日本大百科全書(ニッポニカ)

4Kテレビ・8Kテレビ
よんけーてれびはちけーてれび
4K television, 8K television 英語

UHDTV(ultra high definition television、超高精細度テレビジョン)方式を用いたテレビ。現行のHDTV(high definition television、高精細度テレビジョン。日本での愛称はハイビジョン)に次ぐ新規格の方式によるものである。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

概要

Kとはキロ、すなわち1000を意味し、4Kテレビの名は、この方式が水平(横)画素数約4000(正確には3840)をもつことに由来する。ちなみに現行のHDTVの主流である高解像度ハイビジョンの水平画素数は約2000(正確には1920)であることから、2Kテレビともよばれる。4Kテレビ画面の画素数は水平3840×垂直(縦)2160、全数829万4400で、2Kテレビ画面の画素数水平1920×垂直1080、全数207万3600の4倍となる。画面のアスペクト比(縦横比)はハイビジョンの場合と同じ16対9である。4Kテレビの特長として、ハイビジョンに比べて画面のきめが細かいことに加え、視野角が広く視聴位置が正面からずれても画品質の劣化が少なくなり、臨場感が向上することがあげられる。
 UHDTVの国際規格化は、日本の提案をもとに国際電気通信連合(ITU)の無線通信部門(ITU-R:ITU-Radio Communication Sector)で検討が行われ、2012年8月、正式規格として採用された。
 8Kテレビはもう一つのUHDTV方式で、NHK(日本放送協会)は「スーパーハイビジョン」の愛称でよんでいる。8Kテレビ画面の総画素数は水平7680×垂直4320、全数3317万7600で、2Kテレビ画面の画素数の16倍となり、4Kテレビよりさらにきめの細かい画面が実現する。なお、8Kの名称の由来は水平画素数約8000(正確には7680)によるものである。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

4K・8K試験放送から実用放送開始までの経緯

日本における4Kテレビ放送は、2014年(平成26)6月、最初の試験放送(Channel 4K)が124度および128度CSデジタル放送を使って開始された(2016年3月末に放送終了)。同年10月と12月には、4K商用VOD(ビデオ・オン・デマンド。電子レンタルビデオともよばれ、視聴者が見たいときに見たい番組を視聴する方式。原則有料)インターネットサービス2種が開始された。また2015年3月には、4K商用放送「スカパー!4K」が124度および128度CSデジタル放送を使って開始された。しかし、これらは一般視聴者が手持ちの機材を使って安直に視聴できるというものではなかった。
 一般向けの放送は、2016年4月、総務省がBS17チャンネル(地上デジタル難視聴対策衛星放送として設定されたチャンネルで、運用終了後に空きチャンネルとなっているもの)を利用して、4K・8Kの試験放送を行うことを発表した。これによると、4K放送は次世代放送推進フォーラム(NexTV-F(ネックスティービーフォーラム):Next Generation Television & Broadcasting Promotion Forum)が、8K放送はNHKが担当することとされた。ちなみに、NexTV-Fは2013年、4Kデジタル放送の技術規格や運用ルールを検討することを目的に民放キー局や家電メーカーが参加して発足した業界団体であるが、2016年4月、デジタルテレビ放送の普及促進とアナログテレビ放送終了の周知徹底を目的に2007年に発足したデジタル放送推進協会(Dpa:The Association for Promotion of Digital Broadcasting)と統合して、放送サービス高度化推進協会(A-PAB(エーピーエービー):The Association for Promotion of Advanced Broadcasting Services)に改組され、4K試験放送の業務はA-PABに引き継がれた。
 4K・8Kそれぞれの試験放送は、同一のBS17チャンネルを時間帯で分けて利用することとし、A-PABの4K試験放送はとりあえず毎日1時間で、2016年12月1日に開始された。一方、NHKの4K・8K試験放送は毎日6時間で、2016年8月1日に開始された。2017年には110度CSデジタル放送でも4K試験放送を開始した。4K・8K試験放送の目的は放送設備や受信機器の開発・環境整備にあり、一般家庭のテレビ受像機で視聴することはできないが、放送局などで視聴経験することは可能であった。
 BS17チャンネルを利用した試験放送から2年余りにわたる入念な試験放送の実績をもとに、2018年12月1日、4K・8Kの実用放送が開始された。詳細は「4K・8K実用放送」の章で述べる。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

