共和国」への道という形で探ってゆく.21世紀の世界を変える大胆な社会構想.
社会科学(社会)
(しゃかいがくにゅうもん にんげんとしゃかいのみらい)
見田宗介
「人間のつくる社会は,千年という単位の,巨きな曲り角にさしかかっている」──転換の時代にあって,社会学という学問は,いかに〈未来〉を構想しうるか.現代社会の絶望と希望を見すえ,その可能性をひらいてゆくための,探求の〈魂〉とは何か.分野の第一人者から初学者への講義として語られる,必読の1冊.
社会科学(社会)
(はんひんこん すべりだいしゃかいからのだっしゅつ)
湯浅誠
うっかり足をすべらせたら,すぐさまどん底の生活にまで転げ落ちてしまう.今の日本は,「すべり台社会」になっているのではないか.そんな社会にはノーを言おう.合言葉は「反貧困」だ.その現場で活動する著者が,貧困を自己責任とする風潮を批判し,誰もが人間らしく生ることのできる社会へ向けて,希望と課題を語る.
自然科学(生物学)
(たんぱくしつのいっしょう せいめいかつどうのぶたいうら)
永田和宏
ヒトの体には約60兆個の細胞があり,それぞれなんと80億個のタンパク質を持っているという.日頃意識はしなくとも,生命維持も,遺伝や病気も,私たちの日々の営みはほとんどがこのタンパク質に支えられている! 最先端の科学の現場から,細胞という極小宇宙で休みなく働きつづけている生命活動の主役たちの姿を伝える.
自然科学(物理学)
(うちゅうろんにゅうもん たんじょうからみらいへ)
佐藤勝彦
アインシュタイン以来約100年,137億年という宇宙の歴史が明らかになってきた.その研究史は逆転につぐ逆転の連続で,現在は暗黒エネルギーの支配という深く謎めいた状況にある.はたして謎は解けるのか? 日本を代表する研究者が理論と観測の最前線を展望し,宇宙と人類のはるかな未来を考察する.
社会科学(社会)
(きぼうのつくりかた)
玄田有史
希望は与えられるものではない,自分たちの手で見つけるものだ! でも,どうやって? 希望が持ちにくい時代に,どこから踏み出せばよいのだろう? 著者が出会った,たくさんの声に耳を澄ませて,希望をつくるヒントをさがし出す.「希望学」の成果を活かし,未来へと生きるすべての人たちに放つ,しなやかなメッセージ.
言語(日本語)
(ごかんとれーにんぐ にほんごのせんすをみがくごじゅうごだい)
中村明
〈正確〉なだけでは物足りない!「快調」「好調」「順調」,もっとも調子がいいのはどれ? 「過日」「先日」「この間」,どう使い分ける? 誰もが思いあたる,「些細」だけれど「瑣末」ではない日本語の感触の違いを,語感研究の第一人者が解説する.Q&A形式で楽しく読める,〈伝えたい思い〉を〈適切なことば〉で届けるための55のヒント.
社会科学(教育)
(だいがくとはなにか)
吉見俊哉
いま,大学はかつてない困難な時代にある.その危機は何に起因しているのか.これから大学はどの方向へ踏み出すべきなのか.知のメディアとしての大学を,中世ヨーロッパにおける誕生から,近代国家による再生,明治日本への移植と戦後の再編という歴史のなかで捉え直し,大学の理念を再定義する画期的論考.
哲学・心理学・宗教(心理学)
(こころとのう にんちかがくにゅうもん)
安西祐一郎
人間とは何か? 社会や環境の中で,何かを感じ,知り,考える心のはたらきとはどのような仕組みか? それは脳の中でどのようにできているのか? 20世紀半ば,情報という概念を軸にして芽吹いた認知科学は,人間の思考や言語などを解き明かし,社会性や創造性の核心に迫っている.その全体像を描く,またとない入門書.
芸術(美術)
(にっぽんのでざいん びいしきがつくるみらい)
原研哉
まさしく歴史的な転換点に立つ日本.大震災を経て,とりわけ経済・文化活動のあらゆる側面において根本的な変更をせまられる今,この国に必要な「資源」とは何か? マネーではなく,美を,幸福を,誇りを得るために,立ち戻るべきは「感受性」である──.つねに「ものづくり」の最先端をリードしてきた著者が,未来への構想を提示する.
