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東アジアのリュート属の撥弦(はつげん)楽器。中国、宋(そう)代に阮咸(げんかん)から発達し、明(みん)代に現在のような短棹(たんざお)になった。胴は満月のように真円形をし、音は琴を連想させるため、月琴といわれる。現在の中国の月琴は円形胴、全長約60センチメートル、直径約35センチメートルで、4弦13~14柱のものが多い。各弦を2本ずつ同音に調弦し、義甲で弾奏する。近年、3~4弦で17柱または24柱のものもつくられており、明代以来の戯劇や清(しん)朝以来の京劇などの伴奏に用いられる。なお、時代によっては八角胴長棹の阮咸を月琴とよぶこともあった。
日本には江戸時代に伝来し、いわゆる明清楽(みんしんがく)に用いられたが、明楽では八角胴長棹型(4弦15柱)を、清楽では円形胴短棹型(4弦8柱)を月琴と称した。大正期、合奏用、独奏用として一般家庭にまで流行したが、以後はあまり聞かれない。