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言語化できない知識。ハンガリーの物理化学者、社会科学者であるM・ポランニーの用語で、『暗黙知の次元』(原著は1966年)で議論された。人間の身体性に基づいた部分は言語化できないことが多い。たとえば、自転車の乗り方の多くの部分は言語化できない。
エキスパートシステムが盛んに開発されていた1980年代には、エキスパート(専門家)の知識をプログラム化する試みが多く存在したが、この暗黙知の部分はエキスパート自身が言語化できないので、プログラム化できなかった。「暗黙知の形式知化」を唱える研究者もいるが、原理的に言語化できないものを暗黙知とよぶべきであろう。
なお、最近注目されているディープラーニング(深層学習)では、大量のサンプルから教師なしで学習できる場合があるので、暗黙知の一部は(言語化できないままで)学習可能になるのではないかと期待されている。
2019年7月19日