社会科学(生活・生き方)
(しゅうしょくとはなにか まともなはたらきかたのじょうけん)
森岡孝二
「就職新氷河期」と言われる状況下,入学早々「就活」に振り回される学生たち.長く厳しい競争をくぐり抜けて晴れて正社員になっても働き過ぎ,過労が待っている.一方で非正規雇用の身には漏れなく貧困がついてくる…….理不尽極まりない近年の就職をめぐる若者の苦悩を克明に描き出し,その緊急改善を訴える.怒りと励ましの書.
歴史・地理(歴史/外国)
(よじじゅくごのちゅうごくし)
冨谷至
「温故知新」「風林火山」「臥薪嘗胆」「蛍雪之功」──どこかで目にしたことのある四字熟語の背景には,どんな歴史や思想があったのだろうか.『論語』や『史記』,諸子百家の思想に登場する四つの漢字を〈窓〉として古代中国を遠望すると,紆余曲折を経て,遠い時代や場所へと言葉や考え方が伝わる筋道が見えてくる.
哲学・心理学・宗教(思想)
(ろんごにゅうもん)
井波律子
大古典『論語』から,精選した百四十六条を味読する.その無類の面白さの中核は,孔子という人物にある.約二千五百年のはるかな時を超えて立ち上がる,臨場感あふれる弟子たちとの対話のなかに,不遇にあって大らかさを失わず,ときに笑い,怒り,慟哭し,明朗闊達な精神をもって生きぬいた孔子の,稀有の魅力を読みとく.
社会科学(政治)
(せいじてきしこう)
杉田敦
政治が混迷し不信感が高まっている今こそ,政治をどのように考え,いかに行動するかが問われているのではないか.決定・代表・討議・権力・自由・社会・限界・距離という八つのテーマに即して,政治という営みのもつ可能性と困難を根本から考えていく.私たちの常識的な見方や考え方に揺さぶりをかける刺激的な政治入門.
社会科学(社会)
(ざいにちがいこくじんだいさんぱん ほうのかべこころのみぞ)
田中宏
半世紀前にアジアからの留学生に出会い,その後,著者は,在日韓国・朝鮮人や留学生,労働者,難民などを取り囲む「壁」を打ち破るために尽力してきた.入管法の大幅「改正」,最新データを盛り込みながら,戦後補償,外国人学校など今も考えるべき問題についても語る.累計20万部のロングセラーの最新版.
社会科学(教育)
(せんせい)
池上彰編
「先生!」――〈この言葉から喚起されるエピソードを自由に書いてください〉.池上彰さんの呼びかけに,学校現場で教えている人,作家,医師,職人,タレントなど,各界で活躍の27名が答えた.いじめや暴力問題にゆれ,“上からの”教育制度改革が繰り返されているけれど,子どもと先生との関係は,かくも多様で,おもしろい!
文学(文学/日本)
(きゅうじゅうきゅうさいいちにちいちげん)
むのたけじ
「夜が朝を産む」「勝敗は結論ではない.そこからの出発だ」「首尾一貫,終始一貫.うぶ声もあの世行きもメデタイ.笑って死のうよ」…….99歳を目前にした現役ジャーナリストによる示唆に満ちた知恵のことば.日々の過ごし方から仕事への心構え,政治参加,さらには卒寿を越えての境地,男と女の機微まで,幅広く,深く語る.
自然科学(数学)
(さんすうてきしこうほう)
坪田耕三
じつは深い算数の世界.そこには,日々の生活や仕事にも活かせる,ものの見方・考え方の極意があふれている.複雑な問題を解きほぐす自由な発想力.アイデアを実現する豊かな創造力.「なぜ?」から生まれる知恵の泉へ,算数教育の第一人者が案内する.「数学は苦手だったけど,算数は好きだった」.そんな人に読んでほしい本.