4K・8K放送の技術

(1)円偏波

電波は、進行方向に垂直な面内で電界が振動しながら伝搬するが、放送の場合、振動方向は面内一様ではなく、決められた向きや様式に限って振動するようになっている。光の場合の偏光に相当するもので、偏波とよばれる。地上波の場合には、電界の振動が一定の方向に振動する直線偏波が用いられる。直線偏波には、地面に対して水平方向に振動する水平偏波および地面に対して垂直方向に振動する垂直偏波がある。BS放送の場合、直線偏波は衛星の姿勢が変わると偏波方向が変わってしまう不都合があり不適当であるため、衛星の姿勢変化の影響を受けない円偏波が用いられる。円偏波は偏波面が面内で回転しながら伝搬する方式で、進行方向に向かって右回りに回転する右旋円偏波と左回りに回転する左旋円偏波とがある。右旋円偏波と左旋円偏波は互いに干渉しあうことがないので、同じ周波数の電波を使って独立した二つの放送を送信することができる。従来のBSおよび110度CSデジタルの2K放送では右旋円偏波が使われているが、新しい4K・8K放送では、右旋円偏波に加えて左旋円偏波も使われる。両者の使い分けについては、「4K・8K実用放送」の章で述べる。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

(2)映像情報の高圧縮

HDTV(2K)およびUHDTV(4K・8K)は映像の帯域が広いため、映像信号をそのまま放送すると限られた電波を浪費することになることから、映像情報の圧縮を行ったうえで送信される。
 HDTVの場合は、H.262/MPEG(エムペグ)-2(MPEG:moving picture experts group)とよばれる圧縮方式が使われている。H.262/MPEG-2はDVDビデオの圧縮などにも使われ、もっとも一般的な圧縮方式である。
 UHDTVはさらに映像帯域が広いため、より帯域圧縮効率の高い方式が必要になることから、H.265/HEVC(HEVC:high efficiency video coding)という方式が使われる。H.265/HEVCはH.262/MPEG-2に比べて4分の1のデータ量で同等の画質を実現することができる。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

(3)広色域とHDR

8Kは画素数が多くてきめが細かいだけでなく、番組制作に映像品質を向上する最新技術が採用されている。一つは広色域技術で、色の範囲を広げて従来表示できなかった色まで再現することができ、もう一つはHDR(high dynamic range:ハイダイナミックレンジ)技術で、輝度(明るさ)情報を拡大して、日陰と日なたが同じ画面に存在するなどの明暗差が大きい場面でも自然に再現することが可能になる。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

(4)臨場感に優れた音声

4K放送の音声規格には5.1チャンネル・サラウンドが含まれ、一部の4K制作番組に適用されている。5.1チャンネルは、聞く人の高さの中層前方の中央、左、右と後方の左、右、合計5チャンネル音声と、重低音のための0.1チャンネルからなり、音に包み囲まれたような立体感・臨場感が再現される。5.1チャンネル・サラウンドを楽しむためには、視聴者側でこれに適した音響設備を備える必要がある。
 8K放送の音声は22.2マルチチャンネル音響で、天井面の上層9チャンネル、聞く人の高さの中層10チャンネル、床面の下層3チャンネル、合計22チャンネルからなる三次元音響に加えて、重低音用0.2チャンネルからなる。大画面の超高精細映像に見合った臨場感・迫力が体感できるという。22.2マルチチャンネル音響を楽しむためには、視聴者側でこれに適した部屋と音響設備を備える必要がある。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

4K・8K実用放送

前述の試験放送の実績をもとに、BSおよび110度CSデジタル放送を用いる4K・8K実用放送が総務省で認定され、2018年12月1日に開始された。放送様式は3種類に大別される。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

(1)BS右旋方式

BS右旋方式で4K実用放送を行う認定を受けたのは、以下の6放送事業者、6チャンネルである(括弧(かっこ)内はチャンネル名)。ビーエス朝日(BS朝日4K)、BSテレビ東京(BSテレ東4K)、BS日本(BS日テレ)、NHK(NHK BS4K)、BS-TBS(BS-TBS 4K)、ビーエスフジ(BSフジ4K)。BS日テレを除く五つのチャンネルは2018年12月1日に放送を開始した(BS日テレは2019年9月1日に放送開始予定)。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

