日本大百科全書(ニッポニカ)

全国銀行データ通信システム
ぜんこくぎんこうでーたつうしんしすてむ

個人や企業が依頼した日本円の振込や送金について、金融機関どうしで処理(決済)するための銀行間ネットワークシステム。略称の「全銀システム」でよばれることが多く、海外の金融関係者の間では「ZENGIN」の名称で知られる。日本銀行金融ネットワークシステム(日銀ネット)や外国為替(かわせ)円決済システムと並ぶ、日本の主要な決済システムである。1973年(昭和48)4月に稼動し、全国銀行協会傘下の一般社団法人全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が運営している。加盟するのは都市銀行、地方銀行、信託銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合、労働金庫、外国銀行、ゆうちょ銀行など日本国内のほぼすべての金融機関で、これら金融機関が維持管理費を拠出している。万が一の決済資金不払いに備え、加盟金融機関から担保・保証を受け入れている。稼動以来、トラブルで停止したことはない。
 東京と大阪にある全銀センターに設置された大型ホストコンピュータと各金融機関を専用通信回線でつないで処理を行う。銀行間の取引情報は両センターから日銀ネットに送信され、日銀当座預金の入金または引き落としで決済される。稼動以来、稼働時間は平日8時半~15時半で、長く夜間や土日祝日の振込・送金は翌営業日まで処理できなかった。しかしイギリス、シンガポールなど先進各国で24時間化決済が導入されたうえ、ネット通販の普及で即時決済の需要が高まったことから、全銀システムも2018年10月(平成30)から24時間365日の稼動に踏み切った。ただし24時間化への参加は金融機関にとって任意であり、資金の送り手と受け手双方が24時間化に対応していないと即時処理はできない。また1億円以上の処理や、複数を一括処理する給与・賞与の振込などは24時間化の対象外である。全銀システムは取引量の増大に伴い、システムをほぼ8年ごとに更新(第1次システムのみ6年間)しており、2018年時点では2011年からの第6次システムが稼働している。1日平均750万件、約13兆円の取引を処理している。
[矢野 武]2019年4月16日