芸術(美術)
(しごとどうらくしんぱん すたじおじぶりのげんば)
鈴木敏夫
「いつも現在進行形,面白いのは目の前のこと.」 好きなものを好きなように作りつづけ,アニメーション映画の最前線を駆け抜けてきたジブリ.そして2014年,高畑勲の14年ぶりの新作,宮崎駿の「引退宣言」を経て,世界のジブリ・プロデューサーが今,語ることとは? 『風の谷のナウシカ』から30年,増補を加えた決定版!【カラー口絵1丁】
社会科学(政治)
(しゅうだんてきじえいけんとあんぜんほしょう)
豊下楢彦/古関彰一
集団的自衛権の行使は,本当に日本の安全性を高めるのか――? 現実をみない机上の論理,現状分析のない提言,国際感覚の欠如が,「他国防衛」のための戦争へと日本を駆り立てている.安全保障と憲法論の第一人者が問いかける,日本の今.安全保障とは,憲法とは,集団的自衛権とは…….必読の一冊.
歴史・地理(世界史)
(にじっせいきのれきし)
木畑洋一
激動の時代とよばれる二〇世紀.それは差別と被差別,支配と被支配の構造が世界を覆い,暴力と戦争にみちた帝国主義の時代であった.アフリカの分割,植民地の拡大,二度の世界大戦,冷戦の激化,独立抵抗運動の広がり.帝国世界の形成から解体まで,「長い二〇世紀」という視角から,現代につながる歴史の大きな流れを描く.
哲学・心理学・宗教(哲学)
(てつがくのつかいかた)
鷲田清一
「答えがすぐには出ない,答えが複数ありうる,いや答えがあるかどうかもよくわからない」──そんな息苦しさを抱えた時代に,社会生活において,人生において,私たちは哲学をどう「使う」ことができるのか? 《初期設定》からの問いかえしを試み,新たな見晴らしよい世界のありかたを求め描く,著者渾身の書き下ろし.
産業(農業)
(のうさんそんはしょうめつしない)
小田切徳美
増田レポートによるショックが地方を覆っている.地方はこのままいけば,消滅するのか? 否.どこよりも先に過疎化,超高齢化と切実に向き合ってきた農山村.311以降,社会のあり方を問い田園に向かう若者の動きとも合流し,この難問を突破しつつある.多くの事例を,現場をとことん歩いて回る研究者が丁寧に報告,レポートが意図した狙いを喝破する.
社会科学(政治)
(がいこうどきゅめんと れきしにんしき)
服部龍二
歴史教科書,靖国参拝,「従軍慰安婦」……様々な思いが絡み合う歴史認識問題.しかしそこには,関係悪化と修復とを繰り返してきた東アジア国際関係の複雑な歩みが存在した.日本政府は歴史認識問題とどのように向き合い,中国・韓国とどのように対話してきたのか.その過程を丁寧にたどり,日本の立脚点を模索する.
社会科学(社会)
(ざいにちちょうせんじん れきしとげんざい)
水野直樹/文京洙
一九四五年,朝鮮は日本の植民地支配から解放された.二〇一五年は七〇年の節目の年になるが,日本と南北朝鮮との間には今なお問題が山積である.在日朝鮮人をめぐる問題もその一つである.植民地期の在日朝鮮人世界の形成,解放から高度成長期以後の世代交代と多様化,そしてグローバル化へと至る現在までを扱う.
社会科学(政治)
(たすうけつをうたがう しゃかいてきせんたくりろんとはなにか)
坂井豊貴
選挙の正統性が保たれないとき,統治の根幹が揺らぎはじめる.選挙制度の欠陥と綻びが露呈する現在の日本.多数決は本当に国民の意思を適切に反映しているのか? 本書では社会的選択理論の視点から,人びとの意思をよりよく集約できる選び方について考える.多数決に代わるルールは,果たしてあるのだろうか.
歴史・地理(歴史/日本)
(いきてかえってきたおとこ あるにほんへいのせんそうとせんご)
小熊英二
戦争とは,平和とは,戦後日本とは,いったい何だったのか.戦争体験は人々をどのように変えたのか.徴兵,過酷な収容所生活,経済成長と生活苦,平和運動への目覚め……とある一人のシベリア抑留者がたどった人生の軌跡が,それを浮き彫りにする.著者が自らの父・謙二の語りから描き出した,日本の20世紀.