(2)BS左旋方式

BS左旋方式で4K・8K実用放送を行う認定を受けたのは、以下の5放送事業者、5チャンネルである。SCサテライト放送(ショップチャンネル4K)、QVCサテライト(4K QVC)、東北新社メディアサービス(ザ・シネマ4K)、WOWOW(ワウワウ)(WOWOW)、NHK(NHK BS8K)。WOWOWを除く四つのチャンネルは2018年12月1日に放送を開始した(WOWOWは2020年12月1日に放送開始予定)。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

(3)110度CS左旋方式

110度CS左旋方式で4K実用放送を行う認定を受けた放送事業者は、スカパー・エンターテインメント1社、8チャンネルである。チャンネル名は、J SPORTS(ジェイスポーツ) 1(4K)、J SPORTS 2(4K)、J SPORTS 3(4K)、J SPORTS 4(4K)、スターチャンネル 4K、スカチャン1 4K、スカチャン2 4K、日本映画+時代劇 4Kで、2018年12月1日に放送を開始した。
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4K・8K放送開始後の2K放送

4K実用放送開始後もBSおよびCSデジタルの2K放送はこれまでどおり続けられるので、4K・8Kを必要としない視聴者に支障が出ることはない。ただし厳密にいえば、4K・8K放送のためにスロット数(放送帯域を複数の単位に分割している数)が削減され、画質は若干低下している。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

4K・8Kテレビ受像機

すこし紛らわしいが、4K放送を受信するチューナーを搭載し、放送およびそれ以外の外部入力も含めて4K映像を映し出すことができる機能をもったテレビ受像機を「4Kテレビ」とよぶ。他方で、4Kチューナーをもたず放送を受信することはできないが、4Kビデオカメラで撮影した信号や4Kパッケージメディアからの外部入力信号を入力すれば、4K映像を映し出すことができる機能をもったテレビ受像機を「4K対応テレビ」とよぶ。4K対応テレビ受像機は2011年12月に日本の東芝が世界に先駆けて発売し、4K・8K放送が開始されるまで通称4Kテレビとして各社から販売された。
 「4K対応テレビ」はテレビ自体で4K放送を受信することはできないが、2018年12月の4K放送開始と前後して各社から外付け4Kチューナーが発売されたので、これを併用すれば、比較的低廉な追加費用で4K放送を受信することができる。外付け4Kチューナーを使わない場合は、2K放送を受信し、超解像度技術で4K相当にアップコンバート(上位変換)した映像を視聴することになる。この際、ハイビジョン信号に付帯するブロックノイズ(受信条件が悪いとき、映像の一部がモザイク状になる障害)なども軽減される。純正4Kでないため、「擬似4K」あるいは「4Kもどき」などといわれるが、超解像度技術の性能は高く、「擬似4K映像」は2K放送のままのそれに比べて、明らかにきめ細かく高品位である。2018年に4K実用放送が開始されても、2K放送は現行のまま継続されるので、従来どおり「擬似4K」を楽しむことができる。
 2018年12月1日にBSの4K・8K放送および110度CSの4K放送が開始され、以後はこれら4K放送が受信可能な「4Kテレビ」が販売の主流になるものと思われる。
 8Kテレビの発売は2019年4月時点ではシャープ1社であるが、同年1月にアメリカのラス・ベガスで開催されたCES(セス) 2019(2019年家電見本市。CES:コンシューマー・エレクトロニクス・ショーConsumer Electronics Show)で、ソニーが8Kテレビを発表しており、これが日本で発売ということになれば、8Kテレビ第2号となる。
 4K・8Kテレビの画質向上に有効な技術として注目されているものに、前述のHDRがある。HDRはNHK BS8Kにおいて送信信号に適用されるが、テレビ受像機側にも適用できる。これまでテレビ画質の向上は解像度の向上や色域(色の範囲)拡大に重点が置かれてきたが、HDRは輝度(明るさ)情報の拡大を図るもので、これを4Kテレビに適用することで、映像のめりはりが強調され、生き生きとした印象になる。現在、ほとんどの最新テレビがHDRに対応している。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

