日本大百科全書(ニッポニカ)

感性情報処理
かんせいじょうほうしょり

加藤俊一(かとうとしかず)(1957― )らによって、まず日本から提唱され、さらに世界でKanseiとして広がった研究分野。広辞苑七版によれば「感性」には四つの意味が示されているが、そのなかで、「感覚によってよび起こされ、それに支配される体験内容。従って、感覚に伴う感情や衝動・欲望をも含む」というのが、ここでいう感性の意味にもっとも近い。この感性という概念は英語のemotionともsensibilityやsensualityとも異なる(これらは感性の一部であるが全体ではない)ので、日本語がそのまま使われることとなった。
 感性を扱うことが求められている分野はUI(User Interface:ユーザー・インターフェース)、環境のデザイン、音楽や絵画などの芸術と多岐にわたる。
 しかし、今後、人工知能(AI)がこの分野に貢献できるかどうかは未知数である。なぜなら、感性は人間の側のものであり、その自動対応は困難であると考えられるからである。一方で、人間の感情を検知することについては、実用化されつつある。たとえば、音声から話者のストレスを検知することや、顔のデジタルカメラの映像に写った毛細血管から、その人の血圧や脈拍を推定することなどが可能になりつつある。
[中島秀之]2019年7月19日