社会科学(社会)
(ぽすとしほんしゅぎ かがくにんげんしゃかいのみらい)
広井良典
富の偏在,環境・資源の限界など,なおいっそう深刻化する課題に,「成長」は解答たりうるか――.近代科学とも通底する人間観・生命観にまで遡りつつ,人類史的なスケールで資本主義の歩みと現在を吟味.定常化時代に求められる新たな価値とともに,資本主義・社会主義・エコロジーが交差する先に現れる社会像を,鮮明に描く.
知識・情報科学(情報科学)
(すずきさんにもわかるねっとのみらい)
川上量生
いまやネットなしには毎日はありえない.そのネットの世界では何が起きているのか.ネットの世論とは.コンテンツは.国境を越えているのか.書籍やテレビ,新聞を凌駕するのか.そしてリアルとネットの関係は….みずからもパイオニアとして,ネット世界での様々な試みを実現してきた著者が,ネットのいまと未来を活写する.
社会科学(経済)
(けいざいがくのすすめ じんぶんちとひはんせいしんのふっけん)
佐和隆光
経済学の古典の英知にふれて思考力・判断力・表現力をみがくこと.新古典派とケインズ派双方の理論を支える思想構造の差異を見究め,批判精神を培うこと.これから経済学を学ぶ人,学びなおす人に大切なのはこの二つだ.数学の僕と化した現在の経済学に警鐘をならす.ロングセラー『経済学とは何だろうか』の続篇的一冊.
社会科学(生活・生き方)
(きゃすたーというしごと)
国谷裕子
今という時代を映す鏡でありたい──.従来のニュース番組とは一線を画し,日本のジャーナリズムに新しい風を吹き込んだ〈クローズアップ現代〉.番組スタッフたちの熱き思いとともに,真摯に,そして果敢に,自分の言葉で世に問いかけ続けてきたキャスターが,23年にわたる挑戦の日々を語る.
社会科学(政治)
(るぽとらんぷおうこく もうひとつのあめりかをいく)
金成隆一
なぜトランプなのか? ニューヨークではわからない.アパラチア山脈を越え,地方に足を踏み入れると状況が一変した.明日の暮らしを心配する,勤勉なアメリカ人たちの声を聴く.そこには普段は見えない,見ていない,もう一つのアメリカが広がっていた.朝日新聞の人気デジタル連載「トランプ王国を行く」をもとに,緊急出版!
歴史・地理(歴史/日本)
(にほんのきんだいとはなんであったか もんだいしてきこうさつ)
三谷太一郎
政党政治を生み出し,資本主義を構築し,植民地帝国を出現させ,天皇制を精神的枠組みとした日本の近代.バジョットが提示したヨーロッパの「近代」概念に照らしながら,これら四つの成り立ちについて論理的に解き明かしていく.学界をリードしてきた政治史家が,日本近代とはいかなる経験であったのかを総括する堂々たる一冊.
社会科学(経済)
(みくろけいざいがくにゅうもんのにゅうもん)
坂井豊貴
ミクロ経済学はつまずきの石だ.無差別曲線,限界効用,ナッシュ均衡,…….ミクロの迷宮に落ち込んだら最後,入門書すら歯が立たなくなる.やる気をなくす前に,ともかく読んでほしい「入門の入門」.数式は一切なし.シンプルな図だけで基本を説明する.サクッと読めてきちんとわかる,学び始め,学び直しに最適のテキスト.
知識・情報科学(情報科学)
(でーたさいえんすにゅうもん)
竹村彰通
ビッグデータの時代だ.さまざまな分野の研究がデータ駆動型に変わってきている.ビジネスでのビッグデータ利用も人工知能の開発とあいまって盛んだ.データの処理・分析に必要な情報学(コンピュータ科学)と統計学の基本知識をおさえ,またデータから新たな価値を引き出すスキルの学び方を紹介する.待望の入門書.