4K・8K放送受信に必要な設備

4K・8Kを受信するためには、テレビ受像機のほかにパラボラアンテナ、アンテナから受像機まで信号を伝えるケーブル、信号を複数のテレビ受像機に分配する分配器、受信信号が弱いときこれを増幅するブースターなどの設備が必要である。
 これらの設備を新しいものに変える必要があるかどうかは放送様式によって異なる。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

(1)BS右旋方式

BS朝日4K、BSテレ東4K、BS日テレ、NHK BS4K、BS-TBS 4K、BSフジ4Kの場合は、基本的に既存のパラボラアンテナ、ケーブル、分配器、ブースターなどはそのまま使うことができ、老朽化などの障害がない限り交換や新設の必要はない。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

(2)BS左旋方式

ショップチャンネル4K、4K QVC、ザ・シネマ4K、WOWOW、NHK BS8Kの場合は、左旋用パラボラアンテナを増設するか、右旋・左旋兼用パラボラアンテナ(新4K・8K衛星放送対応アンテナ)を設置する必要がある。また、左旋の電波はBSおよび110度CSアンテナで受信したのち、従来の右旋信号より高い周波数の信号に変換されてケーブルに伝えられる。そのため、ケーブル、分配器、ブースターなどの設備がこの高い周波数に対応していない場合は、対応するものに交換する必要がある。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

(3)110度CS左旋方式

J SPORTS 1(4K)、J SPORTS 2(4K)、J SPORTS 3(4K)、J SPORTS 4(4K)、スターチャンネル 4K、スカチャン1 4K、スカチャン 2 4K、日本映画+時代劇 4Kの場合は、左旋用アンテナを増設するか、右旋・左旋兼用アンテナを設置する必要がある。また、BS左旋と同様の理由で、ケーブルに伝えられる周波数が高いので、基本的に、ケーブル、分配器、ブースターなどの設備をこの高い周波数に対応するものに交換する必要がある。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

4K・8K放送の録画

4K・8K放送は現行の2K放送より高精細・高品位であるため、番組著作権保護を含めた新しい立場からのサービス形態が模索されてきた。NexTV-F(現、A-PAB)は4K・8Kデジタル放送に関するいろいろな課題について論議を重ねてきたが、2015年12月25日に公開した「高度広帯域衛星デジタル放送運用規定」ではコンテンツ保護に関する運用について規定し、「月極め等有料放送」や「コンテンツ保護を伴う無料番組」の「コピー禁止」については、未定を意味する「T.B.D.」(to be determined)という記載になっていた。これに対し、民放キー局は番組のコピー(録画)禁止を提案した。もし録画ができないという事態になれば、4K・8Kテレビ放送は局が決めた時間にあわせて実時間で視聴するしかなく、時間をずらして都合のよいときに見ることも、繰り返して見ることもできなくなる。テレビの視聴環境としては、録画機器などがなかったテレビ草創期の時代に後戻りすることになってしまうという懸念があった。
 2018年12月にBS4K・8K、110度CS4K放送が開始された時点で、録画禁止は回避され、「ダビング10」または「コピーワンス」方式に落ち着いている。両者の選択は放送業者に任される。2019年2月時点では、4K番組の録画およびブルーレイディスク(BD)へのコピーが可能なレコーダーが数社から発売されている。8K番組の録画レコーダーは、シャープ1社から発売されている。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

