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アラブ諸国やトルコのチター属の撥弦(はつげん)楽器。古典音楽の旋律楽器として使用される。その起源は明らかでないが11~12世紀にはすでに西アジア各地やスペインで用いられていた。現在の形態は、表面片側が羊皮からなる台形の平たい木製共鳴箱の上に、75本前後のガット弦かナイロン弦を張ったもの(3弦ずつ同じ音に調弦する)が一般的で、弦の振動が駒(こま)を通して羊皮に伝わり、独特な音色が得られる。膝(ひざ)の上か台の上に楽器を置き、両手の人差し指にプレクトラム(義甲)をつけて、トレモロ奏法を主体に演奏する。また、使用する旋法にあわせて微小音程を調節できる装置を駒に付したものもある。