地上デジタル4K・8K放送の将来展望

現在、大多数のテレビ視聴者は地上デジタル放送を視聴しており、BS・CS放送は主流ではない。BS・CS放送には弱点があり、衛星から大気中を通して電波が送られるため、気象条件の影響を受けやすく、大雨や降雪時に受信品質が低下し、場合によっては一時的に受信不能となることがある。地上デジタルではこのような弱点はない。地上デジタル4K・8K放送が実現すれば、いろいろな意味で好都合と考えられる。
 しかし、地上波では電波に余裕がないため、BS4K・8Kや110度CS4Kで行われた、2Kチャンネルを残しながら4K・8Kのための別チャンネルを設定するという余裕ある方法をとることはできず、4K・8K放送を行うとすれば2Kチャンネルをつぶして置き換えるしかない。そうなった場合、現在の技術では2K放送と4K・8K放送は方式が違って互換性・両立性がないため、使用中の2Kテレビ受像機は使うことができなくなり、全視聴者が一斉に買い換える必要が出てくる。このような事態に視聴者の理解が得られるとは考えにくい。
 一方、放送局側からすれば、4Kカメラや放送設備などの更新のために、大規模な投資が必要になり、採算性を考えるとメリットが少ない。このようなことから、現時点で地上デジタル4K放送の実行は無理と考えられる。
 総務省が2015年に発表した「4K・8K推進のためのロードマップ」(計画表)には、2025年まで地上デジタル放送は現行の2K放送を継続するとだけ記載され、4K・8K計画の記載はない。しかし総務省は将来構想として、2K放送と両立できる地上デジタル4K・8K放送の計画をもち、その実現に向けて2017年2月に「地上テレビジョン放送の高度化技術に関する提案の募集」を行った。提案対象となる技術および募集要項は、現行の地上デジタルと同一の周波数帯およびチャンネル幅で、現行の地上デジタル放送に加え、4K・8K放送を実現することができる技術としている。
 条件として、現行の地上デジタル放送を受信する視聴者は特別の負担なくそのまま視聴し続けられること、および地上デジタル4K・8K放送の視聴を希望する視聴者は別途対応チューナーなどを購入するだけで視聴可能となることがあげられている。
 放送方式のイメージとして、
(1)2K信号と4K信号を同じチャンネルに混在させて送信する方法、
(2)4Kで制作した番組を2Kにダウンコンバート(下位変換)して送信することで、これまでどおり2Kの受信が可能になる方法、
(3)この2K信号と同じチャンネルで補完信号を送信し、受信側で2K信号と補完信号を合成して4Kとすることで、4K放送を受信する方法、
などをあげ、これ以外の方法もありうるとしている。
 NHKとNHKアイテック(NHKのグループ会社)は、この総務省計画の委託を受けて、2018年秋から東京地区・名古屋地区において、地上デジタル放送の高度化(4K・8K)に向けた実証実験を行っている。この研究開発は、前記2社のほか、ソニー、パナソニック、東京理科大学が総務省の委託を受けて実施している。
 2025年ごろには技術が完成して、2Kと4K・8Kが両立する新しい地上デジタル放送が開始されることが期待される。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日

世界の4K・8Kテレビ市場

CES 2019(2019年1月8日~11日)でテレビ関連の発表があった。
 注目される話題は8Kテレビで、NHKが世界に先駆けて2018年12月1日に開始した8K放送が話題になったほか、日韓中の東洋勢が8Kテレビを発表展示した。メーカーは、ソニー、シャープ(以上、日本)、三星(サムスン)電子、LGエレクトロニクス(以上、韓国)、海信(ハイセンス)、長虹美菱(チャンホンメイリン)、創維(スカイワース)(以上、中国)などである。ソニーの展示は98インチ型、85インチ型8K液晶テレビ2種、シャープは日本で既発売の80インチ型、70インチ型、60インチ型8K液晶テレビ3種、三星電子は98インチ型8K液晶テレビ、LGエレクトロニクスは世界初という88インチ型有機ELテレビ、などである。日本の4K・8K放送において、8KはNHK BS8Kの1チャンネルだけであるが、世界の関心は、8Kに向かっているようにも思われる。
 そのほかの注目技術の一つとして、LGエレクトロニクスの巻取り型4K有機ELテレビがある。使用しないときや運搬のときにはディスプレーがケースに収納でき、使用時に完全に張り出した状態で画面サイズ65インチ型のテレビになる。巻取り型有機ELテレビは前年のCES 2018で発表されているが、今回発表のモデルは2019年中に市販するとされている。
 もう一つの注目技術に、三星電子のマイクロLEDテレビがある。微細なLED素子を敷き詰めた自己発光方式のディスプレー・パネルをもつテレビである。商業・公共施設での使用が主目的の146インチ型4K(CES 2018)、292インチ型8K(ISE 2019。ISE:ヨーロッパ統合システム見本市Integrated Systems Europe)、および家庭用の75インチ型4K(CES 2019)が発表されており、いずれも2019年中に市販するとされている。マイクロLEDテレビは、高画質、長寿命、省電力、などの特長があり、液晶テレビ、有機ELテレビ後の次世代テレビの有力候補と考えられている。
[吉川昭吉郎]2019年6月18日